『映画プリキュアオールスターズF』は、『プリキュア』シリーズ20周年記念作品となるスペシャルメモリアルな一作。そのOPテーマソング「For “F”」は、現在放送中のTVアニメ『ひろがるスカイ!プリキュア』(以下、『ひろプリ』)のオープニング主題歌「ひろがるスカイ!プリキュア ~Hero Girls~」と同じ布陣が制作(作詞:青木久美子、作曲・編曲:森いづみ)。
歌唱は「ひろがるスカイ!プリキュア ~Hero Girls~」の石井あみと、北川理恵と共に同曲のコーラスを担ったMachicoが“ふたり”でボーカルを務める。ときに伸びやかに、ときにかっこよく、異なる魅力を持つ石井とMachicoの歌声は、時空を超えて聴かれるであろう名曲に“愛”と“強さ”を埋め込んだ。互いを想い合う、プリキュアらしい“ふたり”がその制作を振り返る。

INTERVIEW & TEXT BY 清水耕司

自分の中で想像したプリキュアムービーに合わせて
――映画のOPテーマソングについてはオーディションではなく指名というお話ですが、依頼されたときの感想から教えていただけますか?

Machico 自分にお声がけいただけるとは思っていなかったです。しかも、このOPテーマソングだけでなく挿入歌(「All for one Forever」)にも参加させてもらったので「2曲もいいんですか!?」みたいな感じでした。20周年という大きな節目の作品に関われることはとても光栄なことですし、誰もが経験できることではないので、とにかく「全力でプリキュアの魅力を伝えたい!」という気持ちになりました。

石井あみ 私は『ひろプリ』のオープニング主題歌で歌手デビューさせていただき、プリキュアを通して毎日成長させていただいているところなのに、さらに20周年記念作品となる映画のOPテーマソングも歌えると聞いたときは「これは夢なの?」と思いました。しかも、憧れのMachicoさんとのデュオということで本当に嬉しくて(照れ笑い)。子供たちに素敵な歌だと思ってもらえるように頑張ろうと決意した瞬間でもありました。

――お二人が選ばれた理由というのはどのように考えていますか?

Machico 私も気になってスタッフの方に聞いてみたんです。映画本編の内容とも関わるところなので詳しくは言えないですけど、私を選んでもらえた納得のいく理由があって。20周年記念で全プリキュアが登場する作品だからこそできるデュエットだと思いました。
なのでファンの人たちには期待していてほしいと思います。

――レコーディングではどう歌おうとイメージを膨らませましたか?

石井 楽曲を初めて聴いたとき、すごく爽やかだけど熱さも感じられて、プリキュアらしさがたくさん詰まっている曲だと感じました。Machicoさんとは今まで、コーラスという形でしか一緒に歌えていないので、お互いがメインで歌い合ったらどうなるかを想像しながら練習していました。レコーディングはMachicoさんが先に録られていたので、私はMachicoさんの声が入った状態で歌わせていただいたのですが、二人の歌声が合わさったらお互いのニュアンスが絶妙に混ざり合って、プリキュア同士が手を繋いで一緒に歩んでいるような情景が浮かんできて。歌いながらも色々な表現やイメージが広がっていきました。歌詞も素敵で、私が担当した“ありがとうよりも深い キモチがあるって知った”のところではプリキュアを通じて出会った方々を思い浮かべたりしながら、言葉を1つひとつ明瞭に伝えることを意識しながら歌わせていただきました。

Machico 楽曲をいただいたとき、全体的に明るい描写が多くて、仲間と出会えたことの喜びや、サビ頭にある“どうなる? どうする?”という歌詞からも未来への期待感をすごく感じたんです。でも、Dメロには心情を吐露するような、思わず出てしまった心の叫びのようなフレーズがあって、明るい気持ちと本音が絶妙に表現されているとも感じました。なので、あみちゃんと一緒に歌うと考えたとき、変に“先輩”であることを意識するのではなく、自分らしく歌おうと思ったんですね。私自身も人生において、下の世代の子たちを引っ張っていくタイプではないので。

――以前も、現場に下の世代が増えてきた今、どう接するかという意識についてお話されていましたね。

Machico そうなんですよ。
私は下の世代の子たちとも横並びで関わっていきたいので、そういうところを歌でも表現したいという想いがありました。歌詞に込められた優しさをニュアンスとしてプラスしつつ、あみちゃんにバトンを繋げることを意識して。だから、あまり気張らずに歌えました。先ほどお話ししたDメロの“勝つためにきっと戦うんじゃなく 怖れるキモチに負けたくないだけ それでもホントは解り合えたら 笑い合えたらって思う”はすごくお気に入りのフレーズで。プリキュアたちは、敵を憎んで戦っているのではなくて、分かり合いたいからこそぶつかっている印象が強いのですが、その“プリキュアの核”みたいなところが、この部分にギュッと詰め込まれていると思うんですね。友だちに対しても、ただ仲良しなだけではなく意見がぶつかったりギクシャクしたりする瞬間もあって、でも正面から向き合うから絆が深くなっていく。それはすべての『プリキュア』シリーズを通して感じていることでもあったので、そういう“プリキュアの核”みたいなところをこのDメロで込めたいと思っていました。なので、他のところは明るく歌いつつ、Dメロは等身大の少女のようにアプローチしてみました。

――今回は20周年記念作品ということもあり、子供たちだけではなく、大人になったプリキュアファンにも向けた楽曲に感じました。MachicoさんがおっしゃったDメロが特にそうだと思いますが、歌う側にもその意識があったのではないかと思ったのですが。

Machico そうですね。今回の歌詞は現実味のある部分が多かったですし、私もあみちゃんも少なくとも20年以上は生きている身なので。
ね?(笑)。

石井 そうですね(笑)。

Machico 酸いも甘いもそれなりに経験しているので、歌うときに自分が経験した感情をよりイメージするというのは、確かに今までのプリキュア楽曲より大きかったかもしれないです。「わかる!」って共感できるところが多いというか、感情を表現するときにパズルのピースを当てはめるようにできるというか。なので、自分の実体験をリアルに想像しつつ、今まで観てきた『プリキュア』シリーズの色々なシーンやキャラクターも勝手に想像していました。自分の中でイメージムービーを作る感覚ですね。ここの部分はあのプリキュアの表情が合うな、とか。主題歌で関わらせていただいた3作品(『ヒーリングっど♥プリキュア』『トロピカル~ジュ!プリキュア』『デリシャスパーティ♡プリキュア』)と『キラキラ☆プリキュアアラモード』(Machicoは岬あやね役の声優として出演)の記憶を色々と当てはめながら歌いました。

――石井さんも、『ひろプリ』の主題歌を歌う際は『プリキュア』のシーンを当てはめながらイメージを膨らませていたとおっしゃっていました。

石井 そうですね。私もMachicoさんと同じで、今回の「For “F”」でもプリキュアのオリジナルムービーが自然と頭に浮かんできて、テイクを重ねるなかでそのムービーに合った歌い方に近づけることで、自分の中でも納得して前に進むことができました。それとプリキュアたちの魅力というのは、かわいらしさ、かっこよさ、力強さだけではなく、風とか自然を感じさせてくれるところにもあるという感覚があって。
風が吹いてプリキュアたちの髪がなびいているとか、そういうイメージも大切にしています。子供たちは大人の私たちよりももっと想像力が豊かだと思うので、きっともっとたくさんのオリジナルムービーが心の中にあると思うんです。そこを歌で伝えてこそ子供たちにも伝わるんじゃないかな、といつも思っています。

――互いがメインでのデュエット、というところでの相手の印象を教えていただきたいのですが、さかのぼれば初対面は「ひろがるスカイ!プリキュア ~Hero Girls~」のレコーディングですか?

Machico そうですね。あみちゃんの収録前に私と(北川)理恵さんがコーラスを収録させていただくという流れで、そのときに私も理恵さんも初めてあみちゃんにご挨拶しました。「日曜日のともだち」(アルバム『Machico♡プリキュアのうた!』収録曲で石井がコーラスで参加)のときは、あみちゃんがサプライズみたいな感じでの参加で、私が立ち会えなかったので。

――では改めて、デュエットしてみて相手がどのような歌手と感じたか教えてください。

Machico 『ひろプリ』のオープニング主題歌であみちゃんの歌声を聴いたとき、選ばれたことにすごく納得したんですね。空に向かってどこまでも伸びていくような透き通った声で、でも柔らかさだけではなくて優しい強さもあって。これから色々なものに染まっていくような、白い雲が浮かぶ青空のように色々な表情を見せてくれそうな歌声だと思いました。あと、「For “F”」の完成版を聴いたとき、私は音がはっきりと聴こえるような歌声なんですけど、あみちゃんはマイルドでキラキラな歌になっていて、すごく馴染みが良かったんですね。(『ひろプリ』の前期エンディング主題歌「ヒロガリズム」で)吉武(千颯)ちゃんと一緒に歌ってもすごくまとまりがいいし、「誰と歌っても相手を引き立てるような要素があるのかな?」ということに最近気づいた気がします。
今しか出せない真っ直ぐさを持っている歌声なんですけど、デビューしたばかりということで、これから色んなことを経験して度胸がついたら、もっと表現力が広がっていくと思いますし、そういう意味ではすごく未来にワクワクするシンガーだと思います。

石井 嬉しい……!私は、元々色々な作品を通してMachicoさんの存在を知っていたのですが、どんどん好きになっていって。去年のプリキュアライブ(“デリシャスパーティ♡プリキュア LIVE 2022 Cheers!Delicious LIVE Party♡”)を客席から見ていたとき、Machicoさんが色々なジャンルのプリキュア楽曲を素敵に歌い上げられていて、もちろん他のプリキュアシンガーの方々のパワフルさにも感激したんですけど、そこから愛が止まらなくなりました。

Machico こんなに愛を伝えられるとは(笑)。

石井 歌声には人柄が出ると思うのですが、Machicoさんはお仕事や歌に対してすごく誠実で真っ直ぐで、その部分が歌声にもダイレクトに出ているから、子供たちにもたくさん伝わるものがあるんだと思います。あたたかい人柄や歌はもちろんですが、パフォーマンスや歌のニュアンスで見せてくれる背中もすごくかっこ良さを感じるんですよね。私は自分の声に対して“透明”や“白”という感想をいただくことが多いのですが、Machicoさんがパフォーマンスや歌で見せてくれたものを受け取って、白からMachicoさん色に近づけたり、色々な色を出せるようになりたいと思いました。

Machico きゃっ♪

――Machicoさん推しの証拠として、以前のインタビューで、携帯電話の待受画面がMachicoさんになっていると教えていただきました。

Machico そうなんですよ、今日見せてもらいました。想像以上にあみちゃんの携帯に私がいました。

石井 10人くらい?(笑)。

Machico しかも、アー写とかジャケ写とかではなく、私がSNSに上げた写真だったりしたので、自分が好きな写真を選んでいることが伝わってくるんですよ。


石井 Machicoさんがアップした写真がベストだと思うので!

――2ショット写真ではなく?

石井 2ショットも何枚かはあるんですけど…。

――自分が邪魔みたいな感覚ですか?

石井 あ、そうです。

Machico えー!? そうなの?いや、私がレコーディング中に、私のマネージャーさんがあみちゃんと話していたらしく、出演作の話とか私の話をすごくしたということは聞かされていたんですよ。そのときに待受画面の話も聞いていたので「おやおやおや」と思っていたんですけど、ふたを開けてみたら本当に写真がいっぱいで。思っていた以上に愛が深かったですね。レコーディングのときはそういう態度を見せなかったのに(笑)。

石井 憧れのシンガーの方とデュエットさせていただくので、しっかりしなくてはいけないという気持ちがあったので。“推し”としての抑えきれない気持ちもありつつ(笑)、Machicoさんからたくさん吸収させていただきながら、子供たちに素敵なお歌をお届けしたいという想いでした。

皆さんに会うことができる機会は1つひとつが貴重な場
――ここまでのお話からも感じますが、「For “F”」は対照的な歌手である“ふたり”だからこそ作り得た楽曲です。声に特徴があって声優ならではの表現力を見せるMachicoさん。一方、アカデミックなバックボーンからの安定感や表現力が魅力の石井さん。その辺りはレコーディングしながら感じるところはありましたか?

石井 そうですね。私の歌声に対して、“透明”や“白”といった表現をいただくことが多くて、とても嬉しいのですが、「石井あみといえばこういう歌声」という色をまだ見せられていないとも感じているんですね。それが今の私の課題だと思っています。今回、Machicoさんとデュエットさせていただいて、かっこいいときでも、爽やかなときでも、かわいいときでも、しっかりと“Machicoさん”を感じたんですよね。改めて、自分自身の歌声を見つけられたらいいな、とは実感しました。

Machico 絶対見つけられる!だってまだ走り出したばかりだもんね。私のデビュー当時なんて、当時のマネージャーさんに「Machicoの歌はカラオケレベルだよ」って言われたくらいで。

――リスアニ!公式YouTubeチャンネル「リスアニ!ザ・ビギニング」でのインタビューでもおっしゃっていました。

Machico そうなんです。抑揚がなくて、デビュー曲なんて今聴いたら恥ずかしくなるくらいに全然歌えてなかったです。色々なニュアンスをつけられ始めたのは、声優の現場で先輩たちがキャラクターとして歌っている姿を見てからですね。「あ、音をたどるだけじゃないんだ」と、自分なりに表現を学んで、手に入れていきました。(石井の方を向き)だからこれから!考え込む必要なんて絶対にない!逆に、歳を重ねたらその真っ直ぐさがなくなるの。「忘れたくない」ってずっと思いながら11年目を迎えたけど、やっぱりどこかで忘れちゃうんだから(笑)。

石井 そうなんですか!?

Machico そうなの。だから、定期的にデビュー作を振り返るのはいいと思う。これから色んな活動をして、年数を重ねたあとに振り返るという意味で『ひろプリ』のオープニング主題歌を聴いたら発見できるものがあると思う。私は恥ずかしくて見るに堪えなかったですけど(笑)、でも定期的に見るようにしてます。

――大人になったプリキュアファンにも向けている楽曲ということで、歌うときのポイントを教えていただけますか? 難しかったところとか。

Machico みんなが持っている優しい気持ちを信じて!(キリッ)。心の奥底にある優しいお花をイメージしながら歌ってもらえたら。やっぱり肝になるところは“優しさ”だと私は思っているんですね。1人で歌唱するときは「聴いてくれるみんなへ」というベクトルが大きいんですけど、デュエットではそのベクトルがみんなとあみちゃんに向かっているんです。やっぱり協力しないと素敵な歌にはならないので。だから、相手を思い合う気持ちをいつも以上に膨らませるようなマインドが大切だと思いました。難しいところは……いっぱいあったよね。

石井 そうですね(笑)。

――Machicoさんとしてはどのあたりが?

Machico さっきから全部Dメロの話になっちゃうんですけど(笑)、“勝つためにきっと戦うんじゃなく”の“うん”の音がめっちゃ高くて。感情を優先したら音がぶれてしまうし、音程を優先したら感情がぶれてしまう、その塩梅がめちゃめちゃ難しかったです。“うん”のところは高音が混じると流れやすくなって耳に留まらないんですね。せっかくめちゃめちゃいいフレーズなのに、私の技術のせいで流れてしまうのは避けたかったので、歌うときはその箇所が「来るぞ、来るぞ」みたいな気持ちで、一番の鬼門だった気がします。

――ライブとなるとまた悩みそうです。ぶれてもその勢いが良さにも変わるかもしれないというところで。

Machico そう。「それが良さになってくれ!」とは思いますね。

――石井さんがアドバイスするとしたら?

石井 私は、アグレッシブに自分を開放して歌うというところをすごく大切にしたのですが、そうするとワクワク感や明るさが消えてしまうのでバランスが難しくて。なので、明るく、楽しく、自分が一番いい状態で歌ってもらうのがいいと思いました。最初は音が低いので暗くなりがちですし、“未知なる”という歌詞も不安感があると思うんですけど……。

Machico うんうん。

石井 でも、ここは不安ではなくてワクワクの道なので、楽しく歌ってほしいです。もしもそれをイメージするのが難しかったら笑顔で歌ってほしいですね。笑顔で歌うだけでとても明るくなりますし、ロック調の楽曲なので混ざると“甘辛”になると思います(笑)。

Machico ね!(笑)。あ、ごめんなさい。2人の間で“甘辛”が今日のキーワードだったんです。

――というのは?

石井 今日の私の服装が“甘辛”コーデだったんです。

Machico あみちゃんがさくらんぼ模様の服を着てきたらプロデューサーさんに「幼過ぎないか?」と言われまして。

――あぁ!でも黒のジャケットを上に羽織っているので。

石井 そうなんです。さくらんぼの服が“甘”で。

Machico 黒のジャケットが“辛”となって引き締める“甘辛”コーデなんだよね、という話で私たちが盛り上がっていたんです。

石井 でも今、「For “F”」を“甘辛”と表現してみたら本当にそんな気がしました。

――好対照なお二人の歌声に加え、楽曲も異なる要素が混じり合った魅力があると。となるとやはり、プリキュアファンの方にもデュエットしてみてほしい曲ですね

Machico そうですね。お友だちと歌ってほしいです。

――お二人も早く、皆さんに生で披露したい気持ちが?

Machico 本当に。しかも、イベントで歌えること自体が貴重な機会なので、その一回一回を大切にしていきたいです。TVシリーズ作品の楽曲でも、シーズンが終われば歌える機会がめっきり減ってしまうのに、映画となるとさらに限られるので。アニメのフェスやイベントで歌わせてもらえることはありますけど、やっぱり『プリキュア』イベントのステージで歌いたい気持ちがあるんですよね。その方が“ホーム”という特別な感覚を味わえるので。だから、あみちゃんとあと何度歌えるのか……まだ一度も歌っていないんですけど(笑)。

石井 (笑)。

――Machicoさんは挿入歌「All for one Forever」(吉武千颯 & 礒部花凜/北川理恵/駒形友梨/Machico/宮本佳那子)にも参加されました。そちらの感想もいただけますか?

Machico 私は『プリキュア』シリーズでは、楽曲のタイプで歌い方を変えているんです。愛をテーマにした『ヒープリ』(=『ヒーリングっど♥プリキュア』)は優しいアプローチ、『トロプリ』(=『トロピカル~ジュ!プリキュア』)は弾ける無敵感が出るようにキラキラな歌を意識して、『デパプリ』(=『デリシャスパーティ♡プリキュア』)なら身近な幸せをシェアするような優しさとワクワクドキドキみたいな気持ちを乗せるとか。「All for One Forever」に関しては、めちゃめちゃロックだったので強めに歌った方が曲に合うと思いながら取り組みました。ただ、自分1人でフルに歌うわけではないので、全員で歌うパートは全力で歌って、ソロパートや2人で歌うパートは関係性を表現できるように歌いました。やっぱり6人で歌っている意味を持たせたかったので。北川さんや吉武ちゃんと一緒、あるいはその2人のソロの後に歌うことが多かったので、キャッチボールのように2人からのボールを受け取って次に繋げていくことを大切にしました。特に2番のBメロで吉武ちゃんと2人で歌っているところは、ディレクターの方と話し合いながら何度も歌ってこだわりました。“がんばってるお互いを リスペクトするたびに”という歌詞なのですが、吉武ちゃんとはプライベートでもすごく仲がいいですし。

――吉武さんは、『Machico♡プリキュアのうた!』のイベント時にMachicoさんから“妹”認定され、9月2日のイベント“北海道ベストフレンドパーク”には“公式妹(?)”として一緒に出演もされました。

Machico そうなんですよ。お仕事に対する姿勢への尊敬とか、お互いに笑顔で褒め合うところとか、そういった2人の関係性を出したくて、他の部分はかっこよく歌ったんですけど、そこの部分は気を許しているように笑顔多めで歌わせてもらいました。逆に磯部花凜ちゃんや駒形友梨ちゃんとは、プリキュア楽曲で一緒に歌うのが初めてだったので新鮮な部分もあって。1人ひとりでアプローチが違っていたので、シリーズ作品が集結するような感覚も持ちました。

――石井さんとしては聴いたときの印象は?

石井 憧れている大好きな先輩たちが一緒に歌っていたので、「私の思うプリキュアだ!」という気持ちでした。Machicoさんと北川さんと吉武さんとは一緒に歌わせていただいたこともあり、3人の関係性を近くで見て知っているのですが、Machicoさんが今おっしゃったように、繋がっていくところが歌で見事に表現されていて、本当に素敵な関係だと思いましたし、『プリキュア』という作品のすごさも感じました。

――映画を盛り上げる同志として、お二人から吉武さんにメッセージを贈るとしたら?

Machico 千颯、早く家に来い。

石井 (笑)。

Machico いつも「おいで」とは言っているんですけど、私が部屋を掃除しないものだからなかなか実現しなくて。

――それはMachicoさんが原因ですね。

Machico そうなんです。でも、それこそあみちゃんにも来てほしい。

石井 えっ!行きたいですっ!

Machico 私の家にはあまり業界の友達が来なくて寂しいので。

――吉武さんにとって石井さんは“妹”みたいなものとおっしゃっていましたが……。

Machico じゃあ姉妹だ、うちらは。

――石井さんとしても吉武さんは“お姉さん”ですか?

石井 そうですね。尊敬する先輩でもありますが、いつも本当の妹みたいに接してくださいます。。初めてお会いしたときから、ライブのリハーサルでもリリイベの当日でも助けていただくことばかりで。今度、Machicoさんに甘えている“妹・千颯ちゃん”も見てみたいです。

Machico めちゃくちゃかわいいぞ(笑)。

――吉武さんは駒形友梨さんからも妹扱いというか“赤ちゃん”と言われているそうですし、プリキュアファミリーの輪は広がる一方ですね。

Machico 確かに彼女はベイビーですね。笑い方もなんか赤ちゃんっぽくない?(吉武の声真似をして)えへへへ♪

石井 (笑)。



――似てますね(笑)。改めて、『プリキュア』20周年を迎える今年は、ライブからTVアニメ『キボウノチカラ~オトナプリキュア’23~』まで様々なトピックが目白押しです。気になるニュースやイベントもあると思いますが、お二人はどのような気持ちでこの1年を過ごしていますか?

Machico やっぱり「嬉しい」って言葉が最初に出てきちゃいますね。『ヒープリ』から3年連続で主題歌を歌わせていただき、『ひろプリ』でもコーラス参加させていただき、20年中の4年で主題歌に関わらせていただきました。それってすごく大きな時間だと思うんです。最初に主題歌を担当させてもらったときも奇跡だと思いましたけど、20周年という節目に自分がシンガーとして関われることがすごく嬉しいです。20周年ということで、色んなプリキュアシンガーの方たちとも歌で共演できるという期待感もありますし、私も「生で聴きたーい!!」と思っています。

石井 私は、小さい頃の夢が「プリキュアになりたい」だったので、20年後にプリキュアシンガーとしてデビューさせていただいたことはまさに夢が叶って、本当に嬉しいです。だからこそ、この20周年を次の節目に繋いでいく1人になりたい、とすごく感じています。20周年ならではのイベントもライブもたくさんあるので、歌手の皆さんやスタッフの方々、声優の方々にもたくさんお会いできるかもしれないですし、何よりもファンの方々のお顔を見る機会がたくさんあると思うとそれが一番楽しみですね。ぜひたくさんライブに来ていただいて、プリキュアからもらえる楽しい気持ちやワクワクをシェアする、そんな最高の時間を過ごせたらと願っています。

Machico “全プリキュア展”に行ったとき、私は大人になってから『プリキュア』シリーズに触れたので、20年を一気に見られたのがすごく嬉しくて。「リアルタイムで観ていなくてもこんなに感動するんだ!」って思えたので、最近観始めた方でも昔から観ていた方でも喜んでもらえるイベントがきっとこれからもあるはず!

石井 私は『プリキュア5』シリーズを観ていたので、『オトナプリキュア』は本当に嬉しいです。プリキュアたちが大人になった姿って想像したこともなかったので。あと、『プリキュア5』シリーズって“恋”の要素がちょっと多いじゃないですか?だから個人的にはそこが楽しみです。

Machico アハハ(笑)、かわいい!

●リリース情報
『 映画プリキュアオールスターズF』テーマソングシングル
9月13日発売

■mora
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ハイレゾ/配信リンクはこちら

【CD+DVD】

品番:MJSS-09345~6
価格:2,200円(税込)

【通常盤】

品番:MJSS-09347
価格:1,320円(税込)

<CD>
1.For “F”
歌:石井あみ・Machico
作詞:青木久美子 作曲・編曲:森いづみ

2. All for one Forever
歌:吉武千颯 & 礒部花凜/北川理恵/駒形友梨/Machico/宮本佳那子
作詞:こだまさおり 作曲・編曲:森いづみ

他、カラオケ2曲収録含む全4曲

<DVD>
映画予告編映像等を収録予定

■初回特典:
・キャンバスブロマイド(スーパーアート6色印刷)
・「ひろがるスカイ!プリキュアLIVE2023」先行抽選応募券

関連リンク
『映画プリキュアオールスターズF』オフィシャルサイト
https://2023allstars-f.precure-movie.com/

プリキュア音楽&映像商品公式X(旧Twitter)
https://twitter.com/precure_marv
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