来栖りん、1stミニアルバム『Happy Lucky Diary』全曲解説！初のワンマンライブへの意気込み、“リスアニ！LIVE SPECIAL EDITION ナツヤスミ”のステージを振り返る

6年間アイドルグループのセンターを務め、アイドルやモデル、女優として活躍してきた来栖りんが、声優という新たな扉を開いた。同時にソロアーティストとして、シングル「I wish」（TVアニメ『神無き世界のカミサマ活動』OPテーマ）でメジャーデビュー。そんな彼女が、早くも1stミニアルバム『Happy Lucky Diary』を9月27日（水）にリリースする。さらに10月28日（土）には、初のワンマンライブも開催する彼女へ、楽曲やライブについて話を聞いた。INTERVIEW & TEXT BY 塚越淳一“素の来栖りん”が見られるアーティスト写真とMV――今年の7月30日に立川ステージガーデンで行われた『リスアニ！LIVE SPECIAL EDITION ナツヤスミ』のステージはいかがでしたか？来栖りん 私にとって、アニソンフェス初出演となる場所だったので、話をいただいたときから緊張をしていました。出演者の皆さんも、これまで自分が画面で見ていた方々だったので、同じにステージに立たせていただくことへの嬉しさと緊張でいっぱいだったんです。ただ、ライブってこれまでの活動の中で本当に楽しいと思える時間の1つでもあったので、ステージに出てしまえば緊張とかはまったくなくて。初めて私を見ていただく方とも時間を共有して、一緒に楽しんでもらえたんじゃないかなと思っています。――TV番組で歌っている姿も拝見しましたが、すごく堂々とパフォーマンスをされているなと感じました。こうやってプロモーションを行うことについてはいかがですか？来栖 1人だと私の発言やパフォーマンスが全て結果に出てしまうので、責任が全部自分にかかっている、と感じています。なので、常にしっかりしなければいけないなという想いはより強くなりました。――そして、9月27日（水）に1stミニアルバム『Happy Lucky Diary』がリリースされました。すごく速いペースでリリースを重ねている印象がありますが、どのような経緯でミニアルバムをリリースすることになったのでしょうか？来栖 まず、デビューシングル「I wish」が4曲収録で、今後ワンマンライブをやりたかったので、曲数を増やしたいよねっていう話から始まりました。「I wish」では、ピュアでキラキラした真っ白なイメージ、神秘的な感じというのをお届けできたのかなと思ったので、今回はそのコンセプトから変えて、“等身大の私”というものが、特にリード曲の「ハピ♡ラキ」には詰まっているのかなと感じていて。しかも6曲がまったく違う曲なので、こういう表現もできるようになったんだ！という意味でも楽しんでもらえるのかなと思っています。――ミニアルバムだと、全体のコンセプトを決めて作ることもありますが、そういうわけではないのですね。来栖 普段から、こういう曲をやりたいねとか、こういう曲が好きなんですっていうコミュニケーションをスタッフさんと取っていて、そのなかでデモを1コーラス作って、私もその段階から参加して、デモボーカルを入れて音源を残しているんです。なので、今回ミニアルバムの制作が決まったときに、そこから音源を振り返りながら進めていきました。――普段から曲作りをされていたのですね。来栖 そうなんです。ただ、リード曲の「ハピ♡ラキ」からアルバムタイトルやライブタイトルの“Happy Lucky Party”が決まっていったので、ライブではキラキラとしたハッピーな空間を作れたら良いなと思っています。あとは「I wish」のイメージから、さらに様々な私を見てもらいたいという気持ちもあったので、色んな方向性の曲がギュッと詰まっています。――「ハピ♡ラキ」は、青春感たっぷりの爽やかな楽曲ですね。来栖 とても私らしい曲だな、っていう印象で。ファンの方からも「来栖りんといえば、こういう歌だよね」「THE・ 来栖りんだよね」と言われていたので、そこは解釈一致と言いますか。客観的に見ても納得いくものなので、アルバムのリード曲に選ばれたのかなと思っています。――その“らしさ”は、具体的にどういうところで感じますか？来栖 歌い方ですかね……この曲には私の歌い方の癖がたくさん出ているんですよ。私、基本的に歌うときにすごく声を張って出すから、歌声に優しいイメージを持たれることが少ないんです。今作にはそういう曲もあるけれど、この曲はギラッとした強めの歌い方をしているし、感情を乗せた歌い方をしているので、そこに私らしさを感じましたね。あと息の残し方とかも特徴が出ている気がして、こういう歌い方するよな～って、自分でも思いました（笑）。――息の残し方は、すごく特徴的だなと思いました。来栖 結構言われるんですけど、今回聴いてみて、なるほど！と自分でも感じました。――等身大であり、青春を感じる歌についてはいかがでしたか？来栖 本当に青春の1ページみたいな曲で、私は学生のときから仕事を始めていたので、ゆっくり学生生活を楽しむ時間ってあまりなかったんです。だから私の理想の青春が詰まっていると思いましたし、こういうことしたかったなっていう憧れがあったので、歌っていて嬉しくなりました。――主人公や景色が見える感じがしますよね。あと、付き合っちゃえばいいのにって思いました（笑）。来栖 でも“今はただ追いかけてたい”と歌っていたので、そこはまだまだかもしれないですね（笑）。恋愛ソングではあるんですけど、この“追いかけてたい”という歌詞も、恋愛だけでなく今の私に重ねることもできるんですよ。声優という夢を必死で追いかけているところはリンクするので、共感するところはすごくありました。――前向きなマインドも感じましたが、公開されているMVも「夏と青春と制服」というイメージで、すごく爽やかでしたね。来栖 まさか制服を着るとは思っていませんでしたけど（笑）、ビクビクしながらコメント欄を見たら、皆さん喜んでくださっていたので良かったです。安心しました。――撮影は楽しかったですか？来栖 一緒に踊ってくれたダンサーさんには年下の方もいて、多分本当に女子高生の方もいたと思うんですけど、すごく優しくお話をしてくれて。私が人見知りなところもあってドキドキしていたんですけど、フランクに声を掛けてくれて緊張が解けました。でもこれ、本当は私がしなければいけないんですけどね（笑）。すごく良くしてもらったので、楽しく撮影ができました。――来栖さん的な見どころは、どの辺りですか？来栖 メインとは別のハンディカメラの映像ですね。私が撮ったり、ダンサーさんが撮ったりしていて、本当に「ハピ♡ラキ」のストーリーの中のお友達同士で撮っているような映像がそのままMVにも入っているんです。友達目線の来栖りんみたいな。そこは身近に感じていただけるような表情や動きをしていると思うので、注目していただけたら嬉しいです。――ものすごい青春感でした。そして自然体で等身大な感じも出ていましたね。来栖 バックダンサーさんとおしゃべりしているところをあとで見たんですけど、めちゃめちゃ素だなって思いました（笑）。あと、アーティスト写真も「I wish」のときとは違って、いつ撮られたのかも思い出せない、普通に動いているところを撮ってもらっているんです。だから、結構素の姿が色んなところに出ているのかなって思います。ミニアルバムに収録の新曲を全曲解説！――「Get you ×2」は、ノリノリで盛り上がれる曲ですよね。ちょっと上からな主人公の感じもかわいいです。来栖 圧を感じますよね（笑）。“薄紫のロングヘア 蒼色の瞳”という、この曲のキャラクターのビジュアルが見える歌詞があるので、そこからイメージして、その子のキャラソンのつもりで歌おうとコンセプトはプロデューサーさんとも話していました。あと、わかる人にはわかるかもしれないんですが、登場人物を2人存在させていて、A、Bメロの内向的な感じの女の子と、サビでそれらを全部かっさらっていく女の子の2面性を曲の中で出してみました。あと、ガヤもたくさんあって、そこにもキャラクターをたくさん入れているんです。気弱な子、声が低い子、男の子っぽい子、という感じで、色んなイメージで録ったので、よく聴いていただけると面白い曲になっているんじゃないかなって思います。――ライブでも掛け合いが楽しそうです。来栖 実はリリースイベントで披露はしていて、振りも付くので結構動くし、盛り上がるんですよ！――声を出したりもするんですか？来栖 私的にはじゃんじゃん声を出してもらいたいんですけど、リリイベとかはインストアだったりするので、周りのお客さんを気遣って皆さん控えめで。マナーのこともしっかり考えてくれる優しいファンの皆さんなんですけど、「ワンマンでは本気出す！」って言ってくれているので、楽しみにしています。――「Hop Step Jump☆ウィンク」は語尾に“ぞよ”と入っていたりして、面白い曲だなと思いました。来栖 この曲は少し不思議で、デモから制作に入っているんですけど、そのときは“ぞよ”という語尾はなかったんです。青春ソングで、最初のイントロとかもカッコ良くて爽やかなバンドサウンドだったんですね。でも、私の声が入ったデモを聴いたときに、プロデューサーの中で曲の印象が変わったみたいで、初期からはだいぶ形が変わりました。私も、どうして語尾に“ぞよ”が付いたのかわからないんですけど、制作段階で観ていたアニメのキャラクターの語尾が“ぞよ”だったらしくて（笑）。びっくりしたんですけど、「“ぞよ”でいくから」と言われたので「わかりました！」と。――“（どっこいしょ）”とか“（くるすのす）”という合いの手も面白いですよね。来栖 この部分はレコーディング段階で付いたんです。「ここに何か欲しくない？」という話になって、その場で決まったのが“どっこいしょ”で、“くるすのす”に関しては、プロデューサーが「絶対に入れよう」と言っていたので、こうなりました。そうやって制作の中で意見が出て変わることはよくあるので、ワクワクしますね（笑）。――続く「境界 Identity」は歌声もシリアスで、新たな一面が見える曲ですね。来栖 カッコよさを一番意識してレコーディングをしていったんですけど、この曲もデモからサウンドの感じは変化していて、最終的に和風ロックのような感じになりました。完成した曲を聴いて、私ってこういうカッコいい曲を歌ってこなかったなぁと気づいて。そういう意味でもやっていて楽しかったですね。これまでの私を知っている方には驚いてもらえる曲でもあり、私としてもこういう曲をもっと歌ってみたい！と、新たな扉が開けた曲です。――歌詞も、来栖さんに重なるようなところもあるのかなと思いました。来栖 サビ頭が“まだ未完成だから 僕を見ないで”という歌詞なんですけど、そこはすごくわかるというか。活動をするなかで、何でこれができないんだろうってことに直面することが多いんです。その理由は、経験があるからと自分で勝手にハードルを上げてしまうところがあるからなんですけど、それを越えられなくて気持ちがグーンと下がってしまうことがあるんですね。お仕事に対してはプライドも高くて、これくらいやらないと表には出せないという気持ちが強いので、この歌詞にはグッときました。――自分に厳しいんですね。来栖 スタッフさんも、いつも走っているから一度止まりなよとか、今はできなくて当然だよ、と言ってくださるんですけど、なかなかそれができない性格で。止まることはいいかもしれないけど、これくらいできればいいかってもし自分が思ってしまったら、そんな自分を愛せる自信がなかったので、なかなか変えられないんですよね……。――そうなんですね。でもそれを乗り越えたうえで“全部輝きに変えるから”って言い放つカッコよさがこの曲にはありますよね。来栖 この歌詞もカッコいいですよね。ファンやスタッフさんは優しいので、私を一番グサっと刺してくるのは私自身なんですけど（笑）、そういう悔しさとかも含めて輝きに変えるから！と頑張っていきたい気持ちはすごくわかるので、そんな意地を感じることができるこの楽曲はすごく好きですね。――そして「ばいばい、」もすごく歌詞が素敵だなと思いました。これはすごくパーソナルな部分に触れている歌詞なのかなと思ったのですが。来栖 私の涙腺に一番くるソングです（笑）。2番で“淋しすぎて電話したママの声が優しすぎて”って、お母さんのことや自分の街の話が出てくるんですよね。こういうのは、私とスタッフさんが普段からこういうことがあって、って話をこまめにして意思疎通ができているからこそ生まれた私らしい歌詞なのかなって思うんです。すごくありがたいことなんですけど、歌っていてめちゃめちゃ涙腺にくるという……（笑）。歌の練習しているだけで、涙が溜まってくるから大変です。――“夢に向かう背中見せていたいよ”も、すごく来栖さんっぽさが出ていますよね。来栖 私のファンの方はすごく優しくて。私がこの仕事が決まったよ！って報告すると、心の底から喜んで楽しみにしてくれる。それに私も支えられているし、私が新しいことにチャレンジする背中を見せることが、みんなの喜びになるのならば、それを形にして恩返しをしていきたいんです。挑戦を続けていくことは私の夢でもあるので、そういう姿はこれからも見せていきたいんですよね。なので、ここもすごく共感する歌詞でした。――タイトルにもなった“手を振るよ ばいばい、”という歌詞のあとに“「またね♡」”って続くのがエモいですよね。また約束ができる喜びを感じました。アレンジはいかがでしたか？来栖 この曲、途中で急にEDMっぽい間奏が入るんですよ。そこは盛り上がりますし、ダンスもすごく良いので、楽しみにしていてほしいです。――最後は「クアーフの海」です。この曲は優しく、穏やかで切ないボーカルにグッときました。来栖 この曲は、私が普段聴く曲の感じがもろに出ていますね。こういう曲が好きで、以前から歌ってみたいということは伝えていたんです。それで出来上がった私の好みドンピシャの曲なんですけど、好みの曲調に自分の声が入る想像がまったくできなくて。先ほどお話しした通り、私って「ハピ♡ラキ」みたいな、ギラッとした強めの声を出すことが多いので、ゆらゆらした感じのボーカルと結び付かず、未知すぎて、すごく悩んでしまったんです。でも「緩んだ感じ、ふわっとした感覚で歌ってみて」と言われて歌ってみた結果、良いじゃん！となって。私自身も、こういう感じで歌うんだ！こうやって表現することがあるんだ！という驚きもありました。私はとにかく声を出さなければいけない！みたいなことが体に染み込んでいたので、柔らかく歌うというイメージがまったくなかったんですよね。でも、すごく良い曲になったので、プライベートでもめちゃめちゃ聴いています。――息の残し方の特徴も活かせるし、すごく合っていると思いました。個人的にも一番お気に入りの曲になっています。来栖 嬉しい！良いですよね！私も大好きな曲です。――歌詞についてはいかがですか？来栖 何を歌っているんだろうな、って想像させられる部分がすごく多いですよね。私も実は正解は聞いていないので、自分の中でこういう意味なのかなって考えながら歌っています。聴いてくださる方の中で、想像が捗ってくれたらいいなと思っています。――そんなミニアルバムを引っ提げてのワンマンライブ“Happy Lucky Party”の開催も決定しています。10月28日と少し先ですが、こちらの意気込みも教えてください。来栖 リリイベのミニライブなどは、会場の明るさとファンとの距離感、あとは全部が見えすぎてしまうということもあってかなり緊張してしまうんです。でも、すっごく楽しかった“リスアニ！LIVE”を経験して、大きなステージのほうが緊張しないと思いました（笑）。今回はワンマンで、私のことを観に来てくれる方しかいないので、自信を持って、みんなを幸せにするぞ！っていう気持ちでライブができたらと、今からワクワクしています。●リリース情報1st ミニアルバム『Happy Lucky Diary』2023年9月27日（水）発売■mora通常／配信リンクはこちらハイレゾ／配信リンクはこちら【初回限定盤】品番：LACA-35068価格：￥4,400 (10%税込)仕様：CD1枚、Blu-ray1枚、フォトブック、スリーブ付き収録内容：リードトラック「ハピ♡ラキ」を含む新規6曲収録BD同梱：リードトラック「ハピ♡ラキ」のMusic Videoとメイキング映像を収録初回生産特典：10/28開催・1stライブミート＆グリート抽選申込券封入※CD収録内容は、通常盤と共通【通常盤】品番：LACA-25068価格：￥2,970 (10%税込)仕様：CD1枚収録内容：リードトラック「ハピ♡ラキ」を含む新規6曲収録初回生産特典：10/28開催・1stライブミート＆グリート抽選申込券封入※CD収録内容は、初回限定盤と共通-CD- ※全形態共通1. ハピ♡ラキ作詞・作曲: Junxix. 編曲: 藤田卓也, kazuboy.2. Get you ×2作詞・作曲: Junxix. 編曲: 藤田卓也, kazuboy.3. Hop Step Jump☆ウィンク作詞・作曲: Junxix. 編曲: 村田祐一4. 境界 Identity作詞・作曲: Junxix. 編曲: kazuboy.5. ばいばい、作詞・作曲: Junxix. 編曲: 玉木千尋6. クアーフの海作詞・作曲: Junxix. 編曲: kazuboy.●ライブ情報来栖りん1st Live 「Happy Lucky Party」【日時】2023年10月28日（土）[昼公演]14：00開場／14：30開演[夜公演]17：30開場／18：00開演【会場】東京・山野ホール詳細はこちら関連リンク来栖りん公式サイトhttps://kurusurin.jp公式X（旧Twitter）https://twitter.com/kurusurindesu