ミュージックレイン発の、新たな音楽マネジメントチーム「MiCLOVER」が始動!2024年1月7日には初のライブイベント“LAWSON premium event MiCLOVER FES. 2024”の開催も決定している。この連載ではMiCLOVERのアーティストたちが続々と登場し、その魅力に迫っていく。
連載第1回はメンバーの中でも一番の先輩であるCHiCOが登場。長らくCHiCO with HoneyWorksとして活動していた彼女は、今年ソロとしてデビューして新たな境地を切り開いている。10年に及ぶ活動の歩みやソロアーティストとしての進化、そして“MiCLOVER FES.”への想いを聞いた。

INTERVIEW BY 冨田明宏
TEXT BY 金子光晴
PHOTOGRAPHY BY 三橋優美子

あっという間に駆け抜けた10年間
冨田明宏 ちょうど10年前の夏、「ウタカツ!」のオーディションでグランプリを受賞されて、翌年にデビューでしたよね。どうでしたか、この10年間は?

CHiCO 全体を通して、常に何かが動いている10年間でしたね。コロナ禍で一時的にお休みが発生したことはあったんですけど、その間も「THE FIRST TAKE」があったり、オンラインライブがあったり、初の配信があったりして、「今年はまったりした年だったね」という時期はなかった気がします。

冨田 CHiCO with HoneyWorks(以下、チコハニ)のときもライブの本数、ツアーの本数はミュージックレインでも桁違いだったと思うんですよ。

CHiCO デビューから4年までは年間10本とか。「夏と言えばライブの季節」という感じで目まぐるしく動いていましたね。

冨田 体感としてはあっという間でしたか?それともすごく長く感じましたか?

CHiCO あっという間ですね。しかもコロナ禍に入ってからはもっと早かったです。6周年のときもツアーは回るはずだったんですが、公演が中止になってしまい……1公演だけライブビューイングでやりましたけど、ライブができなかった期間がぽっかり空いて、会えない寂しさもあったけれど、数年ぶりの夏休みを満喫している自分もいました。
そんなこともありながらついこの間5周年を祝ってもらったと思ったら、もう9周年という感じですね。

冨田 もちろん、作品との出会いがあって、『アオハライド』から始まって『まじっく快斗1412』、『銀魂』もあって、『ハイキュー!! TO THE TOP』に『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』、そして『彼女、お借りします』などありました。音楽制作もあり、間を縫ってツアーもあるので、本当に休みなく動いてる印象です。

CHiCO 本当にずっと動いていましたね。逆に、コロナ禍じゃなかったらまったりしてたのかもしれない。例えば、コロナ禍で発信できないタイミングだからこそ、「THE FIRST TAKE」が盛り上がって、そこからオンラインライブという流れがあったので。

冨田 コロナ禍だからこそ様々な工夫をして発信していったことが、結果としてこのような活動の流れになったわけですね。「THE FIRST TAKE」ではお顔を出したのも話題になって、とてつもない反響がありましたね。

CHiCO そうですね。改めて海外にも届いているのが実感できました。

冨田 コメント欄、様々な言語で書き込みがすごいことになってましたよね。

CHiCO OMG、OMGっていうのが今でも印象的で、「こんなにオーマイガッって言われるんだ!」って(笑)。
「THE FIRST TAKE」をきっかけに以前よりSNS、YouTubeも含めて海外からも観てくださる方がどっと増えましたね。でも、「THE FIRST TAKE」で一番面白かったのが、YouTubeって一番再生されたところがキラキラするじゃないですか?その部分は私の顔がどアップのところかと思いきや、(ピアノの)宇都圭輝さんのソロのところで、圭輝さんに全部持っていかれてるんです(笑)。


大きな転換点となったソロデビュー
冨田 ライブでしかお顔を出してなかったのが、今はアーティスト写真やMVでもお顔が出ているという状況の変化も大きかったと思うんですが、そこはいかがですか?

CHiCO ソロのCHiCOだからできるようになったことがたくさんあって、自分自身を公開して何かを発信するというのは、実は自分が歌手になるにあたってやってみたかったことの1つだったんです。チコハニのときも自分のネイルをSNSに投稿してみたり、発信はしていたんですけど、ソロが始動してからライブの衣装やメイクをCHiCOの味として発信できるのがすごく楽しいですね。

冨田 やはり活動の中で一番大きな転換点は今年ソロになられたことだと思うんですが、CHiCOさんの中で一回リセットする、という感覚はあったんですか?

CHiCO リセットというか、チコハニでは見えなかったものが見えるようになった感覚ですね。チコハニではどちらかというと自分から新しい何かを発信するというよりは、CHiCO with HoneyWorksというビジュアルとか世界観を歌でどう表現するか、という部分に重きを置いていたんです。いざソロになったら自分のビジュアルを含め、楽曲の世界観とか方向性とか、歌い方もソロだからできる歌い方もあるし、考えなきゃいけないところがすごく増えました。でも、何が正解かわからないからこそ、色々とスタッフさんとコミュニケーションをとりながら悩んでいる時間もすごく楽しいですね。

冨田 もうすぐメジャーデビュー10周年を迎えるタイミングで、もう一度デビュー1年目のような悩みを今改めて考えるときが来ているというか。ひょっとしたら贅沢といえば贅沢かもしれないですね。

CHiCO そうですね。私はほかのソロアーティストの方と比べてそういったところを考えるという点で歩みが少し遅いけれど、そのぶん違うところで培ってきたものは誰よりも多いから、素材は揃っていると思うんです。
でも、素材はあっても料理の仕方は知らないから、そこはどう料理すればいいのかスタッフと話し合っています。「強くてニューゲーム」みたいな感じはありますね。

冨田 正直な話、あれだけ賑やかなメンバーと一緒に長く活動してきたので、少し寂しさみたいなものを感じたりはしますか?

CHiCO ライブではMCをメンバーに助けてもらえなくなってしまうので、、そこは私で世界観を作って完結していかなければいけない不安はありますけど、逆にソロで広々した空間をどうやって使おうかな、みたいな気持ちはあります。“MiCLOVER FES.”で実際にステージに立って「あ、寂しいんだ」って感じるかもしれないけれど(笑)、今はイメージを膨らませている段階なので、楽しさ、ワクワクが勝っていますね。

CHiCOの「等身大」を見つけていきたい
冨田 「光のありか」にはCHiCO=この曲という「CHiCOさんらしい表現」が歌の隅々まで行きわたっている気がして、これはソロならではの「等身大の魅力」なんだろうなというのを感じました。CHiCOさんとしてはいかがですか?

CHiCO 今、まさにその「等身大」というものを目指したいんですよ。同じくらいの年代の人たちに共感を持ってほしいという気持ちもあるんですけど、まず自分という人間を知ってほしいというときに、「等身大」というワードが出て、「結局のところ、等身大ってなんだろうね」という話になったんです。でも、「CHiCOちゃんの中で『等身大』って何?」と言われると難しくて。自分が考えていることや悩みを上手く言葉にして届けたいという気持ちはあるので、作詞家の方に歌詞を添削してもらってアドバイスを受けたりとか、色んな方の力を借りて、「等身大」を見つけていけたらいいなと思っています。

冨田 その一方、「エース」(TVアニメ『シャングリラ・フロンティア』EDテーマ)には鬼気迫る歌の迫力や圧力があって、明らかに研ぎ澄まされて歌が進化しているという印象を受けました。デビューから現在まで、ご自身で進化というのはどう自覚されていますか?

CHiCO 歌い方はチコハニの活動中もかなり変わりましたけど、ソロはソロで、良い意味で力を抜いて歌えるというか、自分自身を表現する感じですね。チコハニではチコハニの世界を表現しているので。


冨田 どちらかというと、チコハニのときは作品に合わせて演じ分けている感じもあったから、歌声もガラッと変わる。でも、「エース」はそれとは違うものを感じました。

CHiCO まさにCHiCO自身を表現するという感じだったので、ストレートに言葉をぶつける言い方をしたりしています。(作詞・作曲の)DECO*27さんのディレクションもあって、「ラスサビは“壊れたっていいや”と言っているので壊れてください」とか(笑)。

冨田 あの部分は本当にすごいですね。

CHiCO 「限界突破するくらい壊れてください、必死さを出してください」って言われたので(笑)。そんなDECO*27さんだからこそのディレクションをいただけたのが嬉しかったし、CHiCOの歌い方をベースに、よりオーバーにした感じのレコーディングしてくれたので、CHiCO自身がふんだんに出た曲になりましたね。

冨田 ソロになってから歌う内容、表現も含めて変わりましたよね。そこは意識的に?

CHiCO そこは結構、意識していて、「光のありか」も甘くない世界を描いています。自分が歌詞を書いて提出したときはもう少しふわっとしていたんですけど、「現実の甘くない感じをあまり着飾らずに表現した方が良いアクセントになるかもしれないです」とスタッフさんに言われたので、じゃあそこはオブラートに包まずにリアルに表現していきたいなって。今回、真崎(エリカ)さんに作詞してもらっているカップリング曲「真夜中エスケープ」も、ふわふわしないような、心に刺さるようなリアリティのある表現にしてもらいました。


目指すはMusic Rainbowのようなイベント!
冨田 そんなCHiCOさんが「MiCLOVER」のメンバーとなったわけですが、やはり活動歴を考えると、CHiCOさんが「MiCLOVERの象徴」を担っているという印象があるんですよ。


CHiCO CHiCOが「MiCLOVER」のアーティストの中でお姉さんというところで「引っ張って行ってもらいたい」と言われるんですけど、未だに先輩になりきれていなくて…(笑)。「引っ張らなきゃ」という気持ちはあるんですけど、あわよくばまだ後輩でいたい(笑)。

冨田 スフィア姉さんたちの(笑)。

CHiCO 先輩にくっついているのが気持ち良いので(笑)。でも、「頑張って引っ張っていこう」となると、めちゃめちゃ頑張り過ぎて自分を犠牲にしがちなので、「お姉さん」って呼ばれるとプレッシャーに感じちゃうんですけど活動歴はごまかせないので……(笑)。後輩もたくさんできて、「MiCLOVER」というチームができるまでミュージックレインも成長して、さらに同じ「MiCLOVER」のファミリーとして先輩・後輩関係なく良いチームを作っていけたらいいなという気持ちですね。

冨田 「引っ張らなきゃ」ではなく、CHiCOさんは背中で見せてる感じがありますよね。

CHiCO 語らずに、背中を見ろ、と!じゃあ、大丈夫かな(笑)。

冨田 (笑)。今、お話を聞いていると過剰に責任感を持って頑張りすぎてしまう性格のようですけど、CHiCOさんを見つめる後輩たちは、自然と「ついていこう」と思っているはずです。彼女たちに会うと、そういう眼差しになっていますから。

CHiCO そうですね。
まだまだ頑張らないと……あっ!いや、無理に頑張るということじゃなくて、自分を俯瞰で見れるように頑張らないとって(笑)。

冨田 さて、そんな「MiCLOVER」のメンバーが初めて揃う“MiCLOVER Fes.”では、どんなパフォーマンス、そしてどんなコラボが待っているのでしょうか?

CHiCO すでに色々な話し合いには参加していて、これは最初から最後まで楽しめるんじゃないかなって思いましたね。コラボにも色んな組み合わせ、色んな歌が飛び出すと聞いているので、第1回から素敵なライブになるんじゃないかなっていうイメージはできています。

冨田 1月7日に集まった人たちにとっては、「MiCLOVERってこういうことがしたかったんだな」という想いを感じることができて、「じゃあ、今後こういうことに期待していいんだな」という楽しみが増える気がしますね。

CHiCO そうですね。目指すところは、先輩たちが作り上げてきた「今年も来たな、Music Rainbow!(スフィアやTrySailによる年末恒例のイベント。CHiCOも2019年に参加)」みたいに、「今年も来たな、MiCLOVER FES.!」なんです。先輩たちを見ていると、イベントでは自分たちで発言して、細かい部分まで自分で作り上げている感じだったので、私たちもそういうふうに作っていきたいなって思っています。

●ライブ情報
LAWSON premium event MiCLOVER FES. 2024

日時:2024年1月7日(日)16:30開場/17:30開演
(20:00頃終演予定)
※終演時間は当日のステージの進行状況により前後する可能性がございます。あらかじめご了承ください。

会場:Zepp Shinjuku(TOKYO)
出演:CHiCO、halca、シユイ、小玉ひかり、somei

■チケット料金
全自由 7,500円(税込/ドリンク代別/整理番号付き)
※3歳以上有料
※再入場不可
※(枚数制限)お一人様4枚まで
問い合わせ先:SMCエンタテインメント
info@smc-information.com

<プレリクエスト抽選先行>
受付期間:2023年10月17日(火)12:00~10月29日(日)23:59
https://l-tike.com/mlf/

詳細はこちら
https://musicrayn.com/contents/micloverfes2024

<CHiCO プロフィール>



10代に絶大な人気を誇るクリエイターチーム・HoneyWorksとのコラボユニット・CHiCO with HoneyWorksとして「世界は恋に落ちている」で2014年にメジャーデビュー。『アオハライド』『まじっく快斗1412』『銀魂』シリーズ、『ハイキュー!! TO THE TOP』『BORUTO-ボルト-NARUTO NEXT GENERATIONS』など数々の大人気アニメの主題歌を担当。全国の10代から20代女性を中心に絶大な支持を受けている。23年4月8日のZeppツアーファイナルをもって、CHiCO with HoneyWorksの一時活動休止を発表した。同年、7月にリリースした1stデジタルシングル「光のありか」をもってソロ活動を始動し、2ndデジタルシングル「TRUE BLUE SKY」を続けてリリース。11月8日は待望のCDシングル「エース」をリリースする。
今まではライヴでしか見られなかったビジュアルも公開し、新たな表現にも挑戦中。等身大の想いや気持ちを歌うシンガーとして活躍している。

関連リンク
ミュージックレイン公式サイト
https://musicrayn.com

CHiCO
公式サイト
https://www.chicoxxx.com/

公式X(Twitter)
https://twitter.com/chicoxxx_tweet
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