INTERVIEW & TEXT BY 森 朋之
PHOTOGRAPHY BY 三橋優美子
『ダークギャザリング』2期連続EDテーマ「インタリオ/灰色」
――新曲「インタリオ」は、花澤さんが寶月詠子役を務めるTVアニメ『ダークギャザリング』の10月クールEDテーマ。前クールの「灰色」に続き、2期連続でのEDテーマ担当ですが、「インタリオ」を最初に聴いたときの印象はどうでした?
花澤香菜 「灰色」と同じく北川勝利さんが書いてくださってるんですが、さらにバラード寄りになっていて、歌詞もドラマティックだなと思いましたね。作詞は宮川 弾さんが書いてくださっています。ほかの人には言えないような仄暗い部分に寄り添ってくれるような歌詞ですし、読めば読むほど深みが出てくるんですよ。宮川さんは夜宵ちゃん(『ダークギャザリング』寶月夜宵)の“目”をイメージしていたみたいです。
――何度も出てくる“トゥナイト”というワードの繊細なニュアンスも印象的でした。
花澤 私も“トゥナイト”の部分は好きですね。レコーディングのときは作品や詠子ちゃんのことはそこまで意識していなくて。そこは曲と歌詞にしっかり取り入れてもらっているので、私自身の経験や思い出を引っ張ってきながら歌ってました。楽しくない思い出だったり、誰にも言ったことがないこととか(笑)。
――そういう暗い部分を引っ張り出してくる作業、辛くなることはないですか?
花澤 でも、そういうお仕事なんですよ。声優のお仕事もそう。
――そのスタンスは、「インタリオ」にも活かされているんですね。北川さんとはどんなやり取りがあったんですか?
花澤 「ここはちょっとドラマティックに」とか、そういう感じだったかな。色んなニュアンスで歌ったような気がします。北川さんは私が出せるところのもっと先を目指してくれるんですよ。スタジオでは「もっと何かある?」とか「違うパターンも欲しい」とディレクションしてくださって、そのおかげで私の歌の幅も広がるので。
――シングルの2曲目は「灰色」。シューゲイザー的なサウンドを取り入れたミディアムバラードです。
花澤 今年の“Animelo Summer Live 2023 -AXEL-”で初めて皆さんの前で歌ったんですけど、バンドで演奏するとさらにカッコよくなる感じがありました。力強さが増して、壮大に響くというか。私自身は歌い上げるというより、どちらかというと訥々と歌ってるんです。そうすることで孤独感がさらに出るんじゃないかなって。歌い上げたくなる曲でもあるんですが、「無垢な感じが一番怖い」みたいなことってあるじゃないですか。
――確かに。“降りしきる雨の中”で始まり、情景描写と心象風景が混ざった歌詞も印象的でした。
花澤 土砂降りのなか、雨に打たれながらも、悲しみに負けないで生きている……というイメージかな。「灰色」のほうが『ダークギャザリング』を意識して歌っていたかもしれないです。詠子ちゃんの「イケないところに踏み出したいけど、これはダメなのかも」というジレンマだったり。
――詠子、とても複雑なキャラクターですよね。
花澤 詠子ちゃん、めちゃくちゃ面白い子なんですよ。オーディションのときから「色んな面がある女の子だな」と思っていて。第一印象は、活発で、ちょっとお姉さん的なところがあって、みんなを引っ張っていけるところもあって、「こんな幼馴染がいたら、好きになっちゃうだろうな」と思ってたんだけど、読み進めていくと「あれ?実はこの子が黒幕なんじゃないか?」という怪しさもある。幽霊やオバケに対するリアクションも変わってるんですよ。螢多朗くんの怖がり方、驚き方が多分普通で、視聴者と同じような目線だと思うんですけど、詠子ちゃんはそれを自分から摂取しに行くんですよね。心霊スポットにもどんどん出かけるし、「何か怖いこと起きないかな」ってワクワクしてるっていう。あと、螢多朗くんへの深い愛がちょっと歪んで出てきちゃってるのも、変態的というか(笑)、良いですよね。
――ストーカー気質ですからね、詠子。
花澤 盗聴してますからね。ただ、螢多朗くんとは割と良い感じだからよかったなって(笑)。私自身は怖いのが少し苦手なので、ホラー作品に関わるときは身構えちゃうんですけど、『ダークギャザリング』は詠子ちゃんのおかげで心霊現象を楽しむマインドを持てているのかなと思います。
――場面によって声のテンションがかなり違いますよね。
花澤 そうですね。明るい場面は思い切りはっちゃけてるし、彼女のヤバさがめちゃくちゃ出てるところシーンもあって。ホラー作品ですけど、怖いだけだと鬱々としてきちゃうじゃないですか。特に詠子ちゃんは、しっかりメリハリを付けることを意識していましたね。2クール目に入ってからは、怖いことが起きたときの興奮が顕著になっているんですよ。「この子、怖いことが本当に好きなんだな」というのが伝わってるといいなと思ってます。
――花澤さんも怖いものに対する耐性ができてきた?
花澤 うーん、どうでしょうか。私がパン屋さんに行ったときの興奮と似てるかも。「焼きたて、いっぱいあるじゃん!」と「オバケ、いっぱいるんですけど!」っていう感覚が近い気がします(笑)。
ライブ“Not As Dramatic As…” Blu-rayの見どころ
――そして、シングルの3曲目「ギミギミ♡ラヴ」は、ポップに振り切ったアッパーチューンです。
花澤 「インタリオ」「灰色」が結構重めなので、北川さんとも「もう1曲は明るくいこうよ!」と話してましたね。統一感を出すために、ハロウィン的な要素も取り入れたりして、<かわいくてダーク>というバランスは意識していたと思います。あと、「こういう曲が歌ってみたいです」という曲もいくつか挙げさせてもらいました。
――花澤さんの好みも反映されているんですね。歌ってみた感触はどうでした?
花澤 この曲、私の声優としての部分を活かせるんですよ。セリフっぽいフレーズもあるし、かわいく歌うのが似合う感じもあって。あと、ライブでめちゃくちゃ盛り上がるだろうなって思ってます。来年1月のライブ(2024年1月21日開催“HANAZAWA KANA Live 2024”)でもぜひ歌いたいですね。ハロウィンはだいぶ過ぎちゃってますけど(笑)。
――アレンジもかなりぶっ飛んでますからね。
花澤 面白いですよね。アレンジにケンカイヨシさんが入ってくれているんです。
――ちなみに花澤さん、ハロウィンの楽しい思い出はありますか?
花澤 そんなパリピな思い出はないですね(笑)。でも、カボチャのお菓子は好きです。パンもそうで、この時期はカボチャを使ったものがどんどん出てくるので、そこは“ハロウィン万歳!”ですねぇ。世の中がちょっぴり浮つく感じもいいですよね。この先は年末まで忙しいだろうから、ここで息抜きしておかないと!
――9月27日にリリースされたBlu-ray「HANAZAWA KANA Live 2023 “Not As Dramatic As…”」についても聞かせてください。5月20日にウェスタ川越 大ホールで行われた公演の映像作品ですが、花澤さんにとってはどんなライブになりましたか?
花澤 すごく手応えがありました。ポニーキャニオンに移籍してから、ライブでも色々なことを試させてもらっていて、このライブのときは「1曲1曲、どういう見せ方をするか?」をみんなで話し合いながらライブを作っていったんです。照明チーム、映像チームもみんなでアイデアを持ち寄って、それが良い感じに形になって。なので、印象に残っている場面がたくさんあるんですよね。例えば「眠るサカナ」は1stアルバム(『clarie』)に入っている曲なんですけど、斜幕を使って、海の中にいるような演出になっています。私達としても力を入れている場面だったし、ライブを観てくださった方から「『眠るサカナ』の演出が良かった」と言ってもらえたのも嬉しかったです。シメシメ、ですね(笑)。
―――楽曲ごとに見どころがあって、映像化する意味があるライブだったと。
花澤 そうなんですよ。引きの絵で観てほしい場面もたくさんあるので、ライブに参加した方も違う楽しみ方ができるんじゃないかな。私のライブの基本形が詰まってるライブでもあるので、初めての方でも見やすいと思います。
――そのほかにもLINEスタンプが販売されたり、ラジオ番組(「明治presents花澤香菜のひとりでできるかな?」/文化放送)の本の制作が決定するなど、今年は本当に盛りだくさんですよね。やりたいこと、作りたいものは常にたくさんあるんですか?
花澤 いえいえ!そんなことはないですよ(笑)。デビュー20周年の企画などで、色々と皆さんにヒントをいただいたり、「何かやりたいことはないですか?」と聞いてもらえることがあるんです。LINEスタンプもそうですけど、周りの皆さんのおかげで実現していることばかりなので。ラジオの本が作れるのも嬉しいですね。「ひとりでできるかな?」は15年以上やらせてもらっていて、私の中でルーティーンみたいになってるんですよ。生活の中で何かあるたびに「ラジオで話そう」と思うし、そういう場があることは本当にありがたいなって思います。ライブのグッズも作っていますし、この先、私発信でやらせてもらっている企画もあるんですよ。お話できることがまだまだたくさんあるので、楽しみにしていてください!
抽選で1名様に花澤香菜さんのサイン入りチェキをプレゼント!
●応募期間
2023年11月2日(木)~2023年11月9日(木)23:59
●応募方法
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【応募に関する注意事項】
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・プレゼントキャンペーンは予告なく変更・中止することがあります。あらかじめご了承ください。
・応募期間中にフォローを取り消された場合は、応募が無効となります。
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・落選者へのご連絡はございませんのでご了承ください。
・当選結果に関してのお問い合わせにはお答えすることはできません。
・応募は日本国内にお住まいの方に限らせていただきます。
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●配信情報
「インタリオ」
配信中
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●リリース情報
TVアニメ『ダークギャザリング』2クールEDテーマ
「インタリオ」
11月1日(水)発売
■mora
通常/配信リンクはこちら
ハイレゾ/配信リンクはこちら
【初回限定盤(CD+BD)】
品番:PCCG-02297
価格:¥2,850(税込)
封入特典:フルカラーブックレット
【通常盤(CD)】
品番:PCCG- 02298
価格:¥1,750(税込)
<CD>
1. インタリオ
作詞:宮川 弾 作曲・編曲:北川勝利
2. 灰色
作詞:藤村鼓乃美・北川勝利 作曲・編曲:北川勝利
3. ギミギミ♡ラヴ
作詞:北川勝利・藤村鼓乃美 作曲:北川勝利 編曲:ケンカイヨシ・北川勝利
4. インタリオ(TV Size Ver.)
5. 灰色(TV Size Ver.)
6. インタリオ(Instrumental)
7. 灰色(Instrumental)
8. ギミギミ♡ラヴ(Instrumental)
<Blu-ray>
・「インタリオ」MV
・「インタリオ」MVメイキング
関連リンク
花澤香菜
公式サイト
https://hanazawa-kana.com/
公式X(旧Twitter)
https://twitter.com/hanazawa_staff