※TAKEとKEIGOによる“FLOW THE CARNIVAL 2023 ~NARUTO縛り~”アフターインタビューはこちら
PHOTOGRAPHY BY “SUGI” Yuya Sugiura
TEXT BY えびさわなち
『NARUTO-ナルト-』を日本全国へ、そして世界中へ、直接届けてください
2023年、デビュー20周年を迎えたFLOW。そしてアニメ放送開始20周年を迎えたアニメ『NARUTO-ナルト-』。FLOWにとって初めてのアニメタイアップとなった「GO!!!」はそんな“同期”の『NARUTO-ナルト-』へ向けたものだった。あれから19年の時を経て、数多くのアニメ作品とタッグを組み、アニメタイアップ曲だけで構成されたベストアルバムのリリース、アニメ主題歌だけでセットリストを組んだライブを国内外で開催、とFLOWの快進撃は日本を飛び出し、世界へ。そんな彼らの心に常に掲げられているのが、アニメ『NARUTO-ナルト-』を制作してきた伊達勇登監督の言葉だった。
「僕たちは命をかけてアニメを作って、放送に載せて届けることはできるけれど、でも君たちは音楽とライブを通じて『NARUTO-ナルト-』の魅力を世界中で響かせることで、直接、届けることができる。これからも世界中に『NARUTO-ナルト-』を届けてください」
伊達監督がその言葉をFLOWに投げかけたときの、5人の真剣な表情は忘れられない。『NARUTO-ナルト-』への感謝と熱い想いを込めたカバーアルバム『FLOW THE COVER ~NARUTO縛り~』を作り上げ、互いにとって記念すべき2023年にリリースをしたFLOWは、その楽曲を従えて、『NARUTO-ナルト-』の主題歌だけで構成するライブツアーを敢行した。チケットの価格は「7610円」。そう、“ナルト”である。
今日は一緒に、デカい『NARUTO-ナルト-』愛を叫びましょう!
『FLOW THE COVER ~NARUTO縛り~』収録曲のMVを撮影したのは兵庫県の淡路島にある「NARUTO×BORUTO忍里」ニジゲンノモリ。木の葉の里そのままに里を見渡す火影岩の前で演奏をしたFLOWだったが、カバーアルバムのジャケットがFLOW5人の顔になった火影岩ならぬFLOW岩がデザインされていたことも話題となった。そのFLOW岩が後方に掲げられたステージを見つめ、開演を待つオーディエンス。フロアには歴代『NARUTO-ナルト-』の主題歌が流れていた。電気が消えると終末の谷を吹き抜ける風の音に導かれ、木の葉の里へと誘うようにSEが響く。雄大な音はいつしか和太鼓と勇ましいかけ声、笛の音のナルトファンには耳馴染みある旋律に。大きく揺れるオーディエンスの影の奥、ステージの上にFLOWの5人が登場。最初の曲はなんとアニメ『NARUTO-ナルト-』の劇伴曲、「NARUTOのテーマ」だ。高梨康治率いる刃-yaiba-の和楽器と共に響く演奏が印象的な1曲で、“FLOW THE CARNIVAL 2023~NARUTO縛り~”の幕は開けた。
「いくぞ!!横浜ぁぁぁ!」とKEIGOの掛け声に鳴り出すイントロに大歓声が沸く。
「さぁ、実現できましたよ!“NARUTO縛り”が!」とKEIGOの声に会場から歓喜の歓声が届くと、「皆さん、『NARUTO-ナルト-』愛していますかー?」とKEIGO。「今日は俺らとみんなで、デカい『NARUTO-ナルト-』愛のぶつけ合いなので、よろしくお願いしますよ!」と続けると、大きな拍手が沸く。
「今回、グッズがだいぶオフィシャル感があるよね。『NARUTO-ナルト-』コラボ、みたいな。色んな人のお力添えによって実現したグッズです」と巻物の形をしたタオルをはじめ、ステージから見える景色のなかにも視界に飛び込んでくるグッズを指さしながら笑顔を見せたKOHSHI。「今日は当然、“NARUTO縛り”と銘打っていますので、カバーアルバムの曲は全曲やります」とKEIGOも意気込みを聞かせる。そしてここで、大阪、そして横浜初日にもゲスト出演したダイアナ・ガーネットを呼び込む。かわいらしい声で「みんな~!How are you?」と客席へ声をかけるダイアナにフロアは「I’m fine thank you!!」と応える。ライブ前にフロアに流れていた主題歌を使用したBGMの中にも彼女が歌う「Spinning World」が流れていた、と話すダイアナにフロアのオーディエンスも拍手。「FLOWとはナル友」で“我愛羅推し”だという彼女のアニメでの好きなシーンは「再不斬と白のシーン」、そして「サスケが初めてナルトを認めた場面」なのだとか。そんなダイアナとFLOWが共に歌うのはいきものがかりの「ブルーバード」だ。
ステージからIWASAKI、GOT’S、TAKEが下がり、ボーカルの2人が残る。センターに置かれたセットに腰を掛けると、ストリングスの音色が響き、美しい旋律の上に2人の歌声が乗り、響く「Sign」。自来也を失ったナルトに寄り添い続け、世界中で愛されるこの曲をPiano Ballad verで聴かせる。KOHSHIが歌い出した瞬間、歓声が上がり、そこからはじっと聴き入るオーディエンス。その姿は、この曲がどれだけ愛されているのかの証だった。楽器隊がステージに戻り、続いて響いたのは「燈」。
「『NARUTO-ナルト-』は僕らが初めてタッグを組んだアニメ作品で、『NARUTO-ナルト-』がきっかけで色んな作品とのコラボがやれるようになったと思っていますし、世界を広げてくれたと思っています。思い返してみたら『NARUTO-ナルト-』はTVアニメのテーマソングだけでも5曲、舞台の曲も歌わせてもらって。バンドの節目、節目でタッグを組ませてもらっている曲も多くて、背中を押してもらったなと思うし、初めて海外に行ったときにも、誰がFLOWを知っているのか、誰が見てくれるのか、不安しかなかったのに、行ってみたらアメリカの皆さんが『GO!!!』を熱唱してくれるんですよ。そのときにもナルトが“お前ら、大丈夫だから。自信もってやれよ”って背中を叩いてくれたと思っています。自分たちは、ナルトを戦友だと思っています。いつも一緒に走ってくれて、時には背中を押してくれた、そんな存在だと思っています。改めて作ってくれた皆さん、『NARUTO-ナルト-』を愛してくれた皆さん、本当にありがとうございます」と想いを語ったKEIGO。ナルトへの感謝を込めて、戦友ナルトへ、と歌ったのは「光追いかけて」。「ライブスペクタクル『NARUTO-ナルト-』」の初代イメージソングとして作られたこの曲もまた、舞台のラストにキャストが観客と共に歌ったナンバー。ここで描かれる光。FLOWにとってそれはきっとナルトだった。いつしかFLOWの背後のFLOW岩を見つめる、少年時代の、青年時代の、そして七代目火影のナルトの背中が浮かび上がり、FLOWとナルト、共に歩んできた時間を感じさせた。そしてナルトを愛するオーディエンスとの絆も。歌声が上がり、高く腕が挙げられ、ナルトの背中の前で会場の想いが1つになっていった。
これからも“一本のライブ”を共に作ろう。FLOWがオーディエンスと交わした約束。
巻物型のタオルが高く掲げて振り回される。忍界大戦も佳境に突入するなか、ナルトのみならず戦う忍たちの背中を押していたダイスケの「Moshimo」が爽快なメロディによって旋風を巻き起こす。続けてKOHSHIのハイトーンが響く。『NARUTO-ナルト-疾風伝』も終盤に突入したなかでFLOWが初めてこのアニメのエンディングを飾った「虹の空」だ。伸びやかなボーカルから始まる1曲ながら、力強いビートが轟きパワフルでアッパーなサウンドにオーディエンスも大きく腕を振り、声を上げる。この会場にモッシュピットがあったなら、確実にモッシュにダイブにと激しくうねる観客の塊が見えていたことだろう。そしてライブは怒涛の終盤へ。『NARUTO-ナルト-』愛の強さはお墨付き!「メジャーデビューをして、アニメタイアップの1曲目は絶対に『NARUTO-ナルト-』で」と決めていたと知られるKANA-BOONが、念願の『NARUTO-ナルト-』とのタッグを組んだ1曲「シルエット」を、代名詞の先輩格であるFLOWはスカサウンドで響かせる。軽快なギターと軽やかに鳴るビートに爽快なユニゾンで歌を重ねるKEIGOとKOHSHI。そのサウンド感に、会場はダンスフロアと化す。そしてFLOWと『NARUTO-ナルト-』を繋げ、FLOWと世界を繋げた珠玉の名曲「GO!!!」だ。イントロから大きく揺れる会場。世界中のファイティングドリーマーたちを奮い立たせてきたナンバーは、2023年最後の大きな波を作るように、息の合った一体感でのウェーブを見せ、まさしく「ナルト愛を叫ぶ」瞬間を堪能させた。
「『NARUTO-ナルト-』の音楽は、世界のどこにいってもすごいんですよ。アニメは世界中で愛されているんですよ。FLOWライブも世界で楽しんでくれてるんですよ。でもその発信源は、俺たちだからな!」と叫ぶKEIGO。大歓声がその声を迎えると、「GO!!!」が時を経て“OLD”となり、輝きを放つという想いが込められた「GOLD」へとライブは繋がっていく。ナルトの息子・ボルトの物語『BORUTO-NARUTO NEXT GENERATIONS-』へ向けられた1曲。『NARUTO-ナルト-』の原点である「NARUTOのテーマ」を思わせる和の旋律がTAKEのギターから放たれると、楽曲は一気にクライマックスへと突入。叩きつけられるビートに合わせるようにジャンプし、バンドと共に声を上げるオーディエンスの熱も加わって、ヒートアップしていくKT Zepp Yokohama。ラストは座ってから、会場全員で“今年一番デカいジャンプ”を見せると、「お前ら、最高!」とKOHSHIも叫んだ。
「20周年っていう節目の年を迎えられているのも嬉しいけれど、こうやって“1本のライブ”を、一緒になって作り続けているみんながいてくれているから『NARUTO縛り』というバンドとしても1つの挑戦のライブができています。ありがとう」と感謝を述べたKEIGOは、伊達監督との対話の記憶を会場のオーディエンスに語る。「『NARUTO-ナルト-』と出会えてバンドの世界は広がったし、そのおかげで海外のライブもできている。でもこれからは“おかげ”だけじゃなくて、胸を張って、みんなで作ったこのFLOWライブを、アニメ、そして『NARUTO-ナルト-』の魅力を、日本、そして世界中の人たちに届けていきたいと思っています。そんな“1本のライブ”をこれからもみんなと一緒に作らせてください。よろしくお願いします!」。爪弾かれる柔らかなギターの旋律に重ねて、KEIGOがコールする。「アニメ『NARUTO-ナルト-疾風伝』最後のOPテーマ」と。ラストはAnlyの「カラノココロ」。忍界大戦も終焉へと向かい、長くすれ違ってきたナルトとサスケが渾身の想いをぶつけ合った終末の谷でのことも見守った風のような爽快なナンバーを歌い上げるボーカルの2人。そよぐ風のようにオーディエンスの腕が揺れ、「Yokohama、聴かせて~!」というKOHSHIの声に大合唱が湧いた。
「ラスト」とコールしたものの、最後の最後は全員そろって、とダイアナ・ガーネットをステージへと呼び込むと、この日、Piano Ballad verでしか聴くことができていなかった「Sign」を改めて存分に、会場一体の大きく轟く歌声と共に歌い上げ、ナルトへの愛を叫ぶ夜は幕を閉じた。ナルトの喜びにも苦しみにも楽しいときにも悲しみにも痛みにも、寄り添い続けた音楽を、FLOWと奏でたこの夜のことをファンはきっと忘れることはないだろう。20年を想い、ナルトを想い、未来を想う。そんな夜だった。
<セットリスト>
M1.NARUTOテーマ(インスト)
M2.遥か彼方
M3.Break it down
M4.ビバ★ロック
-MC-
M5.Re:member
M6.SUMMER FREAK
M7.ユラユラ
M8.Hero’s Come Back!!
M9.流れ星~Shooting Star~
-MC-
M10.ブルーバードfeat.ダイアナガーネット
M11.CLOSER
-SE-
M12.Sign Piano Ballad ver
-SE
M13.燈
-MC-
M14.光追いかけて
-MC-
M17.Moshimo
M15.虹の空
M16.シルエット
M18.GO!!!
M19.GOLD
-MC-
M20.カラノココロ
M21.Sign feat.ダイアナガーネット
●配信情報
FLOW
「烈火」
1月9日配信開始
●作品情報
中国アニメ「烈火澆愁」
【スタッフ】
原作:「烈火澆愁」 priest
監督:王淼
脚本:王淼、黎嘉潔
総作画監督:高芳
美術監督:趙国華
3DCG監督:陳路加
音楽:楊秉音
日本版制作:株式会社ソニー・ミュージックソリューションズ
OPテーマ:FLOW「烈火」
EDテーマ:安田レイ「声のカケラ」
【日本語吹替版キャスト】
盛霊淵(ション・リンユエン):福山潤
宣璣(シュエン・ジー):小野賢章
阿洛津(アールオジン):山下大輝
肖征(シャオ・ジョン):諏訪部順一
羅翠翠(ルオ・ツイツイ):岡本信彦
平倩如(ピン・チエンルー):高橋李依
畢春生(ビー・チュンション):定岡小百合
谷月汐(グー・ユエシー):石川由依
王沢(ワン・ゾー):杉田智和
張昭(チャン・ジャオ):増田俊樹
●リリース情報
「FLOW 20th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE 2023 ~アニメ縛りフェスティバル~ Blu-ray」
2月21日発売
【初回生産限定盤(BD+CD)】
品番:VVXL-183~184
価格:¥9,900(税込)
※本編やメイキングのほか、ブックレットや映像特典を収録。
【通常盤(BD Only)】
品番:VVXL-185
価格:¥7,700(税込)
予約はこちら
●イベント情報
『FLOW THE PARTY 2024』
2024年2月23日(金・祝)兵庫・神戸 CHICKEN GEORGE
開場/開演 17:00/18:00
ゲスト: フレデリック
2024年2月24日(土)岡山・CRAZY MAMA KINGDOM
開場/開演 17:00/18:00
ゲスト:フレデリック
2024年3月10日(日)広島・CLUB QUATTRO
開場/開演 17:00/18:00
ゲスト:SPARK!!SOUND!!SHOW!!
2024年3月17日(日)神奈川・横浜BAY HALL
開場/開演 17:00/18:00
ゲスト:Survive Said The Prophet
2024年3月20日(水・祝)宮城・仙台 Rensa
開場/開演 17:00/18:00
ゲスト:ASH DA HERO
2024年4月7日(日)愛知・名古屋ダイアモンドホール
開場/開演 17:00/18:00
ゲスト:nobodyknows+
2024年4月14日(日)北海道・札幌PENNY LANE24
開場/開演 17:00/18:00
ゲスト:Who-ya Extended
2024年4月20日(土)大阪・なんばHatch
開場/開演 17:00/18:00
ゲスト:四星球
2024年4月21日(日)香川・MONSTER
開場/開演 17:00/18:00
ゲスト:打首獄門同好会
2024年4月27日(土)東京・恵比寿LIQUIDROOM
開場/開演 17:00/18:00
ゲスト:DOES
2024年4月29日(月・祝)福岡・DRUM LOGOS
開場/開演 17:00/18:00
ゲスト:ラックライフ
チケット:7,700円(税込)
※整理番号付き、別途ドリンク代必要
枚数制限:お一人様4枚まで(複数公演申込可)
※未就学児入場不可・小学生以上チケット必要
チケット先行はこちらよりお進み下さい。
『FLOW THE FESTIVAL 2024』
会場:ぴあアリーナMM
※開催日程は後日発表
スペースシャワーTV放送詳細はこちら
関連リンク
FLOW オフィシャルサイト
https://www.flow-official.jp/
FLOWオフィシャルX
https://twitter.com/FLOW_official
FLOW オフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/channel/UCLakaKEelmUdqQISLjwIRmg