パワフルな歌声とエネルギッシュなパフォーマンスで快進撃を続ける鈴木このみ、2024年の活動の幕開けを飾る新曲「白花」はTVアニメ『異修羅』のEDテーマ。最強の修羅たちによる苛烈極まりない争い、そしてその脅威にさらされた市井の人々の想いをも包み込むような、壮大なスケール感を持ったパワーバラードだ。
INTERVIEW & TEXT BY 北野 創
2023年を猛然と突き進んだこのみん、『異修羅』と出会う
――まずは、鈴木さんにとって2023年はどんな年だったかを振り返ってもらえますでしょうか。
鈴木このみ 2023年は声出しのライブが戻ってきた年で、海外にもあちこち行かせていただいて、年の後半にはShe is Legendのツアーもあったので、毎週のように歌っていた記憶があります。なのですごく歌手冥利に尽きる1年だったし、世の中的にも、自分的にも、色んなことが猛スピードで進んでいたので、ずっと体当たりしていた1年でした。
――めんどくさい聞き方ですみませんが、その1年を漢字一文字で表すとしたら?
鈴木 出た(笑)!えーっ、どうしよう?……でも「猛」かもしれないです。猛スピードだったし、「2023年は何をしていたんだろう?」と振り返ったときに、1つのことを思い出すというよりも、色んなことが一気に頭に浮かぶ感じなので、勇ましく頑張れたのかなと思っていて。
――そういえば前作「頑張れと叫ぶたび」の取材のときに、スケジュールが詰まっていて常に「ギリギリトライ!」している、という話もありました。
鈴木 はい(笑)。もちろん1つ1つ丁寧に頑張っていますけど、結構勢いに任せてガーッて進んでいくところもあったので、「猛」という漢字が浮かびますね。
――誕生日当日の11月5日に開催されたワンマンライブ“鈴木このみ Birthday Live 2023~CHEERS BURGER~”も、ダンスやケルティックバンドとのコラボでも魅せつつ、キャリア11年目ならではの貫禄あるステージングに勇ましさを感じました。
鈴木 ありがとうございます!あのライブでは本当に色んなことをやったので、逆に次のライブはどうしよう?と思っていて(笑)。でも、あのライブ以降、歌うことがさらに楽しくなって、今はちょうどレコーディングをたくさんしている時期なんですけど、それにも良い影響が出ている気がします。
――そんな絶好調の鈴木さんが、2024年最初に届けてくれた新曲が「白花」。この楽曲はTVアニメ『異修羅』のEDテーマということで、まずはタイアップのお話をいただいたときの印象を教えてください。
鈴木 第一印象からすごく面白そうな作品だなと思いました。キャッチコピーに「全員が最強」とあったので、絶対に激しいやつじゃん!と思って(笑)。アニメになったらめちゃくちゃ面白いだろうなと思って、いち視聴者としてワクワクしました。私は兄が2人いることもあって昔から少女マンガよりも少年マンガをよく読んでいたので、こういう王道のバトル作品は胸が熱くなります!
――楽曲を制作するにあたって、原作やシナリオに触れたと思うのですが、どんな感想を抱きましたか?
鈴木 物語がすごくリズミカルに進んでいくので、そこが面白いなと思いながら読んでいたのですが、タイアップのお話をいただいた時点で「EDテーマは“レクイエム”のイメージでお願いします」ということを聞いていたので、そのことを意識しながら読んでいました。今回のEDテーマには、「全員が最強」と言われている登場人物たちの裏側にいる普遍的な人々、弱者側に寄り添う歌というテーマがあって。最強と呼ばれている人たちの下には何人もの人たちがいるということを、歌で表現するのはすごく難しそうだなと思いながら、シナリオを読み解いていきました。
――尋常ならざる力を持った「修羅」と呼ばれる存在が何人も登場して競い合う、最強同士によるバトルがこの作品の軸になっているわけですが、EDテーマではそれとは別の方向から作品を表現されているんですね。
鈴木 「矛と盾」じゃないですけど、本当にどっちが勝ってもおかしくない戦いばかりのなかで、でも戦いには勝ち負けがあるわけで。その負けてしまった側の人の気持ちもこの楽曲では表現しています。
北川勝利×koshiと共に形にした“すべての人たち”へのレクイエム
――「白花」はミディアムテンポのエモーショナルなパワーバラード。作曲は北川勝利さんが担当されていますが、鈴木さんがご一緒されるのは初めてですよね?
鈴木 はい。チームの皆さんからご提案いただいたのですが、私もぜひ未知なる扉を開いてほしいと思ってお願いしました。私の中では北川さんといえば花澤香菜さんの作品の印象が強くて。ほかにも声優さんによく楽曲を提供されていますし、すごくきれいなメロディを書かれる方というイメージを持っていて。自分の声と北川さんの楽曲がどういうふうに重なるのか想像がつかなくて、個人的にもワクワクしていました。
――確かに。自分もクレジットを見たときに、少し意外に感じましたけど、どんなふうに混ざり合うのか楽しみな気持ちがありました。
鈴木 そうですよね。発表したときにも、ファンの皆さんから驚きの声をたくさんいただきました。実際に北川さんと初めてご一緒させていただいて感じたのは、スピード感がすごいということ。お話をした次の日には色んなものがバンバン!と上がってきていたので、きっと頭の中に無限のメロディがある方なんだろうなと思いました。その時点でメロディを何パターンかいただいたんですけど、その中から一番素敵に感じたものをブラッシュアップしていただく形で進めていただきました。
――この楽曲を選んだ決め手は?
鈴木 直感的に「このメロディが好き!」と思ったのが一番の理由なんですけど、オリエンタルのようなアラビアンのような、不思議な美しさがあって、すごく情緒があるところも好きな部分で。『異修羅』の世界観にもピッタリだと思いましたし、自分の歌声が想像できた部分もあったのでこの楽曲を選ばせていただきました。その後、歌詞を付けるとなったときに、このメロディと作品のことを考えるとちょっと文学的できれいな言葉を書ける方にお願いしたい、という話になって。そのときにチームからkoshiさ
デビュー11年目にして貪欲にチャレンジし続けるこのみんが、koshi(作詞)×北川勝利(作曲)×eba(編曲)という豪華クリエイター陣の制作による本楽曲を通して見つけた自身の新たな可能性とは?2023年の振り返りと、2024年以降の展望を含め、たっぷりと話を聞いた。
INTERVIEW & TEXT BY 北野 創
2023年を猛然と突き進んだこのみん、『異修羅』と出会う
――まずは、鈴木さんにとって2023年はどんな年だったかを振り返ってもらえますでしょうか。
鈴木このみ 2023年は声出しのライブが戻ってきた年で、海外にもあちこち行かせていただいて、年の後半にはShe is Legendのツアーもあったので、毎週のように歌っていた記憶があります。なのですごく歌手冥利に尽きる1年だったし、世の中的にも、自分的にも、色んなことが猛スピードで進んでいたので、ずっと体当たりしていた1年でした。
――めんどくさい聞き方ですみませんが、その1年を漢字一文字で表すとしたら?
鈴木 出た(笑)!えーっ、どうしよう?……でも「猛」かもしれないです。猛スピードだったし、「2023年は何をしていたんだろう?」と振り返ったときに、1つのことを思い出すというよりも、色んなことが一気に頭に浮かぶ感じなので、勇ましく頑張れたのかなと思っていて。
――そういえば前作「頑張れと叫ぶたび」の取材のときに、スケジュールが詰まっていて常に「ギリギリトライ!」している、という話もありました。
鈴木 はい(笑)。もちろん1つ1つ丁寧に頑張っていますけど、結構勢いに任せてガーッて進んでいくところもあったので、「猛」という漢字が浮かびますね。
――誕生日当日の11月5日に開催されたワンマンライブ“鈴木このみ Birthday Live 2023~CHEERS BURGER~”も、ダンスやケルティックバンドとのコラボでも魅せつつ、キャリア11年目ならではの貫禄あるステージングに勇ましさを感じました。
鈴木 ありがとうございます!あのライブでは本当に色んなことをやったので、逆に次のライブはどうしよう?と思っていて(笑)。でも、あのライブ以降、歌うことがさらに楽しくなって、今はちょうどレコーディングをたくさんしている時期なんですけど、それにも良い影響が出ている気がします。
今はすごく良い循環の中で活動できています。
――そんな絶好調の鈴木さんが、2024年最初に届けてくれた新曲が「白花」。この楽曲はTVアニメ『異修羅』のEDテーマということで、まずはタイアップのお話をいただいたときの印象を教えてください。
鈴木 第一印象からすごく面白そうな作品だなと思いました。キャッチコピーに「全員が最強」とあったので、絶対に激しいやつじゃん!と思って(笑)。アニメになったらめちゃくちゃ面白いだろうなと思って、いち視聴者としてワクワクしました。私は兄が2人いることもあって昔から少女マンガよりも少年マンガをよく読んでいたので、こういう王道のバトル作品は胸が熱くなります!
――楽曲を制作するにあたって、原作やシナリオに触れたと思うのですが、どんな感想を抱きましたか?
鈴木 物語がすごくリズミカルに進んでいくので、そこが面白いなと思いながら読んでいたのですが、タイアップのお話をいただいた時点で「EDテーマは“レクイエム”のイメージでお願いします」ということを聞いていたので、そのことを意識しながら読んでいました。今回のEDテーマには、「全員が最強」と言われている登場人物たちの裏側にいる普遍的な人々、弱者側に寄り添う歌というテーマがあって。最強と呼ばれている人たちの下には何人もの人たちがいるということを、歌で表現するのはすごく難しそうだなと思いながら、シナリオを読み解いていきました。
――尋常ならざる力を持った「修羅」と呼ばれる存在が何人も登場して競い合う、最強同士によるバトルがこの作品の軸になっているわけですが、EDテーマではそれとは別の方向から作品を表現されているんですね。
鈴木 「矛と盾」じゃないですけど、本当にどっちが勝ってもおかしくない戦いばかりのなかで、でも戦いには勝ち負けがあるわけで。その負けてしまった側の人の気持ちもこの楽曲では表現しています。
その意味では、このアニメで一番目がいく部分ではないところをテーマにしているので、責任重大だなって思いましたね。でも、それを任せてもらえるのはすごくありがたいことで。元々、チームの間でも「OPテーマで魅せることはやれてきたので、今後はEDテーマで作品をしっかりと締められる魅力も出していきたい」という話をしていたんです。前作の「頑張れと叫ぶたび」(TVアニメ『ブルバスター』EDテーマ)もその部分にトライした楽曲だったので、今回も期待に応えられるように頑張りました。
北川勝利×koshiと共に形にした“すべての人たち”へのレクイエム
――「白花」はミディアムテンポのエモーショナルなパワーバラード。作曲は北川勝利さんが担当されていますが、鈴木さんがご一緒されるのは初めてですよね?
鈴木 はい。チームの皆さんからご提案いただいたのですが、私もぜひ未知なる扉を開いてほしいと思ってお願いしました。私の中では北川さんといえば花澤香菜さんの作品の印象が強くて。ほかにも声優さんによく楽曲を提供されていますし、すごくきれいなメロディを書かれる方というイメージを持っていて。自分の声と北川さんの楽曲がどういうふうに重なるのか想像がつかなくて、個人的にもワクワクしていました。
――確かに。自分もクレジットを見たときに、少し意外に感じましたけど、どんなふうに混ざり合うのか楽しみな気持ちがありました。
鈴木 そうですよね。発表したときにも、ファンの皆さんから驚きの声をたくさんいただきました。実際に北川さんと初めてご一緒させていただいて感じたのは、スピード感がすごいということ。お話をした次の日には色んなものがバンバン!と上がってきていたので、きっと頭の中に無限のメロディがある方なんだろうなと思いました。その時点でメロディを何パターンかいただいたんですけど、その中から一番素敵に感じたものをブラッシュアップしていただく形で進めていただきました。
――この楽曲を選んだ決め手は?
鈴木 直感的に「このメロディが好き!」と思ったのが一番の理由なんですけど、オリエンタルのようなアラビアンのような、不思議な美しさがあって、すごく情緒があるところも好きな部分で。『異修羅』の世界観にもピッタリだと思いましたし、自分の歌声が想像できた部分もあったのでこの楽曲を選ばせていただきました。その後、歌詞を付けるとなったときに、このメロディと作品のことを考えるとちょっと文学的できれいな言葉を書ける方にお願いしたい、という話になって。そのときにチームからkoshiさ
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