東京で行われるのは約2年ぶりとなるナンバリングイベント『5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND -YELL-』が2月3日、有明アリーナにて開催された。ライブパート開始前。
実況役の明坂聡美による田所あずさ(シンボリルドルフ役)、天海由梨奈(ミスターシービー役)への直前インタビューが終わると、続いて舞台袖から「天晴ッ」と書かれたセンスが登場。目ざといトレーナーはこの日のシークレットゲストがゲーム『ウマ娘プリティダービー』に登場する理事長、秋川やよい役の水橋かおりだと確信したはず。

真っ白な衣装で統一されたウマ娘ダンサーがステージに登場し、華麗なダンスでライブのスタートを告げると、ステージ上段には「Notes of Grandeur」衣装を着たウマ娘たちがそれぞれのポージングを決めて登場。赤に統一された衣装を身にまとい歌うのは「Comeback Story V」だ。楽曲中に挟まれたMCでは明坂さんが実況風にキタサンブラック役の矢野妃菜喜から順に紹介していく、会場からはそのたびに大きな歓声が上がっていた。

2曲目となったのはナンバリングイベント初出走となる奥野香耶(ヴィルシーナ役)、伊藤彩沙(ヴィブロス役)、MAKIKO(サウンズオブアース役)、田辺留依(ロイスアンドロイス役)、秋奈(ドゥラメンテ役)の5人が歌う「メイクデビュー」。
そのタイトルから“初出走”を彷彿とさせる同曲を歌う5人だったが、しかし緊張はどこへやら。初出走の固さを感じさせない堂々としたパフォーマンスを見せてくれた。

3曲目となる「WINnin’ 5 -ウイニング☆ファイヴ-」はステージ上段に井上遥乃(イナリワン役)、優木かな(スーパークリーク役)、高柳知葉(オグリキャップ役)、天海、藤原夏海(カツラギエース役)。下段に長谷川育美(ミホノブルボン役)、石見舞菜香(ライスシャワー役)、遠野ひかる(マチカネタンホイザ役)、田澤茉純(イクノディクタス役)といったフォーメーションで歌唱。初出走の5人から受け取った熱気そのままに熱い鼓動を繋いでいく。

続く「ブライトメモリー」を担当したのはMachicoさん(トウカイテイオー役)、田所、春川芽生(シンボリクリスエス役)、奥野、伊藤の5人。
作品内で関係の深いメンバーたちによる歌唱で楽曲の力を引き立たせる。

「Dance 2 Endless Beat」では和氣あず未(スペシャルウィーク役)、長谷川、石見、前田佳織里(ナイスネイチャ役)、田澤、菊池紗矢香(ホッコータルマエ役)、藤原、秋奈が登場。観客席には4台のトロッコ、そしてウマ娘たちの手にはピンクのセンス、さらにはサングラスをかけセンスを振り回しながら盛り上がる実況席にこっそり参加していた矢野&夏吉ゆうこ(シュヴァルグラン役)など、賑やかで見どころ満載のステージになった。

アニメ『ウマゆる』からのチョイスとなった「ゆるパカ HAPPY DAYS!」では春川をはじめとした5人のメンバーが登場。楽曲のみならずイクノディクタスとロイスアンドロイスというメガネコンビのメガネ談義や、ナイスネイチャ、サウンズオブアース、シンボリクリスエスたちの掛け合いでも盛り上がっていた。

「大人気ユニットが帰ってくるとか来ないとか?」の煽りで登場したのは新メンバーに奥野、伊藤を迎えての「BoC’z」(ボウシーズ)。
Notes of Grandeurから黒で統一されたユニット衣装に着替えての「Hat on your Head!」で会場の空気をBoC’z色に染め上げていく。

オグリキャップ役の高柳、イナリワン役の井上、スーパークリーク役の優木からなる平成3強が歌い上げた「NEXT FRONTIER」は力強さに溢れた一曲。大スクリーンに映し出された太陽プロミネンスや、ステージ前方から吹き出る炎演出により熱いステージをさらに加熱していく。

田所、天海のふたりの三冠ウマ娘の歌唱からスタートした「winning the soul」は、2番からはステージ中央に姿を現したMachico、長谷川、秋奈といういずれも皐月賞とダービーを制覇した二冠ウマ娘を加えての歌唱に昇華。合計でクラシック12冠。豪華な顔ぶれのステージとなった。


3人ずつの3チーム、9人のウマ娘たちで歌い上げた「Ms. VICTORIA」は激しいリズムがターフを駆け抜けるウマ娘たちの姿を想起させる一曲。同曲ではおなじみの、表彰台を模したせり上がり演出や勝者をたたえる金の紙吹雪などが相まって、会場のボルテージは有無を言わせず上昇していく。

シンボリルドルフ、ミスターシービーという世代最強のふたりに割って入ったカツラギエース役の藤原をセンターにして披露されたのは、未来にあるゴールを目指して駆け抜けていく「BLOW my GALE」だった。この3人で何かをやりたかったと願い続けてきたという藤原。その思いは力のこもったパフォーマンスに反映されていた。

Machicoと田所のふたりで歌い上げる「Everlasting BEATS」はしっとり系のバラード曲。
三女神が模られたステンドグラスを背景に歌うその姿からは、トウカイテイオーとシンボリルドルフの絆を感じられた。

同じくバラード楽曲となった「永遠の色彩」では和氣と遠野がステージ、高柳、井上、優木がトロッコに乗っての歌唱となった。息づかいさえ伝わってきそうなその優しい歌声が、会場全体にゆっくりとしみこんでいく。

14曲目はステージ上の関係性の深い7人のウマ娘がペアになって歌った「Find My Only Way」。途中で体調不良によりイベントに参加できなかったタニノギムレット役の松岡美里の歌声が流れる粋な演出も相まって、春川の隣に腰掛けて歌う松岡の姿が目に浮かんだトレーナーも多かったに違いない。

耳心地の良いハモリが特徴の「大好きのタカラバコ」では13人のウマ娘が集結。
ステージ組とトロッコ組に分かれての歌唱で会場全体に大好きな気持ちを届けていく。

ここからはアニメ3期をフィーチャーしたセトリが続く。まず披露されたのはアニメ3期のエンディング曲「アコガレ Challenge Dash!!」。歌唱はスペシャルウィーク役の和氣、トウカイテイオー役のMachico、キタサンブラック役の矢野、サトノダイヤモンド役の立花日菜という、各期のアニメでメインを務めたメンバーが担当した。

「ロストシャイン」は3期1話のエンディングでも使用されたバラード楽曲。会場が赤色の光で埋めつくされるなか、ブレスにすら感情を乗せて歌い上げた矢野の姿が印象的だ。またそのパフォーマンスも目を引き、膝まづいたりうつむきながら歩くその姿は、まぎれもなくレースに負けて打ちひしがれたキタサンブラックそのものだった。

同じく特殊エンディングで使用された「夢のこたえ」をソロで歌い上げたのはもちろんサトノダイヤモンド役の立花。期待されながらもG1勝利に手がとどかない彼女が抱える葛藤。そしてようやく掴んだ栄冠。まさに苦悩したサトノダイヤモンドだけが歌える一曲にトレーナーたちは静かに耳を傾けて聞き入っていた。

続いてのソロ曲は鈴代紗弓(サトノクラウン役)が歌う「Confident」。こちらはまだショートバージョンしかお披露目されていない楽曲で、フルバージョンが世に出るのはこの日が初。まさにライブならではレア感に溢れるステージとなった。

ソロパート4曲目はシュヴァルグラン役の夏吉が歌う「光の後ろ姿」。憧れのキタサンブラックを追い続け、追い続け、そしてようやく捉えた後ろ姿。また、そこにたどり着くまでの憧れと嫉妬が入り混じった感情を歌にぶつけるかのように歌い上げる姿に感動すら覚えた。

「空のほほえみ方」では、アニメ3期のラストランでキタサン%