自ら作詞・作曲を手掛ける19歳のボーカリストliaによるバンドプロジェクトshallm。昨年9月に、MBSドラマ『女子高生、僧になる。
』のOP主題歌「センチメンタル☆ラッキーガール」でメジャーデビュー。そして今回、1月放送のTVアニメ『姫様”拷問”の時間です』のOPテーマ「まっさかさマジック!」をリリースし、そのメロディセンスの高さを見せつけた。初のアニメタイアップとなる本作についてと、好きなアニメやアニソンについてliaに話を聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 塚越淳一

あの作品の影響を受けた、liaの名前の由来
――アーティストを夢見たのはいつ頃からなのでしょうか?

lia小さい頃からカラオケが好きだったんです。他のことは苦手だったのですが、カラオケだけは褒めてもらえたので、それが嬉しくて、歌を歌いたいと思うようになりました。そこから軽音楽部に入ったことがきっかけで「職業にしたい」と考えるようになったんです。

――軽音楽部って、楽しく音楽をしたいと思っている人もいるから、人によってモチベーションの違いがありますよね?

liaそうなんですけど、通っていた学校が強豪校だったんです。だからみんなが本気で音楽をやっていて、みんな、夢がアーティストだったんです。そのくらい、熱い学校でした。

――そのときは、どんな音楽をやっていたのですか?

lia当時は、オルタナティブ系やボカロ系など、かっこいい曲が好きだったので、カゲプロ(カゲロウプロジェクト)とかにすごくハマっていました。

――楽器はいつ頃から始めたのですか?

lia中学3年生くらいのときに、歌うために伴奏が欲しくなって、そこからギターを覚えました。最初はアコギを買ったんですけど、やっぱりバンドがかっこいいな!バンドやりたい!!と思い、のちにバンドを組みました。


――学生時代から、オリジナル曲を作っていたんですよね?

liaはい。顧問の先生にオリジナルを作ってみようと言われ、作り始めたんです。でも、最初の最初って、本当に誰にも聴かれたくないくらい恥ずかしいので、時間はかかりました。周りに早く早く!って言われながら作ったのですが、1曲作ってしまえば、その恥ずかしさも乗り越えられたというか。

――一度最後まで作り切るのって、大事ですからね。そこからMBSドラマ『女子高生、僧になる。』のOP主題歌「センチメンタル☆ラッキーガール」でメジャーデビューを果たすのですが、今回の「まっさかさマジック!」は、TVアニメ『姫様拷問の時間です』のOPテーマとなります。アニメ・アニソンには、どのような思い出がありますか?

lia兄がアニメ好きで、私も一緒に見ていたんです。特に異世界モノが好きで、『Re:ゼロから始める異世界生活』は、休みにアニメイトに行ってグッズを買い漁るくらいハマっていました(笑)。実はshallmも、『Re:ゼロ』の影響をすごく受けていて、liaという名前は、ヒロインのエミリアから取っているし、活動を始めたのもエミリアの誕生日だし、紫色もエミリアから取っているんです。そのくらい『Re:ゼロ』が大好きで、小説投稿サイト『小説家になろう』から、読んでいます。

――アニメの知識になってしまうのですが、主人公のスバルは死に戻りの能力がありますけど、結構死に方がエグいシーンも多いんですよね。


liaそこがいいんです! それを見ると、なんか頑張ろう!っていう気持ちになります。スバルもこんなに辛い思いをして頑張っているのだから、大丈夫だって(笑)。だって、あんなに死んだら、普通はやめますよ。でも頑張るっていう。

――アニソンはどうですか?

lia一番は決められないんですが、ASIAN KUNG-FU GENERATIONさんの「リライト」(TVアニメ『鋼の錬金術師』OPテーマ)や、MYTH & ROIDさんの「Paradisus-Paradoxum」(TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』OPテーマ)はすごく好きです。それとアニメで知ったCö shu Nieさんも好きで、いつか私もああいう曲を作ってみたいなと思います。アニソンっぽい曲だと、「ヒャダインのじょーじょーゆーじょー」(TVアニメ『日常』)は、これぞアニソンだ!となりました(笑)。「God knows…」(TVアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』挿入歌)も、ライブで歌ったりしていました。

――かなり幅広いですね。アニソンにはどんな印象を持たれていましたか?

liaオープニングは明るくて、エンディングはバラード、という印象があります。それとオープニングは特にですけど、聴くとテンションが上がるイメージがあります。

――たしかに。
それと「リライト」を挙げていましたけど、何年経っても色褪せない良さ、みたいなものもありますよね。


liaそうですね!何年経っても廃れない曲というイメージはたしかにあるので、私もそういう曲を作りたいです。

――アジカンと言えば、『ぼっち・ざ・ろっく!』の結束バンドと同じ日にフェスに出演する、なんてニュースも世間を賑わせました。

lia『ぼざろ』の曲も良いんですよね!頑張ってコピーをしたいなって思いました!すごくかっこいいです。

――2009年にTVアニメ『けいおん!』が始まったとき、軽音楽部に入部する人がすごく増えたんですけど、また軽音楽部の人気が高くなるかもしれないですね。

lia絶対に楽器やりたいと思う人が増えたと思います!

“まっさかまさかな出会い”
名フレーズが生まれた背景

――TVアニメ『姫様拷問の時間です』のタイアップが決まったときは、どんな気持ちでしたか?

liaアニメに自分の声が流れるんだ!って思ったら、嬉しすぎて!「ただただ嬉しい!」と思いました。

――不安もあったのでは?

liaもちろん不安もありました。「大丈夫かな?私で」という気持ちもあったんですけど、嬉しさのほうが強かったかもしれません。

――実際に、曲はどのように作っていったのでしょうか。アニメサイドからのオーダーはありましたか?

liaザ・アニソンみたいな感じの明るい曲にしてほしいというのと、姫様の心情は特に語らなくてもいいとのことでした。あとはリファレンスの楽曲が何曲か挙げられた要望書があって、それを参考に曲を作っていきました。

――そんなに作品に寄り添った歌詞でなくてもいい、ということだったんですね。


liaというよりは、姫様の心情を語らないでいい、姫様になって歌わなくてもいいという感じだったと思います。でも、それって難しいじゃないですか。姫様の気持ちになったほうが書けるのではないかと思ったんですが、そうではないみたいだったので、考えました。

――具体的にはどう手を付けていったのですか?

liaサビから作って行こうというのと、この曲の大事にするところって何だろうと思いました。この作品では、国王軍と魔王軍という絶対に仲良くなれないところにいる2人が出会い仲良くなるので、そういう温かいところを曲にしたいと思ったんです。で、サビを作っていくうちに、“まさかの出会い”みたいなテーマが出てきた感じでした。

――それで、まっさかまさかな出会いが生まれたのですね。「真っ逆さま」と「まさか」で、対立する軍がまさかな関係になるという作品のテーマを完璧に捉えていて、ものすごい歌詞だと思ったんです。これはメロディができて、そこから歌詞が出てきたのですか?

lia基本は、曲を先に作って、そのあとに歌詞を書いていくんですが、不思議な出会いだな~って思いながらメロディを考えていたら、〈まっさかまさかな〉が出てきて、いいじゃん!となり、これにしました。実はもう1曲作っていて、それもすごく悩みながら書いたんですが、こっちのほうが良いなって直感で思いました。

――メロディと歌詞が同時に出てきたんですね。もう完璧じゃんって思えるくらい、最高のフレーズでした。
メロディはどうやって考えているのですか?


lia色々なコードを試しながらメロディを考えるような感じで、出てこなかったらコードを変えてやってみるというのを繰り返して曲を作っています。今回はサビから作ったので、「キャッチーなサビが出てくるまで、寝れません!」みたいな感じで、ひたすらメロディを考えていました。

――それで、良いサビができたのですね。

liaそうですね。でも、これでいいのかな?みたいな不安はあって。アニメのOPテーマだし、自分では良い曲ができたと思っても、やっぱり不安なところはありま
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