不正・スキャンダルが明るみに出たその日に入院、疑惑追及の前に都合よく出てくる診断書……。ドラマでもおなじみの展開だが、政界で力を持つ為政者には「入院したい」と思えば入院できる環境、権力とカネをチラつかせた病院との癒着があるということだ。
しかし、石原氏のケースは、国会議員のなかでもさらに「特別」なものだと言わざるを得ない。
たとえば、19日に新型コロナに感染したと発表した同じ自民党の安藤高夫衆院議員(61歳)は、スタッフの感染が判明したことから検査を受けたとし、本人は医療法人の理事長も務めているが、喉の痛み以外に症状がなかったことから自宅療養となっている。一方、昨年11月に新型コロナに感染したことを公表した立憲民主党の小川淳也衆院議員(49歳)は、39度以上の高熱が出たことから東京都の相談センターに紹介された発熱外来まで1キロ歩いて出向き、抗原検査で陽性と判明。その後、議員宿舎まで歩いて帰り、保健所から「高熱なので入院したほうがいい」という連絡を受けて入院措置となったという。
それに比べて、石原氏は、一般外来ではPCR検査をやらないはずの国立大学法人の附属病院でPCR検査を受け、満床で入院患者を受け入れられないはずのその病院にすぐに入院しているのだ。
国民の公僕である国会議員とはいえ、入院が必要だと判断されるような状態であれば、入院すべきなのは言うまでもない。だが、石原氏のケースは明らかに特別扱いとしか思えない。