春の観光シーズンを迎え、シカで有名な奈良公園は溢れんばかりの観光客でにぎわっています。しかし、その活況とは裏腹に、奈良県を訪れるインバウンド客の1人あたり消費単価が、47都道府県で「最下位」という衝撃的なデータが明らかになりました(観光庁の調査より)。
なぜ、これほど人が集まりながら“稼げない”のでしょうか。MBSの米澤飛鳥解説委員が、奈良観光の現状と今後を解説します。
◎米澤飛鳥:MBS解説委員 よんチャンTV前編集長 これまで京都支局長や行政キャップなどを担当
インバウンド1人あたりの消費額が実は「全国最下位」の奈良
年間約4500万人の観光客数を誇る奈良。20日に近鉄奈良駅の周辺を取材すると、東向商店街へは歩くのも困難なほどの混雑ぶりで、奈良公園では鹿せんべいを買い求める観光客が長い行列を作っていました。
一方で、観光庁の調査(2024年)によりますと、近畿を訪れたインバウンド客の1人あたり消費額は、1位の大阪が約9万円、2位の京都が約5万円であるのに対し、奈良はわずか9421円。これは全国でも最下位の金額です。
日本人旅行者の消費額も1万6750円で全国46位となっています。
■旅行者1人あたりの消費額
【インバウンド】
1位 大阪 9万1779円
2位 京都 5万1981円
3位 滋賀 5万44円
4位 和歌山 4万1048円
5位 兵庫 3万5207円
6位 奈良 9421円(※全国最下位)
【日本人旅行者】
1位 和歌山 3万3410円
2位 京都 3万610円
3位 大阪 2万9640円
4位 兵庫 2万2250円
5位 滋賀 1万9220円
6位 奈良 1万6750円(※全国46位)
宿泊する人はわずか6%!?圧倒的な「宿泊客の少なさ」
多くの観光客が訪れていながら、なぜこれほどまでに消費額が少ないのか。大きな要因として挙げられるのが、圧倒的な「宿泊客の少なさ」です。
奈良を訪れる観光客のうち、実際に宿泊する人はわずか6%程度です。多くの方が大阪や京都から電車で1時間足らずというアクセスの良さを利用し、日帰りで済ませてしまうのが現状です。
【近畿・年間のべ宿泊者数】(観光庁調べ・2024年)
1位 大阪 5743万1520人
2位 京都 3421万710人
3位 兵庫 1650万5660人
4位 和歌山 501万2290人
5位 滋賀 489万7930人
6位 奈良 283万4450人(※全国44位)
「安い・浅い・狭い」を脱却して「稼ぐ」「守る」「繋ぐ」へ
奈良県の担当者は、これまでの観光を「安い(消費額)」「浅い(滞在時間)」「狭い(観光エリア)」と分析。取材に対し、「関西各地に名所がある中で、“大仏頼み”では通用しない」と危機感を募らせています。
今後の目標は「稼ぐ(観光で)」「守る(文化や景観)」「繋ぐ(地域や伝統)」だといいます。県は2030年度目標として、観光消費額を現在の約2倍にあたる4200億円、のべ宿泊者数を約1.8倍の500万人に引き上げることを掲げています。
文化財の修復や景観維持には莫大な費用がかかります。それらを守り抜くためにも、今は「観光で稼ぐ」仕組みへの転換が急務となっているのです。
カギを握るのは「午後5時以降」の過ごし方
滞在時間を延ばすための最大の壁は、奈良の「夜の早さ」。午後5時を過ぎると、商店街の多くの店がシャッターを下ろし始めます。
取材した店舗関係者の一人は「以前は午後8時まで営業していたが、コロナ禍で客足が減ったのを機に午後5時閉店にした」といいます。
そして夜8時の奈良公園は、昼間の喧騒がうそのように静まり返り、人影よりもシカの姿が目立つ状態です。
観光客からは日中とのギャップに驚く声や、“2軒目に行こうと思っても店がない”というような声も聞かれました。
動き出した「ナイトタイムエコノミー」
こうした状況を打破しようと、“夜の観光”への新たな取り組みが始まっています。
去年10月、奈良公園バスターミナル内にオープンした「NARAMILE」(ナラマイル)は、お土産物の販売のほか、地酒や県の食材を使った軽食を楽しめるお店で、午後8時まで営業。県による公募を経て開店したということです。
また、奈良国立博物館や奈良県立美術館では今年1月、「ナイトミュージアム」を試験実施。募集定員が早々に満員になるほど好評だったそうです。
そのほか、近鉄奈良駅近くの商店街でも、店舗の営業終了後に屋台を出す「もいちど夜市・こにし夜市」を春秋に開催しています。約80店舗が参加し、2日間で5000人ほどの来場者となったことも。
近年、奈良市などではホテルの開業ラッシュが続いています。宿泊キャパシティが増える今こそ、宿泊客が夜を楽しめるコンテンツの充実が求められています。
「奈良の夜」が潤うことで…関西全体を救う!?
奈良が「夜」に力を入れることは、実は関西全体にとっても大きなメリットがあります。観光客の分散により、大阪や京都で深刻化するオーバーツーリズム(観光公害)の緩和につながるからです。
奈良に夜の魅力が定着し、観光客が「もう一泊しよう」と考えれば、関西全体の滞在日数が延び、経済波及効果はさらに広がります。
夜の観光は日本全体の課題でもあると言えそうです。海外の訪日経験者に聞いた「訪日旅行で不満だったこと」の中で、「ナイトライフ体験」は6位でした。
【訪日旅行で不満だったこと(51の選択肢)】(2019年日本政策投資銀行と日本交通公社の調査)
1位 英語の通用しやすさ
2位 母国語の通用しやすさ
3位 キャッシュレス決済の普及状況
4位 交通機関や街中での多言語案内
5位 電化製品のショッピング
6位 ナイトライフ体験
治安が良く、夜も安心して観光を楽しめるという日本の強みを生かし、文化財のライトアップを増やすなどしていくことで、ナイトタイムエコノミーをより盛り上げていくことができるのではないでしょうか。
(2026年3月23日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)

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