天王寺動物園のゾウ 一般公開前に会いに行ってみた!

 大阪・天王寺動物園に先月、マレーシアから新たな「ゾウ3頭」がやってきました! 

 1970年の大阪万博を記念してインドからやってきた「ラニー博子」が2018年に死んで以来、園内でゾウが見られるようになるのは約8年ぶり。

 今回の受け入れに合わせ、国内最大級の「ゾウエリア」も新設されました。

【8年ぶり】天王寺動物園にゾウが来た!“バスケコート16面分...の画像はこちら >>

 ただ、動物園ゾウを迎え入れることは非常に大変…一体どんなハードルがあるのか?総工費44.6億円をかけた「ゾウの家」の何がすごいのか?

 動物園経営に詳しい帝京科学大学・佐渡友陽一准教授に取材。

一般公開前のゾウに会いに行ったMBS福島暢啓アナウンサーがお伝えします。

「天王寺動物園は大仕事を成し遂げた」

【8年ぶり】天王寺動物園にゾウが来た!“バスケコート16面分”総工費44.6億円の『ゾウ舎』を福島アナが取材…3つのヒミツに迫る!一般公開前に会いに行ってみた!【解説】
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 天王寺動物園にやって来たゾウは3頭。グラウンドに慣れさせるため、一般公開に向けてトレーニングを開始していました。

 <天王寺動物園に来たゾウ>
 ▼クラッ(オス・20歳)
 ▼ダラ (メス・14歳)
 ▼アモイ(メス・9歳)
  ※年齢はすべて推定

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 (天王寺動物園 今西隆和さん)
 「ゾウたちに『このグラウンドが安心できる』と分かってもらわないといけない」
 「最初は怖がって3頭一緒にウロウロしていた。今は落ち着いてご飯食べるから、だいぶ落ち着いているんじゃないかな」

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 今回、新たにゾウを迎えたことについて、「天王寺動物園は大仕事を成し遂げた」と帝京科学大学・佐渡友陽一准教授は言います。

 実は、ゾウの受け入れには高いハードルがあるのです。

飼育のハードルその1「オスの飼育が必要」

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 そもそもゾウは「繁殖などの目的でないと譲渡できない」とワシントン条約で決められて、動物園の場合はメスだけでなく「オスの飼育」が必要。

 今回の3頭に関しては、計画的に繁殖を管理するため「ブリーディングローン」(繁殖貸与)という形で迎え入れ、子どもが生まれた場合、「奇数頭目は日本」「偶数頭目はマレーシア」が所有権を持つ予定です。

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 ちなみに、戦後、天王寺動物園にいたゾウたちは3頭ともメス。

 <戦後に天王寺動物園にいたゾウ>
 ▼ユリ子   1950年~2000年
 ▼春子    1950年~2014年
 ▼ラニー博子 1970年~2018年

 佐渡准教授によると、「昔はメスだけを飼う動物園が多かった」ということです。

飼育のハードルその2「群れでの飼育を推奨」

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 また、ゾウは群れで行動するため、「群れでの飼育」が推奨されています。近年来園した他県の動物園でも、4頭を一度に受け入れています。

 <群れで飼育されているゾウ>
 ▼福岡市動物園(2024年)
  →4頭来園 うち1頭は公開前急死
 ▼姫路セントラルパーク(2025年)
  →4頭来園

 ただ、群れで飼育する場合、子・孫が生まれればオスを含めて5頭~10頭程度になります。そのため、天王寺動物園は今回、飼育に適した最新のゾウ舎につくりかえたのです。

 このゾウ舎、なんと総工費44.6億円!一体なにがすごいのか…?

ここがすごい「ゾウの家」その1 バスケットボールコート約16面分の広さ!

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 ゾウの家、まず「広さ」がすごいんです。

 エリア全体の広さは約6600mで、バスケットボールコート約16面分。

都市型の動物園では日本最大級だそうです。

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ここがすごい「ゾウの家」その2 負担減らすため…砂がふかふか!

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 ゾウの家、ココがすごい!2つ目は「ふかふかの砂」。

 フン掃除などの管理が容易なため、かつてはコンクリートの床が一般的でしたが、近年、ゾウの負担を減らすには「砂の床」が良いと分かったそうです。

 (天王寺動物園 今西隆和さん)
 「コンクリートの所にいると足の裏に負担がかかる。(体重が)2t、3tってなってくると、1本の足にすごい体重がかかって足を痛めやすくなる。砂を敷いてこの上で寝転がったりしたら、カラダについている虫が落ちたりお肌の手入れもできる」

ここがすごい「ゾウの家」その3 飼育員の安全もバッチリ?

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 すごいところ、3つ目は「安全な飼育」。飼育員を守る環境が整えられました。

 ゾウの脚で蹴飛ばされたりすると命の危険があるため、ゾウ舎には健康管理などを安全に行う「PC(Protected Contact)ウォール」が設置されています。

 (天王寺動物園 今西隆和さん)「(ゾウが)中でトレーニングするんですけど、(柵が)斜めになっているのは、鼻を出してきたときに斜めじゃないと(飼育員に)まともに当たってしまう。筋があることで力が逃げる。当てようと思っても当てられない壁」

大変なのに…なぜ動物園はゾウを飼う?

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 こんなに大変なのに、なぜ動物園はゾウを飼うのか…?

 佐渡友准教授は「生物の多様性を直感で理解できる」からだと言います。「陸上で一番大きな動物!」「ゾウの鼻はなぜ長い?」など、ゾウがいることで語れることの幅が一気に広がるようです。

7月から値上げ…それでも安い!「あの規模の動物園。世界的に見たら…」

【8年ぶり】天王寺動物園にゾウが来た!“バスケコート16面分”総工費44.6億円の『ゾウ舎』を福島アナが取材…3つのヒミツに迫る!一般公開前に会いに行ってみた!【解説】
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 7月から入園料が値上げされる天王寺動物園。ただ、佐渡友准教授は「あの規模の動物園。

世界的に見たら2000円でも安いと思う」と言います。

 <7月1日からの入園料>
 ▼大人        500円  → 800円
 ▼大阪市外の小中学生 200円  → 200円
 ▼年間パス(大人)  2000円 → 3200円
  ※このほか寄付付きチケットあり
  ※大阪市内の小中学生などは無料

【8年ぶり】天王寺動物園にゾウが来た!“バスケコート16面分”総工費44.6億円の『ゾウ舎』を福島アナが取材…3つのヒミツに迫る!一般公開前に会いに行ってみた!【解説】
MBS

 民営に比べて安い公的な動物園の入園料。高度経済成長期に“福祉充実”の一環で「子どものために」「足りない分は税金で」といった方針から安く抑えられてきたと言います。

 <公的な動物園の入園料>
 ▼神戸市立王子動物園 600円
 ▼京都市動物園    750円
 ▼天王寺動物園    800円(7月1日から)
  ※2021年独立行政法人化

 しかし、「日本の文化と言えるがこれでは限界が来る」ということで、今回の値上げにつながったのかもしれません。

 8年ぶりに天王寺動物園にやってきた3頭のゾウは、今月にも一般公開される予定です。

 (2026年4月3日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)

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