*Lightroom Classic画面で解説しますがLightroom CCも基本的には同様の操作で補正可能です。
■使用する機能「レンズ補正」
目次1.収差の概要
虫眼鏡で太陽の光を紙に焼き付けたことはありませんか? 地面に紙を置いて、その上に虫眼鏡を合わせ、紙と虫眼鏡の距離を調節して、光の円の輪郭がボヤけないように小さくしているとそのうち紙が燃え出します。輪郭がぼやけないように距離を適切にすることでうまく光を集めることができます。写真もカメラのレンズで光を取り入れて、内部のセンサーに記録します。このレンズが虫眼鏡で、紙がセンサーと考えるとわかりやすいかもしれませんね。
カメラのレンズにはリーズナブルなものから高価なものまでさまざまな種類があります。複数枚のガラスを組み合わせたレンズで光を取り入れますが、ガラス素材の種類もいろいろとあります。良い素材を使っているレンズほど収差が起きにくいので値段が高価になり、リーズナブルなレンズは手に届きやすい反面、収差が起こりやすくなります。
この収差には大きく分けて「色収差」と「歪曲収差」があります。収差の原因を簡単に言えば、レンズから入ってくる光をセンサーに記録する際に、光を1点に集める場所がセンサーと微妙にずれてしまうことで起こります。
ちょっと難しいことを書きましたが、なんとなくイメージできれば大丈夫です。Lightroomでは[レンズ補正]機能で簡単に収差の補正ができます。
2.[レンズ補正]機能で自動的に色収差(フリンジ)を軽減する
子供が川沿いの橋の上で柵に登っている写真があります(図1)。
この画像の中心から膨らむ歪曲収差を「樽型収差」と言います。逆に、画像の中心に向かって凹んでいるような歪曲収差を「糸巻き型収差」と言います。
収差の補正はとても簡単です。収差の補正の前に、まずは画像を取り込み、[現像]モジュールを開いて、大まかに画像の明るさなどを[基本補正]パネルの項目で補正します(図2)。
では[色収差を除去]にチェックを入れてみましょう(図5)。フリンジが抑えられるのが確認できます。
3.手動で色収差(フリンジ)を軽減する
[レンズ補正]を[手動]に切り替えると、[フリンジ軽減]スライダーが表示されるので、手動でフリンジ補正ができます。[色収差を除去]にチェックを入れて自動的に補正した画像でも、少しフリンジが残っていることが多いので、手動に切り替えて追加で補正をすることができます。
画像を適宜拡大しながら、[フリンジ軽減]の紫の[適用量]スライダーを右にドラッグすると紫のフリンジが軽減します(図6)(図7)。
同様に緑のフリンジもスポイトを使って消去します。これで色収差の補正ができました(図11)。
4.歪曲収差を自動で補正する
続いて「歪曲収差」の説明です。[レンズ補正]の[プロファイル補正を使用]にチェックを入れると[レンズプロファイル]の[メーカー]、[モデル]、[プロファイル]が自動的に表示されます(図12)。
ただ、古いレンズや最新のレンズ、このプロファイルに登録されていないレンズを使用した場合は表示されません。
Lightroomのプロファイルに登録されているメーカーやモデルは相当数ありますが、ない場合は手動で選んでください。今回はプロファイルが一致したので、[プロファイル補正を使用]にチェックを入れただけで歪曲収差が補正されました(図13)。
5.歪曲収差を手動で補正する
歪曲収差も[プロファイル補正を使用]にチェックを入れた後でも、追加で手動の補正が可能です。[レンズ補正]の[手動]に切り替えて、[ゆがみ]スライダーを動かしていきます。左にドラッグすると「樽型収差」が強調されます(図14)。
6.周辺光量の補正
次に「周辺光量補正」の説明です。気づきにくいですが[プロファイル補正を使用]のチェックが付いてない状態の画像の四隅は少し暗く落ちています(図17)。
この現象を手動で補正する時は、[レンズ補正]の[手動]に切り替えて、[周辺光量補正]の[適応量]スライダーを動かします。スライダーを右にドラッグして、画面全体を見ながら周辺の明るさを適度に明るくしていきます(図18)。
また、スライダーを逆方向に動かすことで四隅を暗くできるので、意図的に周辺を暗くした絵作りもなども楽しめます(図19)。
最近ではカメラの内部でこの補正を行ってくれる機能が搭載された機種も増えてきましたが、JPEGでの撮影には反映されるもののRAWデータで撮影する場合には反映されないので、ぜひプロファイル補正を使ってみてください。
以上、Lightroomで色収差・歪曲収差を補正する「レンズ補正」(自動でレンズプロファイル、手動で補正)の方法でした。
●構成:編集部 ●構成+制作+写真:谷本夏[studio track72] ●編集:編集部











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