Illustrator(イラレ)で文字にグラデーションをつける方法を解説します。文字を図形化(文字をアウトライン化してパスで構成されたデータに変換)してからグラデーションをかける方法と、文字データのままグラデーションをかける方法の2通りを紹介します。
図1文字にグラデーションをかけるには、主に2通りの方法があります。まずひとつめが、文字をパスデータに変換してからグラデーションをかける方法。
手順は、選択ツールで文字を選び(図2)、書式メニュー→“アウトラインを作成”を実行したあと、必要に応じてオブジェクトメニュー→“グループ解除”を適用します(図3)。
図2
図3。複数の文字をアウトライン化すると、それらがグループ化された状態になるので、文字ごとに異なるグラデーションをかけたい場合などは“グループ解除”を適用しておくこれによって、文字が通常の図形(シェイプ)と同じようなパスデータに変換されます(図4)。
図4グラデーションツールでパスデータに変換された文字をクリックすると(あるいは選択ツールで文字を選択し、グラデーションパネルでグラデーションを編集してもOK)、各文字にグラデーションをつけることができます(図5)。
図5。このほか、スウォッチパネルからグラデーションのスウォッチを選んでもグラデーションをかけられる
図6。文字ごとにグラデーションがかかってしまう文字ごとではなく文字列全体にグラデーションをかけるには、複合パスを利用します。複合パスとは、簡単に説明すると複数のパスをひとつのパスとして扱う機能です。
まず、選択ツールで文字をすべて選択したら(図7)、オブジェクトメニュー→“複合パス”→“作成”を実行します(図8)。
図7。
図8続いてグラデーションツールで文字をクリックすると、文字列全体にグラデーションをかけることができます(図9)。
図9。複合パスにすると文字列をひとつのパスとして扱えるため、全体にグラデーションをかけることができるこのように文字をアウトライン化すると手軽にグラデーションをかけることができますが、あとから文字を修正できなくなり、1文字だけ修正したい場合でも再度作り直す必要があるのがデメリットです。あとから文字を修正する可能性がある場合は、次で紹介する「アピアランス」を利用する方法がおすすめです。
アピアランスを設定するには、アピアランスパネルを使用します。パネルが見当たらない場合は、ウィンドウメニュー→“アピアランス”を選んで表示させましょう(図10)。
図10。アピアランスパネルでは、オブジェクトの[塗り]や[線]を設定できるパネルを表示させたら、選択ツールで文字を選択し、[塗り]と[線]を、いったん[なし]に設定します(図11)。
図11続いてアピアランスパネルの下部にある[新規塗りを追加]ボタンをクリックします(図12)。
図12。[新規塗りを追加]ボタンをクリックする
図13。[塗り]が追加される。初期設定では[塗り]のカラーにブラックが適用されているこの[塗り]の行を選択した状態でグラデーションツールで文字をクリックすると、文字にグラデーションをかけることができます(図14)。アピアランスパネルで[塗り]の右横にある下向き矢印をクリックしてスウォッチパネルを表示させ、そこからグラデーションのスウォッチを選択してもOKです。
図14以上、Illustratorで文字にグラデーションをかける方法でした。
●構成:編集部、専門学校講師のイラレさん ●制作:専門学校講師のイラレさん ●編集:山口優
■使用する機能「選択ツール」「アウトラインを作成」「グラデーションツール」「複合パス」「アピアランス」
目次1.文字を図形化してからグラデーションをかける
Illustratorで文字を選択して、その[塗り]にグラデーションをかけようと思っても適用することができません(図1)。
手順は、選択ツールで文字を選び(図2)、書式メニュー→“アウトラインを作成”を実行したあと、必要に応じてオブジェクトメニュー→“グループ解除”を適用します(図3)。




2.文字列にグラデーションをかける
アウトライン化した文字列の場合、グラデーションが文字ごとに適用されるため、グラデーションの向きによってはバラバラの見た目になることがあります(図6)。
まず、選択ツールで文字をすべて選択したら(図7)、オブジェクトメニュー→“複合パス”→“作成”を実行します(図8)。

shiftキーを押しながら選択ツールですべての文字をクリックして文字全体を選択する(選択ツールで文字全体を囲むようにドラッグしてもOK)


3.あとから文字修正ができる文字のグラデーション設定(アピアランス機能を利用)
「アピアランス」は、ひとつのオブジェクトに対して複数の[塗り]や[線]を設定できる機能です。図形(シェイプ)だけでなく文字にも利用できます。この機能を使ってグラデーションをかけると、あとからでも簡単にテキストを修正することが可能です。アピアランスを設定するには、アピアランスパネルを使用します。パネルが見当たらない場合は、ウィンドウメニュー→“アピアランス”を選んで表示させましょう(図10)。


これによって、アピアランスパネルに[塗り]が追加されます(図13)。



●構成:編集部、専門学校講師のイラレさん ●制作:専門学校講師のイラレさん ●編集:山口優
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