レトロなコラージュ風のグラフィック

Photoshopで写真を加工して、レトロなコラージュ風のグラフィックを作る方法を解説します。レトロ感を引き出すポイントも学べます。
*本連載はPhotoshopで作る定番グラフィックの制作工程を、一から手順通りに解説するHow to記事です。

■使用する機能「レイヤーマスク」「ブラシツール」「白黒」「カラーオーバーレイ」「ドロップシャドウ」「ハーフトーンパターン」「描画モード」「レイヤーの不透明度」「ノイズを加える」

目次

1.英字新聞と人物写真をコラージュする

 グラフィックのベースとなるコラージュ風のビジュアルを作成する。まずは新規ファイルを［幅：1200ピクセル］、［高さ：1400ピクセル］、［解像度：350ピクセル/インチ］で作成したら、英字新聞の写真素材を用意して配置する（図1）。

図1。コラージュに使う英字新聞の素材続いて人物写真を用意し、その前面に配置する（図2）。

図2。コラージュに使う人物写真の素材レイヤーパネルで人物のレイヤーを選択したら、パネル下部の［レイヤーマスクを追加］ボタンをクリック。レイヤーマスクが追加されるのでレイヤーマスクサムネールが選択された状態になっていることを確認する（図3）。

図3。この時点のレイヤーの状態。［レイヤーマスクを追加］ボタンをクリックして人物のレイヤーにレイヤーマスクを追加する。レイヤーマスクサムネールが選択された状態（図のように周囲に白い線が表示されている状態）になっていることを確認し、なっていない場合はクリックして選択しておく次にブラシツールを選んだら、オプションバーのブラシプリセットピッカーで［ハード円ブラシ］、［直径：17px］程度に設定（図4）。［描画色］を黒にしたあと、メガネのレンズ部分にブラシを加えてマスクしていく（図5）（図6）。

図4。ブラシプリセットピッカーで［ハード円ブラシ］、［直径：17px］程度に設定。ブラシサイズは適宜調節する 図5。ブラシを加えたところがマスクされ、背面の英字新聞が見えるようになる 図6同様にブラシサイズを適宜調節しながら、服や髪の毛などにもブラシを加えてマスクし、背面の英字新聞が見えるようにする（図7）（図8）。

図7 図8

2. ビジュアルを白黒に変換する

コラージュ風のビジュアルを白黒に変換する。まずレイヤーパネルで人物のレイヤーサムネールをクリックして選択したら（図9）、イメージメニュー→“色調補正”→“白黒...”を選び、人物写真のコントラストが高くなるようスライダーを調節して適用する（図10）（図11）。

図9。この時点のレイヤーの状態。人物のレイヤーサムネールをクリックして選択された状態にしておく 図10。ここでは［レッド系：ー130％］、［イエロー系：ー16％］に変更したが画像によっても最適値が異なるのでプレビューを参考にしながら調節してみてほしい 図11続いてレイヤーパネルで英字新聞のレイヤーを選択し、同様にイメージメニュー→“色調補正”→“白黒...”でスライダーを調節してコントラストの高い白黒画像に変換する（図12）（図13）。

図12。ここでは［レッド系：ー97％］、［イエロー系：197％］に変更したが画像によっても最適値が異なるのでプレビューを参考にしながら調節してみてほしい 図13

3.色味を加えて褪色したレトロな雰囲気を出す

人物や英字新聞をレトロな色味にしていく。レイヤーパネルで人物のレイヤーを選択したら、レイヤーメニュー→“レイヤースタイル”→“カラーオーバーレイ...”を［描画モード：乗算］、［オーバーレイのカラー］を薄いベージュ（ここでは［R：227、G：208、B：185］）、［不透明度：100％］に設定する（図14）。

図14。レイヤースタイルの［カラーオーバーレイ］を［描画モード：乗算］、［オーバーレイのカラー］を薄いベージュ（ここでは［R：227、G：208、B：185］）、［不透明度：100％］に設定する続いてレイヤースタイルの［ドロップシャドウ］を［描画モード：通常］、［シャドウのカラー：黒］、［不透明度：50％］、［角度：90°］、［距離：20px］、［スプレッド：0％］、［サイズ：0px］、［輪郭：線形］、［ノイズ：0％］で適用する（図15）（図16）。

図15。レイヤースタイルの［ドロップシャドウ］を［描画モード：通常］、［シャドウのカラー：黒］、［不透明度：50％］、［角度：90°］、［距離：20px］、［スプレッド：0％］、［サイズ：0px］、［輪郭：線形］、［ノイズ：0％］に設定する 図16次に、レイヤーパネルで英字新聞のレイヤーを選択したら、レイヤーメニュー→“レイヤースタイル”→“カラーオーバーレイ...”を［描画モード：乗算］、［オーバーレイのカラー］を薄いピンク（ここでは［R：241、G：181、B：181］）、［不透明度：100％］で適用する（図17）（図18）。

図17。レイヤースタイルの［カラーオーバーレイ］を［描画モード：乗算］、［オーバーレイのカラー］を薄いピンク（ここでは［R：241、G：181、B：181］）、［不透明度：100％］に設定する 図18

4.写真をレトロな網点印刷風に加工する

写真を網点印刷風に加工していく。まず、レイヤーパネルで人物のレイヤーと英字新聞のレイヤーを両方とも選択し、レイヤーメニュー→“レイヤーを結合”を実行してひとつにまとめておく。続いて結合したレイヤーを複製したら、［描画色］を黒、［背景色］を白に設定。レイヤーパネルで複製した方のレイヤーを選択して、フィルターメニュー→“フィルターギャラリー...”の［スケッチ］から［ハーフトーンパターン］を選択し、［サイズ：1］、［コントラスト：8］、［パターンタイプ：点］で実行する（図19）（図20）。

図19。［スケッチ］の［ハーフトーンパターン］を選択し、［サイズ：1］、［コントラスト：8］、［パターンタイプ：点］に設定する 図20次に、レイヤーパネルで複製した方のレイヤーを［描画モード：乗算］、［不透明度：60％］程度に変更する（図21）（図22）。

図21。この時点のレイヤーの状態（ここでは、人物のレイヤーと英字新聞のレイヤーを結合した際にレイヤー名を分かりやすいよう「人物＋英字新聞（結合）」と変更している）。複製した方のレイヤーを［描画モード：乗算］、［不透明度：60％］程度に変更する （図22の一部を拡大した図）網点が加えられたことがわかる 図22続いて複製した方のレイヤーが選択された状態のまま、フィルターメニュー→“ノイズ”→“ノイズを加える...”を［量：10％］、［分布方法：ガウス分布］、［グレースケールノイズ］をオンにして適用する（図23）（図24）。

図23。［量：10％］、［分布方法：ガウス分布］、［グレースケールノイズ］をオンに設定する （図24の一部を拡大した図）網点加工＋ノイズで、よりレトロな風合いにすることができる 図24ここでは、さらに文字要素などを加えて完成とした（図25）。

図25。完成画像以上、Photoshopでレトロなコラージュ風のグラフィックを作る方法でした。