Photoshopでインクがにじんで文字が潰れたような表現方法を紹介します。 工程も少なく簡単で、にじみ具合を調整すればさまざまな応用も効くので覚えておくと便利な手法です。
*本連載はPhotoshopで作る定番グラフィックの制作工程を、一から手順通りに解説するHow to記事です。
図1。元となるテキストを用意する。ここでは表現したいイメージに合わせて細めの標準的な明朝体(ヒラギノ明朝 ProN W3)を選び、フォントサイズを35ptに設定している文字を入力したら、横書き文字ツールで字間をクリックして挿入ポイント(カーソル)を置き(図2)、optionキー(Macの場合。WindowsではAltキー)を押しながら左矢印キーや右矢印キーを押して文字の間隔を調整する(図3)(図4)。
図2。文字と文字の間を横書き文字ツールでクリックして挿入ポイントを置く
図3。optionキーを押しながら左矢印キーを押すと字間が詰まり、option+右矢印キーだと字間が広がる
図4。文字の間隔を調整した状態続いてレイヤーパネルで文字のレイヤーを選択したあと、レイヤーメニュー→“ラスタライズ”→“テキスト”を選び、テキストレイヤーを通常の画像(ビットマップ画像)のレイヤーに変換する(図5)。
図5。この時点のレイヤーの状態。
図6。[半径:5pixel]に設定する。フォントサイズなどによって最適値は変わってくるので、プレビューを確認しながらちょうどいいぼけ具合に調整してみてほしい
図7続いてフィルターメニュー→“ノイズ”→“明るさの中間値...”を[半径:10pixel]で適用して、インクがにじんだ感じを出す(図8)(図9)。
図8。[半径:10pixel]に設定する。フォントサイズなどによって最適値は変わってくるので、プレビューを確認しながらちょうどいいにじみ具合に調整してみてほしい
図9
図10。[量:500%]、[半径:40pixel]、[しきい値:0レベル]に設定する
図11続いて、フィルターメニュー→“ノイズ”→“ノイズを加える...”を[量:25%]、[分布方法:均等に分布]、[グレースケールノイズ]をオンにして適用する(図12)(図13)。
図12。[量:25%]、[分布方法:均等に分布]に設定し、[グレースケールノイズ]をオンにする
図13ここでは、さらに文字要素などを加えて完成とした(図14)。
図14。完成ビジュアル以上、Photoshopでインクがにじんで潰れた文字を作る方法でした。
*本連載はPhotoshopで作る定番グラフィックの制作工程を、一から手順通りに解説するHow to記事です。
■使用する機能「横書き文字ツール」「ぼかし(ガウス)」「明るさの中間値」「アンシャープマスク」「ノイズを加える」
目次1.元となるテキストを用意して字間を調整する
まずは新規ファイルを[幅:1200ピクセル]、[高さ:800ピクセル]、[解像度:350ピクセル/インチ]で作成したら、横書き文字ツールで元になる文字(ここでは「消えゆく記憶」)を入力して文字パネルでフォントやフォントサイズを設定する(図1)。今回は手書き風の表現にしたいので、フォントは文字の画線に抑揚のある細めの明朝体(ヒラギノ明朝 ProN W3)を選択した。




テキストレイヤーをラスタライズしておく
2. インクのにじみを表現するため文字をぼかす
文字を加工していく。文字のレイヤーが選択された状態のまま、フィルターメニュー→“ぼかし”→“ぼかし(ガウス)...”を[半径:5pixel]で適用する(図6)(図7)。



3.インクの濃さやアナログ的な質感を調整する
インクで書いた感じを強めていく。文字のレイヤーが選択された状態のまま、フィルターメニュー→“シャープ”→“アンシャープマスク...”を[量:500%]、[半径:40pixel]、[しきい値:0レベル]で適用する(図10)(図11)。




Photoshopで作ったインクがにじんで潰れた文字の表現

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