Appleが6月に開催した開発者向けイベント「WWDC23」では、2023年の「Apple Design Awards」の受賞者も発表された。毎年恒例の表彰企画で、アプリやゲームのデザインが対象。
卓越したイノベーション、アイデア、技術面での功績が讃えられている。

今年度はファイナリスト36組から計12作品を選出。6つのカテゴリーで、1つずつのアプリとゲームが表彰された。いずれの受賞作品にも、デザインのアイデアにつながるようなヒントが含まれていて参考になる。

目次

多様な背景・能力・言語の人々を支援している「インクルージョン」カテゴリー

「Universe — Website Builder」
開発:Universe Exploration Company(米国)

「Dynamic Type」や「VoiceOver」などの機能も実装されているWebサイトビルダー。目的に合ったオンライン店舗やアーティストのサイト、コミュニティグループ向けのページ、個人のホームページなど、さまざまなサイトやストアを構築できるアプリ。複雑さを抑えて誰でも手軽にWebサイトを作れるように設計されている。

2023年の「Apple Design Awards」に見るアプリやゲームのデザインのトレンド
「Universe — Website Builder」「stitch.」
開発:Lykke Studios(タイ)

数字が書かれたグリッドに刺しゅうをしていくカジュアルなパズルゲーム。隙間なくエリアを埋めて、刺しゅうの枠を完成させるとステージクリアとなる。バックグラウンドの音楽も印象的。複数の言語に対応し、色覚異常や視覚障害のある人、動きに対する過敏症がある人に向けたアクセシビリティオプションもあり、誰もが気軽に楽しめる。

2023年の「Apple Design Awards」に見るアプリやゲームのデザインのトレンド
「stitch.」

印象に残りやすく満足度の高い体験が提供されている「喜びと楽しさ」カテゴリー

「Duolingo」
開発:Duolingo, Inc.(米国)

英語(英単語)、韓国語、中国語などをはじめ40以上の言語に対応した語学アプリ。公開から10年以上が経っている定番で、ゲームのように楽しみながら学習できる。消滅の危機にある言語や先住民族の言語、架空の言語などの新たなコースもあり。
連続記録、レベル、ポイント、アイテムなど、モチベーションを保つ仕組みが多い。

2023年の「Apple Design Awards」に見るアプリやゲームのデザインのトレンド
「Duolingo」「Afterplace」
開発:Evan Kice(米国)

昔ながらのピクセルアートの冒険ゲーム。現代的な仕掛けも取り入れたインディーズのRPG。“今”っぽいスタイルと懐かしさ、さりげないユーモアと探検が、ほどよいバランスでミックスされている。画面上のボタンではなく、スワイプやタップで操作。片手で直感的に動かしやすく、予想外の仕掛けや隠された宝物を発見して遊べる。

2023年の「Apple Design Awards」に見るアプリやゲームのデザインのトレンド
「Afterplace」

プラットフォームに最適な調整でな操作が簡単な「インタラクション」カテゴリー

「Flighty」
開発:Flighty LLC(米国)

詳しい飛行経路、空港案内、フライトの遅延予測などの情報を把握できるツール。直感的なインターフェイスや、リアルタイムで表示される広範囲の地図によって、スムーズな旅をサポートする。デザインが美しく、Siriショートカット、Appleマップ、ライブアクティビティなど、Appleのテクノロジーが巧みに組み込まれているアプリ。

2023年の「Apple Design Awards」に見るアプリやゲームのデザインのトレンド
「Flighty」「Railbound」
開発:Afterburn(ポーランド)

「電車+レール+パズル」がテーマの“線路曲げ”のパズルゲーム。説明やポイントやメニュー操作などを大胆に省略。シンプルなインタラクションが実現されている。旅の主人公は2匹の犬。
やり直しや間違いの修正が容易で、のどかな雰囲気のアニメーションとカラフルな映像も魅力となっている。収録されているパズルの数は200個以上。

2023年の「Apple Design Awards」に見るアプリやゲームのデザインのトレンド
「Railbound」

生活を向上させるべく重要な問題に光を当てた「ソーシャルインパクト」カテゴリー

「Headspace」
開発:Headspace(米国)

マインドフルネスを毎日の習慣にするために役立つアプリ。必要最小限のユーザーインターフェイスや魅力的なビデオコンテンツ、特徴的なイラストレーションで構成されている。Apple Watchとの連携にも対応。コンテンツは、ガイド付きの長時間のものから、リフレッシュに便利な5分間のものまで幅広い。

2023年の「Apple Design Awards」に見るアプリやゲームのデザインのトレンド
「Headspace」「Endling」
開発:HandyGames(ドイツ)

3Dでの横スクロール形式のゲーム。プレイヤーは「地球上の最後の母キツネ」となって人類が荒廃させた世界を体験できる。ゲームの操作は至ってシンプル。子どもを守り、餌を与えて生き残りと成長を手助けすることが大きな鍵となる。操作にばかり気を取られず、しっかりとゲームのプレイに集中できるストーリーが高評価。

2023年の「Apple Design Awards」に見るアプリやゲームのデザインのトレンド
「Endling」

独創的なイメージや高品質アニメが魅力の「ビジュアルとグラフィック」カテゴリー

「Any Distance」
開発:Any Distance Inc.(米国)

デザイン重視のワークアウトトラッカー。共有可能な“変化するグラフィック”が高く評価されている。ソーシャルコミュニティへの参加を働きかけたりするなど、ユーザーが楽しみながらアクティビティに飛び込める設計。
車椅子でのエクササイズや、ベビーカーを押しながらのウォーキングなども含め、90以上のアクティビティがサポートされている。

2023年の「Apple Design Awards」に見るアプリやゲームのデザインのトレンド
「Any Distance」「BIOHAZARD VILLAGE」
CAPCOM Co., Ltd.(日本)

カプコンのホラーアドベンチャーゲーム。ナンバリングシリーズの第8作目にあたり、「バイオハザード7 レジデント イービル」の悪夢から数年後が舞台となっている。Appleシリコン搭載機に対応しており、ProMotion、Metal 3、拡張ダイナミックレンジのパワーにより、細部まで美しい映像・グラフィック表現が再現される。

2023年の「Apple Design Awards」に見るアプリやゲームのデザインのトレンド
「BIOHAZARD VILLAGE」

Appleのテクノロジーを斬新な方法で活用した「イノベーション」カテゴリー

「SwingVision: A.I. Tennis App」
開発:SwingVision Inc.(米国)

人工知能とNeural Engineを駆使したテニス向けアプリ。ショットの速度や深さや精度を自動分析し、指導を行うテニスのコーチの役割を果たしてくれる。高度なビデオトラッキング機能で、フォームを明確に評価。カメラだけでなく、Apple Watchとの連携を通じてもデータを取得できる。

2023年の「Apple Design Awards」に見るアプリやゲームのデザインのトレンド
「SwingVision: A.I. Tennis App」「MARVEL SNAP」
開発:Second Dinner(中国)

人気ヒーローやヴィランたちを集め、自分だけのオリジナルの「マーベルチーム」で戦えるトレーディングカードゲーム。「マーベル・ユニバース」の歴代シリーズに登場した50以上のロケーションでカードバトルができる。1ゲームは3分間で非常にスピーディ。報酬を倍増できる独特な“賭け”の要素「SNAP」も魅力の1つとなっている。


2023年の「Apple Design Awards」に見るアプリやゲームのデザインのトレンド
「MARVEL SNAP」Apple
URL:https://www.apple.com/jp/

2023/06/16

2023年の「Apple Design Awards」に見るアプリやゲームのデザインのトレンド
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