Photoshopで動きを感じるロゴを作る方法を解説します。斜線にちょっとしたデザイン処理をくわえて、動的・アニメーション風に見せる表現方法です。

*本連載はPhotoshopで作る定番グラフィックの制作工程を、一から手順通りに解説するHow to記事です。

■使用する機能「長方形ツール」「横書き文字ツール」「移動ツール」「切り抜きツール」「カラーオーバーレイ」「なげなわツール」「明るさの中間値」「グラデーションオーバーレイ」

目次

1.元となるパーツと文字を用意する

まずは新規ファイルを[幅:1200ピクセル]、[高さ:900ピクセル]、[解像度:350ピクセル/インチ]で作成したら、長方形ツールを選択(2021年3月リリースのPhotoshop 22.3以降の場合。それより前のバージョンでは角丸長方形ツールを選択)。オプションバーで[ツールモード:ピクセル]、[角の丸みの半径:100px]に設定したあと(図1)、新規レイヤーを作成しカンバス上をドラッグして角丸長方形を描く(図2)

動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図1。オプションバーで[ツールモード:ピクセル]、[角の丸みの半径:100px]に設定する
動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図2続いて新規レイヤーを前面に作成したら、shiftキーを押しながらドラッグして角丸長方形の幅と同じくらいの直径の正円を描いて位置を調整する(図3)。レイヤーパネルでこれらのレイヤーを選択したあと、レイヤーメニュー→“レイヤーを結合”を実行し、レイヤーをひとつにまとめて非表示にしておく(図4)(図5)

動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図3
動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図4
動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図5。この時点のレイヤーの状態。正円と角丸長方形のレイヤーを結合して1枚にまとめたら非表示にしておく。なお、ここではわかりやすいよう結合したレイヤーの名前を「結合」と変更しておいた次に、横書き文字ツールで元になる文字(ここでは「A」)を入力し、文字パネルでフォントやフォントサイズなどを設定(図6)。レイヤーパネルで文字のレイヤーを選択して、レイヤーメニュー→“ラスタライズ”→“テキスト”を適用しておく(図7)

動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図6
動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図7。
この時点のレイヤーの状態。文字のレイヤーをラスタライズしておく

2. 文字に合わせてパーツを配置する

パーツを文字にあしらって動きを表現していく。先ほど作ったパーツのレイヤーを表示してレイヤーパネル上で最前面に移動する(図8)

動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図8移動ツールを選び、オプションバーで[バウンディングボックスを表示]をオンにしたら(図9)、マウスポインターをバウンディングボックスの四隅にあるコーナーハンドルに近づける。ポインターがカーブした両方向の矢印に変わるので、その状態でドラッグして動きをつけたい向きに傾ける(図10)

動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図9。オプションバーの[バウンディングボックスを表示]をオンにしておく
動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図10。マウスポインターがカーブした両方向の矢印に変わった状態でドラッグすると傾きを調節することができる続いてバウンディングボックスのコーナーハンドルをドラッグしてパーツの大きさを調整したあと、動きをつけたい部分に合わせて配置する(図11)

動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図11レイヤーパネルでこのパーツのレイヤーを複製し、向きや位置を変えながらランダムに配置して動きを表現していく(図12)(図13)(図14)

動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図12
動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図13
動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図14

3.パーツを文字にあしらってロゴのベースを作る

ロゴのベースを作っていく。まずパーツのレイヤーをいずれかひとつ複製して、複製した方を非表示にしておく。続いて非表示にした以外のパーツのレイヤーをすべて選択してレイヤーメニュー→“レイヤーを結合”を実行する(図15)

動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図15。この時点のレイヤーの状態。
パーツのレイヤーをひとつ複製して非表示にし、それ以外のレイヤーを結合してひとつにまとめておく。ここでは分かりやすいよう、複製したレイヤーの名前を「動きのパーツ複製」、結合したレイヤーを「動きのパーツ」に変更しておいたこの結合したパーツのレイヤーを選択した状態のまま、切り抜きツールでカンバスからはみ出した部分を削除しておく(図16)

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図16。切り抜きツールでカンバスからはみ出した部分を削除しておくレイヤーパネルで結合したパーツのレイヤーのレイヤーサムネールをcommandキー(Macの場合。WindowsではCtrlキー)を押しながらクリックして選択範囲を作成(図17)。続いてレイヤーパネルでパーツのレイヤーを非表示にしたら、文字のレイヤーを選択してdeleteキーで選択部分を削除する(図18)。パーツの形に文字がくり抜かれたのを確認したら、選択を解除しておく。

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図17。パーツの輪郭に選択範囲が作成される
動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図18

4.文字の動きを強調してロゴを仕上げる

動きのあるロゴを仕上げていく。先ほど複製して非表示にしておいたパーツのレイヤーを表示させたら(図19)、レイヤーメニュー→“レイヤースタイル”→“カラーオーバーレイ...”を選び、[描画モード:通常]、[不透明度:100%]に設定し、[オーバーレイのカラー]を文字と同じ色にして適用する(図20)(図21)

動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図19
動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図20。レイヤースタイルの[カラーオーバーレイ]を、[描画モード:通常]、[不透明度:100%]、[オーバーレイのカラー]を文字と同じ色に設定する
動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図21続いてパーツの位置を調整したあと(図22)、パーツを複製しながら文字の外側にはみ出すようランダムに配置していく(図23)(図24)


動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図22
動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図23
動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図24バランスよく配置できたら、レイヤーパネルでこれらのパーツのレイヤーをすべて選択してレイヤーメニュー→“レイヤーを結合”を実行。文字にあしらった柄と重なってしまった部分などは、なげなわツールで囲み、deleteキーで削除して調整しておく(図25)(図26)

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図25
動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図26レイヤーパネルで背景レイヤー以外をすべて選択してレイヤーメニュー→“レイヤーを結合”を実行したら(図27)、フィルターメニュー→“ノイズ”→“明るさの中間値...”を[半径:5pixel]で適用(図28)(図29)

動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図27
動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図28。[半径:5pixel]に設定する
動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図29ロゴのレイヤーを選択して、レイヤーメニュー→“レイヤースタイル”→“グラデーションオーバーレイ...”を選び、[描画モード:通常]、[不透明度:100%]、[グラデーション:緑_26]、[逆方向]、[スタイル:線形]、[角度:45°]に設定して適用する(図30)(図31)

動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図30。レイヤースタイルの[グラデーションオーバーレイ]を、[描画モード:通常]、[不透明度:100%]、[スタイル:線形]、[角度:45°]に設定。[逆方向]にチェックを入れ、[グラデーション]のプルダウンメニューから[グリーン]を開き、[緑_26]を選ぶ
動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図31ここでは、さらに文字要素などを配置して完成とした(図32)

動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
図32。完成ビジュアル以上、Photoshopで動きを感じるロゴを作る方法(斜線にちょっとしたデザイン処理をくわえて、動的・アニメーション風に見せる表現方法)でした。

動きを感じるロゴを作る(斜線をデザイン処理してアニメーション風に見せる表現方法)
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