IPバンク株式会社は7月4日、独自に開発したアートを作成するAI「侘び」「利休」を用いて、新しいアート作品をNFT市場に投入すると発表した。日本の古風な情緒やものの哀れ感を最重視したアート作成人工知能であることを特徴としている。


それぞれのAIの特徴についてだが、「侘び」は原画の哀れ感を壊さず侘び寂び感を損ねず簡素の中に見いだされる清澄・閑寂な趣を重視し色替えするAIとされている。「利休」は原画をより繊細に精密に、より原画の余韻を生かし閑寂さのなかに、奥深いものや豊かなものがおのずと感じられる美しさを重視した超高画質作品にするAIである。

IPバンクが新たに開発した表現形式として、「侘び」では原画の哀れ感を壊さずに色替えを行い、「利休」では原画をより繊細に、より精密に再構成する。こういった違いにより、既存の生成AIによる「より立体化、より鮮明化、よりリアル化、よりドラスティック化」とは異なる方向性を出すとしている。

日本の古典・近代絵画・版画・美人画等がNFTで登場、IPバンクがAI「侘び」「利休」を活用しNFT市場にオリジナル絵画を提供開始
竹久夢二 原画
日本の古典・近代絵画・版画・美人画等がNFTで登場、IPバンクがAI「侘び」「利休」を活用しNFT市場にオリジナル絵画を提供開始
侘びによる色替え
日本の古典・近代絵画・版画・美人画等がNFTで登場、IPバンクがAI「侘び」「利休」を活用しNFT市場にオリジナル絵画を提供開始
竹久夢二 原画
日本の古典・近代絵画・版画・美人画等がNFTで登場、IPバンクがAI「侘び」「利休」を活用しNFT市場にオリジナル絵画を提供開始
侘びによる色替え「侘び」「利休」を用いて生み出される作品は、1967年以前の著作権が満了した日本の古典、近代絵画、版画を基にしている。作成された作品はIPバンクが保有し、公式ウェブサイト内のギャラリーで展示、販売する。そして、購入者には作品の全てのIPが譲渡される。

日本の古典・近代絵画・版画・美人画等がNFTで登場、IPバンクがAI「侘び」「利休」を活用しNFT市場にオリジナル絵画を提供開始
歌川国貞原画とAI(利休による高画質加工)NFT(Non-Fungible Token)は非代替可能トークンのことで、ブロックチェーン技術を利用してデジタルアセットの所有権を証明する仕組み。ブロックチェーンに所有権や移転履歴が記録され、偽造や二重取引を防ぐというものだ。

 NFT市場については下落気味であり、新規プロジェクトの多くが完売できなくなり、Web3の世界から去る人々も増えているとしつつも、本アート作品により問題を解決できるとしている。現在のNFTの問題点として、ブロックチェーンのシステムが不正なNFTの作成や二重登録を阻止できないこと、またIP(知的財産権)本人の出品かコピーの出品かを特定できないことを挙げている。そこで独自AIを用いた新規アート作品を投入することで、IP(知的財産権)が保護され、そのIPを正式に買い手側に移譲し、IPの保護と譲渡を全て知的財産権法のもとに成立させるビジネスモデルを提供する。


 IPバンク株式会社
URL:https://ip-bank.co.jp/

2023/07/04

日本の古典・近代絵画・版画・美人画等がNFTで登場、IPバンクがAI「侘び」「利休」を活用しNFT市場にオリジナル絵画を提供開始
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