1281092697, Artur Debat, GettyImages高品質なストックフォト画像の提供で知られるGetty Images社が「生成AIに関する消費者調査」の結果を公表しました。本調査は、世界的な市場調査会社であるMarketCast社との提携にもとづき、26カ国・7,500人以上を対象として実施されています。
この調査で「生成AI」にまつわる消費者心理が浮き彫りとなりました。ここでは、その調査結果とともに消費者心理を考察したいと思います。

【目次】

多くの人たちが「フェイク画像」に不安

「生成AI」はとても便利なテクノロジーですが、一方でフェイクニュースが増加するのではないかとの懸念もあります。実際に最近の日本国内でも、実在のニュース番組のロゴを使いながら、あたかも実在の人物が話しているかのようなフェイク動画が拡散されて大きな問題となっています。

今回の調査では、約6割の消費者が「生成AI」による画像について「本物の画像と、操作や加工が施された画像との違いを簡単に見分けることができない」と回答しました。急成長したとはいえ現在はまだ「生成AI」は発展の途中の段階で、たとえば人間の腕が3本になっているなど、簡単にAIで作ったものだなと見分けられる画像も多いです。しかし、ますます技術が確立され、上手に使いこなすユーザーが増えるほど、この「約6割」という数字はさらに高まるでしょう。

約6割の消費者が “画像の透明性” に不安! ゲッティの調査から考える「生成AIに求められること」
1693804276,piranka,GettyImagesまた今回の調査で「画像が加工されているかどうかを気にする」との意見も約68%にのぼりました。同時に「加工または変更された画像は、そのように識別されるべきである」の意見が約87%、「画像が加工されている場合、どのように加工されているのか具体的に示してほしい」の意見が約84%と、非常に高い数値となっています。多くの消費者が「画像の透明性」を求めていることが示された結果です。

生成AI画像に対するVisualGPSの調査結果(抜粋)「加工または変更された画像は、そのように識別されるべきである」87%「画像が加工されている場合、どのように加工されているのか具体的に示してほしい」84%「画像が本物かどうか見分けがつかないところまで来ている」76%「画像が加工されているかどうかを気にする」68%「コンピューターで作成された画像か、現実世界で撮影された画像かが気になる」63%「本物の画像と、操作や加工が施された画像との違いを簡単に見分けることができない」60%

AI技術については全体的にポジティブ

とはいえ、消費者は短絡的に「生成AIは悪」と認識しているわけでもないようです。上記のような「画像の透明性」に関する不安はあるものの、「AI技術は生産性の向上を約束してくれる」と期待する回答も、高い数値となりました。この回答は、グローバルの調査で82%、日本の調査で66%と国内外でやや開きがありますが、日本でも「やや慎重でありながらもAIの技術に対してポジティブ」な受け取り方をしているととらえて良いのではないでしょうか。

この「AI技術の活用による生産性の向上への期待」については、Getty Images社の発表では「特に若い頃からテクノロジーに触れているZ世代は、AI技術に関して楽観的でポジティブ」とも触れられています。
近年では、若い世代は「タイパ(タイムパフォーマンス:時間対効果)」を重視しがちであると分析されていることも多く、作業の時間を大幅に短縮できるAIの技術は、特に志向にマッチしやすいものであるのかもしれません。

生成AIを活用したブランドマーケティングのヒント

今回の同社の発表では、調査結果の公表とともに「最新のテクノロジーに関してビジュアル化する際のヒントになり得る方法」も紹介されました。これが、クリエイターにとっては非常に興味深い内容となっています。

まず、VisualGPS社の調査によると、AIはたとえば建築物や風景のように「生物ではない被写体」の描写に優れており、それらは「AI生成コンテンツに適した被写体」と言えるようです。また、AIツールは単にマーケティングへの応用にとどまらず、「文字で伝えるのが難しい複雑な概念・抽象的な概念のビジュアル化」や「完全に架空のものの表現」にも役立つとされています。

これらを踏まえてさらに「『AI』をビジュアル化する」という内容と、「カラー・パレット・シフト」というものが紹介されました。AIそのものをビジュアルとして表現する際には、「これらのツールが最終的には人間のコントロール下にあり、社会がその目的や用途を決定する主体性を持つという考えを伝えることが不可欠」とされています。あえて比喩的な表現で「人間やアナログな道具」を登場させることで、人間の主体性を象徴することも有効であると提案されています。

約6割の消費者が “画像の透明性” に不安! ゲッティの調査から考える「生成AIに求められること」
1464027795,MTStock Studio,GettyImages より抜粋
約6割の消費者が “画像の透明性” に不安! ゲッティの調査から考える「生成AIに求められること」
1353094151,staticnak1983,GettyImages より抜粋

2023年に見られた色のトレンドの変化

もう1つの「カラー・パレット・シフト」については、2023年にテクノロジーに関連したビジュアルの色味に大きな変化が起きていることが指摘されました。従来はミステリアスな暗い色調が採用されていることが多かったのですが、現在は「明るい第三のカラーパレット」へのシフトが一般的なトレンドとなっているそうです。

これについて、具体的には、マゼンタ、ティール、ライム、バイオレット、イエローオレンジなどの色が挙げられていました。もちろん、最終的にどのような画像を採用するかはユーザーの裁量に委ねられますが、多くのユーザーが好みやすい傾向の1つとしてとらえておくと、「テクノロジー」を表現した好まれやすい制作物をつくる指針にもなるでしょう。

約6割の消費者が “画像の透明性” に不安! ゲッティの調査から考える「生成AIに求められること」
1517483286,Andriy Onufriyenko,GettyImages
約6割の消費者が “画像の透明性” に不安! ゲッティの調査から考える「生成AIに求められること」
1487053786,Klaus Vedfel,GettyImages* * * * * * * * * *

今回公表された調査結果では、消費者が「生成AI」による画像に対して「透明性」という点では大きな不安を抱きながらも、AI技術そのものについてはポジティブなとらえ方をしているのが印象的でした。
AIに対する「無条件での嫌悪感・抵抗」は、かなり払拭されてきたと考えられそうです。

実際に、インターネットを眺めていると、現在では既に「生成AI」を活用しているユーザーは爆発的に増加している印象です。趣味の分野でも仕事でも「生成AI」による画像は「もはや“特別”なものではない」という感もあります。このあまりにも速すぎる“流れ”に遅れをとることなく、それでも「悪用はしない」という各自のモラルの醸成、ルール作りが何より重要と言えるでしょう。

ゲッティイメージズ ジャパン株式会社
URL:https://www.gettyimages.co.jp/

2023/11/09

約6割の消費者が “画像の透明性” に不安! ゲッティの調査から考える「生成AIに求められること」
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