YouTubeが最近、広告ブロッカーを使用する視聴者に対する新しいポリシーを導入しましたが、これにより多くのユーザーが広告ブロッカーを削除することになりました。しかし、ブロッカー開発者たちの中には諦めていない人もいるようで、YouTubeが広告ブロッカーの使用を禁止したあとにも、新たな広告ブロックのプラグインが登場するなど話題は尽きません。
今回はYouTubeの広告ポリシーの変更と、それに対するブロッカー開発者の反応をちょこっと紹介します。

広告ブロッカーの削除とインストールの増加

これまでWebブラウザのプラグインを使用し、YouTubeで動画を再生した際に表示される広告は広告ブロッカーで非表示にすることが可能でした。それが今回のYouTubeの新ポリシーにより、YouTubeは広告ブロッカーを使用することを明確に禁止としました。その結果、広告ブロックを行うことはできなくなり、Ghosteryなどのブロッカー開発企業は製品の削除率とインストール率が大幅に増加したと報告しています。

ブロッカーがアンインストールされている理由については、YouTubeポリシーが変更されブロッカーが使用できなくなったこととされています。AdGuard社は、毎日平均6000人のユーザーがソフトウェアを削除していると述べており、10月のある日には、削除数が52,000件に達したといいます。ブロッカーに関する苦情も増え、その半数がYouTube関連であったとのことです。

しかし、新規インストール数も同時に増加しており、特に10月18日と27日には1日あたり60,000件に達しました。インストールが増加している明確な理由は不明ですが、これまで利用していたブロッカーが使えなくなり、多くのユーザーが有効な代替ブロッカーを探し求めているのではないかち考えられます。

AdLock拡張機能の開発者は、10月のインストールと削除の数が前月比で30%増加したことを明らかにしています。一方、AdBlock、AdBlock Plus、uBlockを手がけるEyeo社は、YouTubeページ全体や個別の動画、作者に対して広告を許可する柔軟なブロッカー設定を提供しました。今後はYouTubeの新ポリシーに対応した形式のブロッカーが登場してくるかもしれません。

YouTubeの広告収益とブロッカーの影響

YouTubeの広告収益は今年の初めから9ヶ月間で220億ドルに達し、昨年同期比で5%増加しました。
これはGoogleの総収益の10%に相当し、動画制作者は通常、長編動画の広告売上の55%、短編動画の45%を受け取るとされています。YouTubeプレミアムのサブスクリプション販売からも約27億ドルが得られていると推定されています。

現在、YouTubeの新ポリシーはChromeブラウザを使用してYouTubeを視聴するデスクトップやノートPCユーザーに影響を与えています。ブロッカー開発者はYouTubeの制限を回避するために活発に取り組んでおり、AdLock社はYouTubeに認識されない新バージョンのWindows製品をリリースしたと報告しています。

YouTubeの新しいポリシーは、広告ブロッカー業界に大きな影響を与えています。ユーザーと開発者は、新しい挑戦に直面しており、ブロッカーの使用と開発はより複雑な形を取り始めているといえるでしょう。デザイナーやクリエイターなどのYouTubeのヘビーユーザーやYouTubeクリエイターに関連した仕事をしている人からすると、今回のYouTubeポリシーの変更は大きな影響があります。今後のYouTubeでは広告ブロッカーが一掃されるのか、あるいは新たな形式の広告ブロッカーが登場するのか注視していく必要がありそうです。

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2023/11/14

[最新動向]YouTubeポリシー変更が引き起こす広告ブロッカー戦争のゆくえ
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