今回はPhotoshopで、太さに抑揚のある線のパターンでグラフィックを表現するテクニックを解説します。ラインハーフトーンやリニアハーフトーン、線形ハーフトーンなどとも呼ばれます。
*本連載はPhotoshopで作る定番グラフィックの制作工程を、一から手順通りに解説するHow to記事です。
Photoshopでラインハーフトーン風グラフィックを表現:
まずは新規ファイルを[幅:1200ピクセル]、[高さ:1400ピクセル]、[解像度:350ピクセル/インチ]で作成したら、新規レイヤーを作成して[描画色]を白にし、塗りつぶしツールでカンバス上をクリックして白で塗りつぶす(図1)。
図1次に、[描画色]を黒、[背景色]を白に設定したら、フィルターメニュー→“フィルターギャラリー...”を選び、[スケッチ]の[ハーフトーンパターン]を[サイズ:7]、[コントラスト:50]、[パターンタイプ:線]で適用(図2)(図3)。
図2。[スケッチ]の[ハーフトーンパターン]を[サイズ:7]、[コントラスト:50]、[パターンタイプ:線]に設定する
図3続いて、マジック消しゴムツールを選択してオプションバーで[隣接]と[全レイヤーを対象]のチェックを外し(図4)、横縞の白い部分をクリックして消去する(図5)。
図4。オプションバーの[隣接]と[全レイヤーを対象]のチェックを外しておく
図5。横縞の白い部分をクリックして消去する。背景が白いため、見た目の変化はない
(背景レイヤーを非表示にした状態)Photoshopでラインハーフトーン風グラフィックを表現:
写真を加工していく。まず、元となる写真素材を用意して配置したら(図6)、レイヤーパネル上で元写真のレイヤーをドラッグしてハーフトーンパターンのレイヤーの背面に移動させる(図7)(図8)。
図6
図7
図8。この時点のレイヤーの状態。元写真のレイヤーはハーフトーンパターンのレイヤーの背面に配置しておく次に、レイヤーパネルでハーフトーンパターンのレイヤーをいったん非表示にしたあと(図9)、元写真のレイヤーを選択して、レイヤーメニュー→“新規調整レイヤー”→“白黒...”を選ぶ。
図9。作業しやすいよう、ハーフトーンパターンは一時的に非表示にしておく
図10。デフォルト([下のレイヤーを使用してクリッピングマスクを作成]がオフ、[描画モード:通常]、[不透明度:100%]の状態)のままでOK
図11続いてプロパティパネルで各色のスライダーを動かして、白黒のバランスを調整する。ここでは肌の明暗が際立つよう、[レッド系:135]、[イエロー系:ー55]に調整し、他はデフォルトのまま適用した(図12)(図13)。
図12。ここでは、プロパティパネルで[レッド系:135]、[イエロー系:ー55]に変更し、他はデフォルトの数値のままにしておいた
図13次に、レイヤーメニュー→“新規調整レイヤー”→“レベル補正...”を選び、「新規レイヤー」ダイアログをデフォルトのまま実行(図14)。
図14。デフォルト([下のレイヤーを使用してクリッピングマスクを作成]がオフ、[描画モード:通常]、[不透明度:100%]の状態)のままでOKプロパティパネルでヒストグラムの下の三角形(スライダー)を動かして、写真のコントラストを強める。ここでは黒いスライダーを動かして[シャドウ:60]に、白いスライダーを動かして[ハイライト:230]に調整した(図15)(図16)。
図15。ここでは、プロパティパネルで[シャドウ:60]、[ハイライト:230]に設定し、[中間調]はデフォルトの数値のままにしておいた
図16さらに、レイヤーメニュー→“新規調整レイヤー”→“トーンカーブ...”を選び、「新規レイヤー」ダイアログをデフォルトのままで実行(図17)。
図17。デフォルト([下のレイヤーを使用してクリッピングマスクを作成]がオフ、[描画モード:通常]、[不透明度:100%]の状態)のままでOKプロパティパネルでトーンカーブの対角線の左下にある小さな四角をドラッグして移動し、暗い部分が明るくなるよう調整する。ここでは全体にグレーっぽく見えるよう[入力:123]、[出力:145]に調節した(図18)(図19)。
図18。プロパティパネルでトーンカーブの左下の四角を図の赤丸あたりまでドラッグし、[入力:123]、[出力:145]に調整した
図19続いてトーンカーブの対角線の右上にある小さな四角形をドラッグして[入力]と[出力]を調整する。ここでは[入力:188]、[出力:248]に調節してコントラストを強めた(図20)(図21)。
図20。プロパティパネルでトーンカーブの右上の四角をドラッグして[入力:188]、[出力:248]に調整した
図21Photoshopでラインハーフトーン風グラフィックを表現:
グラフィックを仕上げていく。まず、レイヤーパネルでハーフトーンパターンのレイヤーを選択して表示させたら(図22)、レイヤーメニュー→“スマートオブジェクト”→“スマートオブジェクトに変換”を実行(図23)。
図22
図23。この時点のレイヤーの状態。ハーフトーンパターンのレイヤーをスマートオブジェクトに変換しておくフィルターメニュー→“ぼかし”→“ぼかし(ガウス)...”を[半径:4pixel]程度で適用する(図24)(図25)。
図24。[半径:4pixel]程度に設定する
図25次に、ハーフトーンパターンのレイヤーが選択された状態のまま、レイヤーメニュー→“新規調整レイヤー”→“2階調化...”を選び、「新規レイヤー」ダイアログをデフォルトのままで実行(図26)。
図26。デフォルト([下のレイヤーを使用してクリッピングマスクを作成]がオフ、[描画モード:通常]、[不透明度:100%]の状態)のままでOK続いてプロパティパネルでしきい値のスライダーを動かしてちょうどいい見え具合に調整する。ここでは横のラインと画像の重なりを意識しながら[しきい値:119]に調節した(図27)(図28)。
図27。ここでは、プロパティパネルで[しきい値:119]に設定した
図28レイヤーパネルで元写真のレイヤーを選択したあと、フィルターメニュー→“ぼかし”→“ぼかし(ガウス)...”を[半径:10pixel]程度で適用し、画像のエッジをなめらかにする(図29)(図30)。
図29。[半径:10pixel]程度に設定する
図30ここでは、さらに文字要素などを配置して完成とした(図31)。
図31。完成ビジュアル以上、Photoshopでラインハーフトーン風グラフィックを表現するテクニックでした。
写真を手軽におしゃれなビジュアルに変換できるので、ぜひ活用してみてください。
*本連載はPhotoshopで作る定番グラフィックの制作工程を、一から手順通りに解説するHow to記事です。
■使用する機能「塗りつぶしツール」「ハーフトーンパターン」「マジック消しゴムツール」「白黒」「レベル補正」「トーンカーブ」「スマートオブジェクト」「ぼかし(ガウス)」「2階調化」
目次Photoshopでラインハーフトーン風グラフィックを表現:
1.ベースとなる線形のハーフトーンパターンを作る
まずは新規ファイルを[幅:1200ピクセル]、[高さ:1400ピクセル]、[解像度:350ピクセル/インチ]で作成したら、新規レイヤーを作成して[描画色]を白にし、塗りつぶしツールでカンバス上をクリックして白で塗りつぶす(図1)。





Photoshopでラインハーフトーン風グラフィックを表現:
2.元となる写真を白黒に変換する
写真を加工していく。まず、元となる写真素材を用意して配置したら(図6)、レイヤーパネル上で元写真のレイヤーをドラッグしてハーフトーンパターンのレイヤーの背面に移動させる(図7)(図8)。


「新規レイヤー」ダイアログが表示されるのでデフォルト([下のレイヤーを使用してクリッピングマスクを作成]がオフ、[描画モード:通常]、[不透明度:100%]の状態)のままで実行すると写真が白黒になる(図10)(図11)。













Photoshopでラインハーフトーン風グラフィックを表現:
3.写真とハーフトーンパターンを合成して仕上げる
グラフィックを仕上げていく。まず、レイヤーパネルでハーフトーンパターンのレイヤーを選択して表示させたら(図22)、レイヤーメニュー→“スマートオブジェクト”→“スマートオブジェクトに変換”を実行(図23)。










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