【目次】
付箋=ポスト・イットではない
そもそも「付箋」という言葉は、メモや目印のために一時的に貼り付ける紙のことを示します。現在では糊付き付箋の代表的な「ポスト・イット」のイメージが強いですが、あらかじめ糊が付いていなくても、小さなメモに自分で糊を付けて貼ればそれは「付箋」です。ちなみに、世間に普及している「ポスト・イット」という言葉は、スリーエム カンパニーによる商標です。一般語は糊付き付箋・糊付きメモなどで、本来「ポスト・イット」は同社の商品のみに使える言葉となっています。
キレイに剥がせる秘訣は球形の接着剤
「ポスト・イット」は、いったんどこかに貼り付けても、すぐに簡単に剥がして貼り直すことができます。一般的な糊を使った場合とは異なり、剥がすときに跡が残りづらいことも便利です。この「しっかりと貼れるのにキレイに剥がせる」という特徴は、特殊な構造の接着剤によって実現されています。「ポスト・イット」商品に使われている接着剤は小さな球形で、貼り付ける時には広がる仕組みです。
簡単に剥がせる接着剤は偶然から生まれた!
「ポスト・イット」の肝である「貼り付けやすいけれど簡単に剥がせる接着剤」は、1968年に誕生しました。米3M社の研究者のスペンサー・シルバー氏が開発しましたが、最初からそのような接着剤を作り出すことを狙っていたわけではなく、「強く剥がれにくい接着剤を開発する過程で生まれた偶然の産物」であったと言います。その5年後に、米3M社の研究者のアート・フライ氏が、この接着剤を塗布した紙を本のしおりとして使うことを思い付きました。
日本で独自の進化も遂げた「ポスト・イット」
「ポスト・イット」はアメリカでは1980年に発売され、日本では翌年の1981年から販売がスタートしました。最初はなかなか売り上げには結び付かなかったようですが、アメリカでの先例にならってさまざまな企業にサンプルを配って実際に使ってもらうことで、徐々に日本でも「ポスト・イット」が浸透していったそうです。
糊付き付箋を代表する「ポスト・イット」には、その開発過程や仕組みにさまざまな興味深いトピックがあることが分かりました。糊付き付箋を使うときに「オフィスで披露できるネタ」としても使えそうな豆知識です。
スリーエム ジャパン株式会社
URL:https://www.3mcompany.jp/office
2024/10/11











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