上記の動画は、勢いよく動くラインに沿って書き順で現れるテキストアニメーションです。筆記体の英語や手書き文字にマッチする表現です。
【主な使用機能】 パスのトリミングトラックマットモーションパスエコー※本稿は『After Effectsモーションデザイン すぐに使える実用アイデア見本帳』の一部を再編集したものです。
目次
メインテキスト「Spring fair」[フォント:Botanica Script]
サブテキスト「Motion Design Collection」[ITC Avant Garde Gothic Pro]「Main」コンポジションに新規平面レイヤーを Ctrl〔 Macでは ⌘ 〕 + Y で作成し、カラーを黄色(#F9F578)にします。そのレイヤーの 前面にテキストレイヤーを作成し、「Spring fair」とテキスト入力 します。作例では、Adobe Fonts から提供されているフォントを 使用しています。
[1-2] テキストの模様を作る
ツールパネルから「楕円形ツール」を選択し、それぞれの 値を[塗り:#7690B0][線:なし]とし、ビュー上でテ キストに重なるようにいくつか円を描きます。このレイ ヤー名を「Text_pattern_gray」にします。 次に[塗り:#FEA891]に変更して同様にいくつか円を 描き、レイヤー名を「Text_pattern_pink」とします。新 規平面レイヤーを Ctrl〔 ⌘ 〕 + Y で作成し、カラーを紺 色(#2D3074)にします。このレイヤーを「Text_pattern_ gray」と「Text_pattern_pink」シェイプレイヤーの背面に なるようレイヤー順を変更します。
また、これら3つのレイヤーを選択した状態で Ctrl 〔 ⌘ 〕 + Shift + C でプリコンポー ズし、コンポジション名を「Text_pattern」とします。
[1-3] テキストの模様に「トラックマット」設定する
「Text_pattern」コンポジションレイヤーの「ト ラックマット」にメインのテキストレイヤー 「Spring fair」を設定します。
『After Effectsモーションデザイン すぐに使える実用アイデア見本帳』
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ツールパネルから「ペンツール」を選択し、それぞれの値を[塗り:なし][線のカラー:#D2197B(見やすい任意の色)][線幅:5px]とし、画像のようにビュー上で軌道のラインを描きます。一筆書きになるように1 本のパスで表現しましょう。シェイプレイヤー名は「Pen_point_stroke」とします。
[コンテンツ>楕円形 3>楕円形パス 1>サイズ:7,7]
[コンテンツ>楕円形 3>塗り 1>カラー:#7690B0]
[コンテンツ>楕円形 3>トランスフォーム:楕円形パス 3>位置:-20,10]
[コンテンツ>楕円形 2>楕円形パス 1>サイズ:15,15]
[コンテンツ>楕円形 2>塗り 1>カラー:#2D3074]
[コンテンツ>楕円形 2>トランスフォーム:楕円形パス 2>位置:7,7]
[コンテンツ>楕円形 1>楕円形パス 1>サイズ:20,20]
[コンテンツ>楕円形 1>塗り 1>カラー:#FEA891]
[コンテンツ>楕円形 1>トランスフォーム:楕円形パス 1>位置:0,0]
MEMOこの時、他のレイヤーを非表示にしながら作業を行うとスムーズです。
[エコー時間(秒):-0.001]
[エコーの数:250]
[エコー演算子:後ろに合成]
MEMO「エコー」とは、アニメーションに残像を作るエフェクトです。
[2-4]ヌルオブジェクトを作成する
メニューバー“レイヤー”→“新規”→“ヌルオブジェクト”を選択します。ヌルオブジェクトのレイヤー名を「Pen_point_null」とします。「Pen_point」シェイプレイヤーの「親とリンク」に「Pen_point_null」ヌルオブジェクトレイヤーを設定します。
[2-5]モーションパスを作成する
[2−1]で作成した「Pen_point_stroke」シェイプレイヤーの[コンテンツ MEMO>シェイプ 1>パス1>パス]の値を「Pen_point_null」ヌルオブジェクトの[位置]の値にコピー&ペーストします。すると、パスの情報を使い自動的にモーションパスが生成されます。モーションパスができたら「Pen_point_stroke」シェイプレイヤーは非表示にしておきましょう。
MEMO「モーションパス」とは、ビュー上に表示されるパスで軌道をコントロールできる機能です。
[2-6]モーションパスに緩急をつける
[2-5]で「Pen_point_null」ヌルオブジェクトの[位置]に自動生成されたモーションパスは、デフォルトの[00:00 ~02:00]で一定の速度に設定されています。そこで、「グラフエディター」の「速度グラフ」を表示し、動きに緩急をつけていきます。軌道が大きく放物線を描いているいくつかのポイントで、アニメーションカーブを下方向へ下げて速度を落とします。全体の尺も[~02:00]から[~04:15]まで延ばしていきます。試しに再生を繰り返しながら地道に調整していきましょう。
MEMOグラフエディターは、本書のP.262で解説しています。
[2-7]「エコー」にアニメーションをつける
[2−6]でつけた動きの緩急に合わせて、[2−3]でつけた「Pen_point」シェイプレイヤーの「エコー」のプロパティ[ エコーの数]に、アニメーションをつけます。[エコーの数:1 ~250]の間でキーフレームを追加し、残像効果が伸び縮みするように調整しましょう。
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ツールパネルから「ペンツール」を選択し、[塗り:なし][線:#FFC4F0(見やすい任意の色)][線幅:5px]に設定します。「Text_Spring_fair」コンポジションレイヤーを下絵にして、ビュー上で書き順の通りパスを描きます。作例のような太さに強弱のあるフォントの場合は、この後の[3-2]で線幅の調整がしやすいように、ストローク毎にシェイプグループを分けておくのがおすすめです。タイムラインパネルに生成されたシェイプレイヤーはレイヤー名を「Text_matte」に変更します。
MEMOストロークを1本描いたら、タイムラインパネルのシェイプレイヤーを一度クリックします。再びビュー上に戻り「ペンツール」で描き始めると自動的に新しいシェイプグループとしてパスが生成されます。
[3-2]テキストに沿ってパスを描く(トラックマット用)
「Text_matte」シェイプレイヤーの線のプロパティを、それぞれのテキストの太さや形状に合わせて変更します。また、[シェイプ1>線1>線端:丸型]にすることで、出現時の形状が自然な印象になります。同様に他のシェイプグループに対しても調整しましょう。
[3-3]「パスのトリミング」にアニメーションをつける
「Text_matte」シェイプレイヤーの[コンテンツ>シェイプ1]を選択した状態で、追加 から“パスのトリミング”を選択します。同様に他のシェイプグループにも「パスのトリミング」を追加します。
[3-4]「トラックマット」を設定する
「Text_Spring_fair」コンポジションレイヤーの「トラックマット(アルファマット)」を「Text_matte」シェイプレイヤーに設定します。これで書き順で現れるテキストストロークのできあがりです。
MEMO[2−1]でモーションパス用に作成した「Pen_point_stroke」シェイプレイヤーを、そのままトラックマットに利用する方法もありますが、今回は線幅やタイミング調整のしやすさから、「Text_matte」シェイプレイヤーを別で用意することをおすすめしています。
【WHAT’S MORE】
はねる水滴を加える
作例では、動きのアクセントにはねる水滴を加えています。このように軌道の形状や緩急に合わせて演出をすると、さらに動きが際立って見えます。ぜひ、様々なアレンジに挑戦してみてください。
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「After Effectsモーションデザイン すぐに使える実用アイデア見本帳」
この / サプライズ栄作 / ナカドウガ / ヌル1/ minmooba 共著
●本書について「モーションデザイン(モーショングラフィックス)」という分野が成熟するに連れ、「映像制作」と「デザイン」との垣根が無くなってきました。映像クリエイターがグラフィックを手掛けたり、Webデザイナー/グラフィックデザイナーがモーションを制作するなど、表現の幅が広がっています。本書はこうした需要に応えるため、After Effectsの中でも「モーションデザイン」に特化した一冊としています。『After Effectsモーションデザイン すぐに使える実用アイデア見本帳』
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本稿は本書のP.007~P.008にある[環境設定][プロジェクト構成][コンポジション設定]を前提に解説を進めています。記事を読んで作例を再現いただく際は、こちらの設定環境を参考にしてください。
【主な使用機能】 パスのトリミングトラックマットモーションパスエコー※本稿は『After Effectsモーションデザイン すぐに使える実用アイデア見本帳』の一部を再編集したものです。
目次
Step1 テキストを用意する
[1-1] ベースとなるテキストを作るメインテキスト「Spring fair」[フォント:Botanica Script]
サブテキスト「Motion Design Collection」[ITC Avant Garde Gothic Pro]「Main」コンポジションに新規平面レイヤーを Ctrl〔 Macでは ⌘ 〕 + Y で作成し、カラーを黄色(#F9F578)にします。そのレイヤーの 前面にテキストレイヤーを作成し、「Spring fair」とテキスト入力 します。作例では、Adobe Fonts から提供されているフォントを 使用しています。
[1-2] テキストの模様を作る

ツールパネルから「楕円形ツール」を選択し、それぞれの 値を[塗り:#7690B0][線:なし]とし、ビュー上でテ キストに重なるようにいくつか円を描きます。このレイ ヤー名を「Text_pattern_gray」にします。 次に[塗り:#FEA891]に変更して同様にいくつか円を 描き、レイヤー名を「Text_pattern_pink」とします。新 規平面レイヤーを Ctrl〔 ⌘ 〕 + Y で作成し、カラーを紺 色(#2D3074)にします。このレイヤーを「Text_pattern_ gray」と「Text_pattern_pink」シェイプレイヤーの背面に なるようレイヤー順を変更します。
また、これら3つのレイヤーを選択した状態で Ctrl 〔 ⌘ 〕 + Shift + C でプリコンポー ズし、コンポジション名を「Text_pattern」とします。

[1-3] テキストの模様に「トラックマット」設定する

「Text_pattern」コンポジションレイヤーの「ト ラックマット」にメインのテキストレイヤー 「Spring fair」を設定します。
「Text_pattern」コ ンポジションレイヤーと「Spring fair」テキスト レイヤーを選択した状態で Ctrl〔 ⌘ 〕 + Shift + C でプリコンポーズします。コンポジション名を 「Text_Spring_fair」とします。

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Step2 ペン先の軌道アニメーションを作る
[2-1] シェイプレイヤーのパスで軌道を描く

[2-2]円型のペン先をシェイプレイヤーで作る
ツールパネルから「楕円形ツール」を選択して[線:なし]でビュー上に円を3つ描きます。シェイプレイヤー名は「Pen_point」とします。タイムラインパネルから「Pen_point」シェイプレイヤーのプロパティを開き、それぞれ次のように値を変更します。[コンテンツ>楕円形 3>楕円形パス 1>サイズ:7,7]
[コンテンツ>楕円形 3>塗り 1>カラー:#7690B0]
[コンテンツ>楕円形 3>トランスフォーム:楕円形パス 3>位置:-20,10]
[コンテンツ>楕円形 2>楕円形パス 1>サイズ:15,15]
[コンテンツ>楕円形 2>塗り 1>カラー:#2D3074]
[コンテンツ>楕円形 2>トランスフォーム:楕円形パス 2>位置:7,7]
[コンテンツ>楕円形 1>楕円形パス 1>サイズ:20,20]
[コンテンツ>楕円形 1>塗り 1>カラー:#FEA891]
[コンテンツ>楕円形 1>トランスフォーム:楕円形パス 1>位置:0,0]


[2-3]「エコー」を適用する
「Pen_point」シェイプレイヤーを選択した状態で、メニューバー“ エフェクト” → “ 時間” → “ エコー” を適用します。また、プロパティの値は次のように変更します。[エコー時間(秒):-0.001]
[エコーの数:250]
[エコー演算子:後ろに合成]

[2-4]ヌルオブジェクトを作成する

メニューバー“レイヤー”→“新規”→“ヌルオブジェクト”を選択します。ヌルオブジェクトのレイヤー名を「Pen_point_null」とします。「Pen_point」シェイプレイヤーの「親とリンク」に「Pen_point_null」ヌルオブジェクトレイヤーを設定します。
[2-5]モーションパスを作成する


MEMO「モーションパス」とは、ビュー上に表示されるパスで軌道をコントロールできる機能です。
[2-6]モーションパスに緩急をつける

MEMOグラフエディターは、本書のP.262で解説しています。
[2-7]「エコー」にアニメーションをつける

ここでも試しに再生を繰り返しながら、心地の良い動きを地道に探っていきましょう。
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Step3 テキストが書き順で出現するアニメーションを作る
[3-1]テキストに沿ってパスを描く(トラックマット用)

[3-2]テキストに沿ってパスを描く(トラックマット用)

[3-3]「パスのトリミング」にアニメーションをつける


各シェイプグループの「パスのトリミング」の[終了点]にキーフレームを追加します。試しに再生しながら、[2−6]でつけた「Pen_point_null」ヌルオブジェクトの動きに合わせて[終了点:0%]と[終了点:100%]でキーフレームを追加し、線が現れるアニメーションをつけます(下記の画像参照)。


「Text_Spring_fair」コンポジションレイヤーの「トラックマット(アルファマット)」を「Text_matte」シェイプレイヤーに設定します。これで書き順で現れるテキストストロークのできあがりです。

【WHAT’S MORE】
はねる水滴を加える
作例では、動きのアクセントにはねる水滴を加えています。このように軌道の形状や緩急に合わせて演出をすると、さらに動きが際立って見えます。ぜひ、様々なアレンジに挑戦してみてください。

「After Effectsモーションデザイン すぐに使える実用アイデア見本帳」
この / サプライズ栄作 / ナカドウガ / ヌル1/ minmooba 共著

●本書について「モーションデザイン(モーショングラフィックス)」という分野が成熟するに連れ、「映像制作」と「デザイン」との垣根が無くなってきました。映像クリエイターがグラフィックを手掛けたり、Webデザイナー/グラフィックデザイナーがモーションを制作するなど、表現の幅が広がっています。本書はこうした需要に応えるため、After Effectsの中でも「モーションデザイン」に特化した一冊としています。『After Effectsモーションデザイン すぐに使える実用アイデア見本帳』
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