上記の動画は、テキストレイヤーのアニメーターを使い、ランダムに点滅しながら登場するアニメーションです。その作成方法を紹介します。
本稿は本書のP.007~P.008にある[環境設定][プロジェクト構成][コンポジション設定]を前提に解説を進めています。記事を読んで作例を再現いただく際は、こちらの設定環境を参考にしてください。

【主な使用機能】テキストレイヤー※本稿は『After Effectsモーションデザイン すぐに使える実用アイデア見本帳』の一部を再編集したものです。

目次

[1]テキストレイヤーを作成する

ツールパネルから「横書き文字ツール」をダブルクリックしてテキストレイヤーを作成し、文字を入力します。 作例ではテキストを「Update」と入力しています。

点滅しながら現れる!ランダムフリッカーテキストの画像はこちら >>
[フォント:Futura PT]
[フォントスタイル:Bold]
[フォントサイズ:215px]
[塗りのカラー:#F7F7F7]
[線のカラー:なし]
点滅しながら現れる!ランダムフリッカーテキスト

[2]テキストをランダムに出現させる

テキストレイヤーを展開し、右側のアニメーターから“ 不透明度 ”を追加します。

点滅しながら現れる!ランダムフリッカーテキスト
追加された「アニメーター」を展開して[不透明度:0%]に変更します(この設定により、一時的に文字が非表示状態になります)。

点滅しながら現れる!ランダムフリッカーテキスト
続いて、「範囲セレクター1」の[開始]にキーフレームを設定し、文字が出現する アニメーションを作成します。範囲セレクターを動かしたことにより、文字が徐々に現れるようになりました。さらに設定を変更して動きを追加していきます。

点滅しながら現れる!ランダムフリッカーテキスト
範囲セレクター内の「高度」を展開し、[なめらかさ:0%]に変更します。この設定により、不透明度が0%か100%かの極端な数値で表示されるようになります。文字が現れるタイミングにランダム 性を与えるため、[順序をランダム化:オン]に変更します。

点滅しながら現れる!ランダムフリッカーテキスト
文字をランダムに点滅させるために[ランダムシード]にキーフレームを設定して動かします。


点滅しながら現れる!ランダムフリッカーテキスト

 

[3]線のみのテキストを作成

テキストレイヤーを選択して、メニューバー“編集”→”複製”を選択するか、Ctrl〔Mac では ⌘ 〕+Dでテキストレイヤーを複製します。複製したテキストレイヤーを選択し、文字パネルから[塗 りと線を入れ替え]をクリックして[線のカラー]の状態に切り替えます。

点滅しながら現れる!ランダムフリッカーテキスト
[1]で作成したテキストレイヤー「塗り」のテキストとの違いを出すために、[ランダムシード]に設定された値を調整して完成です。

点滅しながら現れる!ランダムフリッカーテキスト
【WHAT’S MORE】
サンプルデータのバリエーション
サンプルデータでは、今回紹介したテキストアニメーションの他に、シェイプレイヤーとエフェクトを使用したアニメーションや、描画モードの「差」を利用した色反転などのサンプルムービーを作成しています。例えば、線の円形が拡大するアニメーションでは、エフェクトでイメージを変化させてバリエーションを作成しています。

その他、画面全体を覆ったシェイプレイヤーの[不透明度]を使い点滅させたり、線幅の異なる斜線を複数 用意して配置しています。また、それらのレイヤーの[描画モード]を[差]に変更して合成することで、レイヤーが重なった箇所の明度を反転する効果を加えています。白と黒が交互に入れ替わり点滅することで、インパクトのある演出を簡単に作ることができます。サンプルデータを是非ご確認ください。

点滅しながら現れる!ランダムフリッカーテキスト
[描画モード]を[差]に変更した斜線シェイプ
点滅しながら現れる!ランダムフリッカーテキスト
ベースとなるアニメーション
点滅しながら現れる!ランダムフリッカーテキスト
合成結果: シェイプが重なった箇所が反転する効果が得られる
点滅しながら現れる!ランダムフリッカーテキスト
ベースとなる円形シェイプ
点滅しながら現れる!ランダムフリッカーテキスト
エフェクト「CC Ball Action」を使用してドットパターンに変更
点滅しながら現れる!ランダムフリッカーテキスト
エフェクト「ブラインド」を使用してバリエーション作成* * * * * * * * * *

After Effectsモーションデザイン すぐに使える実用アイデア見本帳
 この / サプライズ栄作 / ナカドウガ / ヌル1/ minmooba 共著

点滅しながら現れる!ランダムフリッカーテキスト


●本書について「モーションデザイン(モーショングラフィックス)」という分野が成熟するに連れ、「映像制作」と「デザイン」との垣根が無くなってきました。映像クリエイターがグラフィックを手掛けたり、Webデザイナー/グラフィックデザイナーがモーションを制作するなど、表現の幅が広がっています。本書はこうした需要に応えるため、After Effectsの中でも「モーションデザイン」に特化した一冊としています。
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