「百段百景 ~あこがれの竜宮城~」冬の寒さが感じられるようになり、クリスマスなどの大型イベントや年末年始も間近に迫ってきました。「冬休みにはアート体験を堪能したい!」と訪れる場所を探している方も多いのではないでしょうか。
【目次】【1】<Event Area>京都府・京都市
オープンフォーマット部門アジア地域優勝者「心の糸」松村和彦(日本)京都新聞社「世界報道写真展2024京都」は、World Press Photo Contest(世界報道写真コンテスト)の約30人の入賞者の作品を紹介する展覧会です。同コンテストはオランダのアムステルダムに本部のあるWorld Press Photo Foundation(世界報道写真財団)が開催し、今年度は130の国および地域の4,000人ほどから約6万の写真とプロジェクトの応募がありました。コンテストが開始されたのは1955年で、今回で67回目の開催です。
入賞者の作品を展示する「World Press Photo」は日本でも「世界報道写真展」の名前で親しまれ、長年にわたって実施されてきましたが、2021年を最後に開催されていませんでした。しかし、世界の「今」に触れられる貴重な場として、京都新聞と世界報道写真財団が「復活」に向けて動き出し、3年ぶりの開催が実現されています。会場は1975年から約40年にわたり新聞を制作して国内外のニュースを発信してきた印刷工場の跡地で、世界の報道写真を展示するのにふさわしい場です。
2024年の世界報道写真コンテストでは、World Press Photo of the Year(今年の写真)に「めいの遺体を抱きしめるパレスチナ人女性」が選ばれました。その写真は、ガザのパレスチナ人フォトジャーナリストであるモハメド・サレム氏によって撮影されています。
フォト・オブ・ザ・イヤー
「めいの遺体を抱きしめるパレスチナ人女性」
モハメド・サレム(パレスチナ)ロイター期間2024年11月30日(土)~12月29日(日)開催場所京都新聞ビル B1F 印刷工場跡
京都府京都市中京区烏丸通夷川上ルURLhttp://event.kyoto-np.co.jp/event/1727767600.0826.html【2】<Event Area>神奈川県・横浜市
©NORITAKE KINASHI/木梨アート大サーカス団「木梨アート大サーカス展」は、とんねるずの木梨憲武氏のアートを体験できる展覧会です。木梨氏はタレント/歌手/俳優として活躍する一方で、アトリエを持つ画家としても活動しています。1994年に「木梨憲太郎」の名義で初めての個展「太陽ニコニカ展」を開催し、「木梨アート大サーカス展」を含めて日本国内では9度の個展を開催してきました。2015年にはニューヨーク、2018年にはロンドンでも個展を成功させています。
今回の展覧会は、既存のアート作品と関連した8つのエリアで構成されます。エリアの内訳は「ノリさんのアトリエ」「みんなで “REACH OUT”」「“Flower” のかおり」「うごめく “フェアリーズ”」「木梨アートレチック」「OUCHIルーム」「木梨憲武肖像」「みーんなノリさん」です。
いくつか具体的に内容を紹介すると、「ノリさんのアトリエ」では、木梨氏の作品が生まれるアトリエに入り込んで彼の頭の中を覗き見るような体験ができます。「木梨アートレチック」はアートとアスレチックを掛け合わせたエリアで、ワイワイと体を動かしながらアートを感じることが可能です。
本展では、さまざまなアプローチでアートを体感しながら、木梨憲武氏という人物の姿に迫ります。最終的にその自由なマインドと「同化」できる展示体験が繰り広げられ、それが示されているのが「みーんなノリさん」エリアです。
展示構成期間2024年12月4日(水)~2025年1月13日(月・祝)開催場所YOKOHAMA COAST
神奈川県横浜市西区高島2-14-9 アソビル 2FURLhttps://kinashiart-circus.jp/【3】<Event Area>東京都・目黒区
天井に吉祥の絵柄が施された「静水の間」ホテル雅叙園東京の館内にある東京都指定有形文化財「百段階段」では、冬の特別企画「百段百景 ~あこがれの竜宮城~」が開催されます。「百段階段」は年に5~6回の企画展の開催時に公開されており、ホテル内に1935年の完成当時のまま残っている唯一の木造建築です。今回の展覧会は、その「百段階段」の建築としての魅力を存分に堪能できる内容が繰り広げられます。
この建物は建設当時には披露宴も行われる料亭の宴会場として使用されていたため、良縁/富貴/健康などの吉祥の意味が込められたデザインが多く見られます。欄間や天井画などの日本画に彩られた美術ファンにはたまらない空間を楽しむことができ、長押や框・床柱などの建築としての魅力もたっぷりと盛り込まれているため、技術的にもデザイン的にもさまざまな楽しみ方ができる貴重な機会です。
ホテル雅叙園東京の前身である目黒雅叙園は「昭和の竜宮城」とも呼ばれ、当時の芸術家たちにとっての夢のような憧れの存在でもありました。本イベントでは、そんな芸術家たちの想いやエピソードも公開されます。
自由見学でもさらに理解を深められるように、7つの会場内には解説パネルも設置されました。会場の特徴やエピソード、手掛けた芸術家などが紹介されています。ガイドツアー付きの鑑賞とはまた少し風情が異なり、自由見学は「自身のペースで鑑賞や写真撮影をじっくり楽しみたい人におすすめ」とされています。
展示イメージ期間2024年12月7日(土)~2025年1月12日(日)開催場所ホテル雅叙園東京 東京都指定有形文化財「百段階段」
東京都目黒区下目黒1-8-1URLhttps://www.hotelgajoen-tokyo.com/100event/tour2024【4】<Event Area>大阪府・大阪市
©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会TVアニメ「【推しの子】」の放送を記念して全国各地を巡回している大規模な展覧会が、冬休み期間中には心斎橋PARCOのPARCO GALLERYで開催されます。2.5次元舞台編の「東京ブレイド」で登場するキャラクター衣装や刀・剣が再現展示され、映像コンテンツやフォトスポットや作中の追体験ができるコンテンツなども楽しめる内容です。
音声ガイド付きチケットを購入すると、「アクア」「有馬かな」「黒川あかね」が展示を紹介するボイスを聞きながら展覧会を楽しめます。この音声ガイドは展覧会でしか聞くことができず、TVアニメ「【推しの子】」の世界観を堪能できるものです。当日会場受付で、全2種類(Aパターン:アクア+黒川あかね/Bパターン:アクア+有馬かな)のうち1つを選ぶことができます。具体的な内容は会場に入ってからのお楽しみで、スマホを持参のうえ受付で指定QRコードを読み込めばOKです。
展覧会の開催を記念して、新規描き下ろしイラストと描き起こしイラストを使用したオリジナルグッズも販売されます。缶バッジやミニブロマイド、アクリルスタンドフィギュアなどのコレクターズアイテムはもちろん、実用的なクリアトートバッグやおしゃれな配色のバイカラーポーチなどもラインナップされました。さらに心斎橋PARCO 4Fの「丸福珈琲店」では、本展の開催を記念したコラボドリンクやフードメニューも登場予定です。
展示イメージ
期間2024年12月13日(金)~2025年1月13日(月・祝)開催場所心斎橋PARCO 14F PARCO GALLERY
大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-8-3URLhttps://art.parco.jp/【5】<Event Area>京都府・京都市
境内 和イルミコラボ「日吉屋」光彩和傘京都の平安神宮の東神苑・中神苑では「NAKED光の神苑 平安神宮」が開催されます。村松亮太郎氏が率いるクリエイティブカンパニー・NAKEDが光のアート演出を手掛けている夜間イベントです。
本イベントでは、京和傘の老舗・日吉屋など、京都の老舗伝統工芸ブランドとのコラボレーションが見どころです。應天門をくぐって境内に足を踏み入れると、日吉屋の京和傘とネイキッドのデジタルアートを融合させた光のアートが来場者を迎えます。繊細な和紙や竹骨と組み合わせられた柔らかな光が境内を照らし、京和傘の美しさを堪能できる演出です。
東神苑では、小嶋商店と小嶋庵との合作による京提灯が、松の木々を幻想的にライトアップしています。この「小嶋提灯」は職人の手で1つずつ丁寧に作られており、雅やかな光が魅力です。松は長寿の象徴でもあり、新年を迎えるにもふさわしい縁起の良い展示となっています。
また、ネイキッドが開発したアートな手提げ提灯「NAKEDディスタンス提灯」も、500円(税込)でレンタルできます。その提灯を所定の場所に置くと、泰平閣に吊るされた提灯や地面に映し出される紋様の色に変化が起きるインタラクティブなアートを体験することが可能です。そのほかにも、各所でライトアップやプロジェクションマッピングが展開され、趣深い景色や伝統の美しさとデジタルアートのコラボに浸ることができます。
東神苑 和イルミコラボ「小嶋商店」&「小嶋庵」冬灯提灯
泰平閣提灯インタラクティブ期間2024年12月13日(金)~2025年1月13日(月・祝)開催場所平安神宮
京都府京都市左京区岡崎西天王町97URLhttps://yoru-mo-de.naked.works/heian-jingu/【6】<Event Area>兵庫県・神戸市
3D魔女の部屋「ゴーストたちとあそぼう!ふしぎなへや」は、バンドー神戸青少年科学館(神戸市立青少年科学館)の冬の企画展です。「不思議」がテーマの展示を通じて、錯覚や錯視の楽しさを体験できます。
展示の見どころは、専用の3Dメガネを装着して “魔女の部屋” を覗く「3D魔女の部屋」、発光している偏光板の上に置かれた “ゴースト” たちを回転偏光板を通して見ると虹色に輝いて見える「レインボーゴースト」、鏡の世界に入って反射による不思議な現象を体験できる「人間万華鏡」、暗い部屋で小さなLEDライトを使って楽しむ「光でお絵描き」などです。
会期中には、さまざまな関連イベントも実施されます。その1つが「トリックアート絵本など不思議を集めたコーナー」です。「ずっと見てくるミステリーアートづくり」と「トリックアートの塗り絵」という体験が用意されており、実施内容は日によって変わります。
12月22日(日)、12月28日(土)、1月5日(日)、1月12日(日)には、好きなホログラムパーツやビーズを使って「光と水のアート ウォータースティック ペンライトづくり」を楽しめます。また、1月18日(土)と1月19日(日)には、マジシャンとともに「不思議の仕組み」を探るイベントも開催予定です。この「マジシャンが教える・不思議の仕組み」への参加は事前予約が必要とされています。
光と水のアート ウォータースティック ペンライトづくり期間2024年12月14日(土)~2025年1月26日(日)開催場所バンドー神戸青少年科学館(神戸市立青少年科学館)
兵庫県神戸市中央区港島中町7-7-6URLhttps://www.kobe-kagakukan.jp/【7】<Event Area>東京都・港区
キヤノンギャラリーSでは、西澤丞氏の写真展「超現実世界」が開催されます。西澤氏は「見えない仕事を、可視化する。」というコンセプトのもと、科学や工業やインフラなど、一般の人が立ち入ることのできない場所での撮影を続けている写真家です。西澤氏の写真は、Aperture Gallery(ニューヨーク)、バルセロナ現代美術館、東京都現代美術館などで展示され、TIME誌をはじめとするさまざまな雑誌でも取り上げられています。
本展で紹介される作品は56点です。高速道路の建設現場や核融合の研究施設、ロケットの建造現場、製鉄所、変電所など、通常は立ち入ることができない現場が撮影されています。
西澤氏の撮影の根底には「写真を通じて日本の現場を応援したい」という想いがあります。
展示される作品は、全てキヤノンの大判プリンタ「imagePROGRAF」で出力されました。会場ではキャプションはあえて付けない展示スタイルが採用されています。会期中の12月21日(土)の13:30~14:30には、定員150名のトークイベントも実施予定です(先着申込順/参加費無料)。
展示予定作品
期間2024年12月19日(木)~2025年2月4日(火)開催場所キヤノンギャラリーS
東京都港区港南2-16-6 キヤノンSタワー 1FURLhttps://personal.canon.jp/showroom/gallery【8】<Event Area>愛知県・名古屋市
「ミュシャ展~アール・ヌーヴォーの女神たち~」は、2023年に大阪会場から全国巡回が開始された人気の展覧会で、2024年の冬に待望の名古屋開催を迎えました。会場は、旧名古屋ボストン美術館として知られる金山南ビル美術館棟です。
本展では、アール・ヌーヴォーの代表的な画家・グラフィックデザイナーであるアルフォンス・ミュシャ(1860~1939年)の作品を、リアルとデジタルの両方で楽しむことができます。高精細のプロジェクターを用いたイマーシブな映像コンテンツとともに、オリジナル作品も展示する試みです。
映像空間にも、ミュシャの描いた多数の美しい女性たちが登場します。大きく2つのパートに分かれており、前半はミュシャの生涯で大きな転機となったパリ時代の華やかで躍動感のある作品に注目したパートで、後半は母国への愛や壮大なストーリー性を感じさせる作品で表現されたパートです。
オリジナル作品は、OGATAコレクション協力のもと、約150点が展示されます。ミュシャの絵画の中でも特に人気が高い作品をはじめ、商業ポスターや印刷物やカレンダー、「スタイルの美」を追求した作品、自国の誇りや尊厳を表現した作品など、幅広く紹介されることが特徴です。
本展は、ミュシャの実の孫であるヤルミラ・ミュシャ・プロツコヴァー氏にも賛同・応援を受けて開催されています。
映像空間期間2024年12月21日(土)~2025年2月2日(日)開催場所金山南ビル美術館棟(旧名古屋ボストン美術館)
愛知県名古屋市中区金山町1-1-1URLhttps://mucha-immersive.com/【9】<Event Area>東京都・豊島区
©Shinichi Fukuda/SQUARE ENIX本展は「着せ恋」の略称で親しまれている「その着せ替え人形は恋をする(そのビスクドールはこいをする)」の漫画の連載5周年を記念した展覧会です。「着せ恋」はスクウェア・エニックスの「ヤングガンガン」に掲載されている福田晋一氏の作品で、アニメ化やドラマ化などのメディアミックス展開でも多くのファンを獲得しています。
「着せ恋」は、趣味が同年代とは合わずにクラスに馴染めていない男子高校生・五条新菜と、いつも友人の輪の中心にいる美少女高校生・喜多川海夢のラブコメディです。「衣装作り」を介して親密になっていく様子が描かれており、「コスプレ」や「オタク趣味」、さらには「フェチシズム」という要素も含まれることが人気に拍車をかけています。
連載5周年記念の本展は2023年8月にも東京で開催されており、今回は全国各地を巡回した後の最終会場となる “東京凱旋” での開催です。印象的な漫画原稿やカラーイラスト、海夢のコスプレ衣装などが展示されます。
今回の展示は、過去に展覧会を訪れた人も再び楽しめる要素が散りばめられており、最新の天命編までの内容が新たに加えられました。オリジナルグッズの新作も登場予定です。物販コーナーでは、2,000円(税込)購入するごとに特典としてステッカーを受け取ることができます。ステッカーは全12種からランダムで1枚のプレゼントです(絵柄の指定は不可/数がなくなり次第で終了)。
期間2024年12月26日(木)~2025年1月13日(月・祝)開催場所サンシャインシティ 文化会館ビル 2F 展示ホールD
東京都豊島区東池袋3-1URLhttps://www.kisekoi-ten.jp/【10】<Event Area>東京都・渋谷区
伝統玩具のベーゴマを進化させた「ベイブレード」が、2024年で25周年を迎えました。それを記念して、企画展「BEYBLADE PARK」が開催されます。会場は、大日本印刷株式会社(DNP)と一般社団法人日本動画協会(AJA)が共同で運営している「東京アニメセンター in DNP PLAZA SHIBUYA」です。
「ベイブレード」は株式会社タカラトミーによって開発されており、25年の歴史の中で絶えず進化しながら何度もブームを巻き起こしてきました。本展では、第1世代の「爆転シュート ベイブレード」から、最新シリーズ「BEYBLADE X」までの歴史を振り返っています。「BEYBLADE X」は、2023年7月にスタートした第4世代で、新ギミックの「X(エクストリーム)ダッシュ」を搭載した “歴代最速” の「ベイブレード」です。
会場では、国内外の歴代の「ベイブレード」の展示をはじめ、各世代の主人公のオリジナル描き下ろしグッズや、展覧会オリジナルグッズも展開されます。海外限定ブレードがセッティングされた「マンモスタスク2-80E メタルコート:ブラック」が国内販売されることや、ブレード・ラチェット・ビットを豊富なカラーから選んで自分だけのモデルを作れる「カラーチョイスブースター ドランバスター1-60A」が販売されることにも注目です。
なお、12月28日(土)、1月5日(日)、1月25日(土)の3日間には、「BEYBLADE PARK CUP」と題した公式大会も開催されます。
©Homura Kawamoto, Hikaru Muno, Posuka Demizu, BBXProject, TV TOKYO
© 青木たかお・ベイブレードプロジェクト
©Takafumi Adachi, MFBBProject, TV Tokyo
©Hiro Morita, BBBProject, TV TOKYO
© TOMY
各世代の主人公の描き下ろしイラスト期間2024年12月27日(金)~2025年2月2日(日)開催場所東京アニメセンター in DNP PLAZA SHIBUYA
東京都渋谷区神南1-21-3 渋谷MODI 2FURLhttps://tokyoanimecenter.jp/* * * * * * * * * *
今回の記事では、冬休みの期間中に楽しめる魅力たっぷりのアート系イベントを紹介しました。各イベントにはそれぞれ独自の個性があり、寒い冬の日も心を温めてくれるような特別な体験ができるでしょう。1人でのゆったりした作品鑑賞はもちろん、家族や友人と一緒に美術館やイベント会場を訪れてみても、冬の思い出がさらに豊かなものになるはずです。この記事も参考に、ぜひ楽しい冬のアート生活をお楽しみください。
この記事では、12月~1月をメイン期間として開催されるイベントを厳選して紹介していきます。木梨憲武さんの個展や人気アニメ・漫画の企画展、デジタルとアナログを融合させた展覧会など、楽しく遊べるイベントが次々と開催予定です。
【目次】
【1】<Event Area>京都府・京都市
「世界報道写真展2024京都」
~世界の “今” を伝える報道写真展で日本では3年ぶりの開催~

入賞者の作品を展示する「World Press Photo」は日本でも「世界報道写真展」の名前で親しまれ、長年にわたって実施されてきましたが、2021年を最後に開催されていませんでした。しかし、世界の「今」に触れられる貴重な場として、京都新聞と世界報道写真財団が「復活」に向けて動き出し、3年ぶりの開催が実現されています。会場は1975年から約40年にわたり新聞を制作して国内外のニュースを発信してきた印刷工場の跡地で、世界の報道写真を展示するのにふさわしい場です。
2024年の世界報道写真コンテストでは、World Press Photo of the Year(今年の写真)に「めいの遺体を抱きしめるパレスチナ人女性」が選ばれました。その写真は、ガザのパレスチナ人フォトジャーナリストであるモハメド・サレム氏によって撮影されています。

「めいの遺体を抱きしめるパレスチナ人女性」
モハメド・サレム(パレスチナ)ロイター期間2024年11月30日(土)~12月29日(日)開催場所京都新聞ビル B1F 印刷工場跡
京都府京都市中京区烏丸通夷川上ルURLhttp://event.kyoto-np.co.jp/event/1727767600.0826.html
【2】<Event Area>神奈川県・横浜市
「木梨アート大サーカス展」
~画家としても活躍している木梨憲武氏の最新の個展~

今回の展覧会は、既存のアート作品と関連した8つのエリアで構成されます。エリアの内訳は「ノリさんのアトリエ」「みんなで “REACH OUT”」「“Flower” のかおり」「うごめく “フェアリーズ”」「木梨アートレチック」「OUCHIルーム」「木梨憲武肖像」「みーんなノリさん」です。
いくつか具体的に内容を紹介すると、「ノリさんのアトリエ」では、木梨氏の作品が生まれるアトリエに入り込んで彼の頭の中を覗き見るような体験ができます。「木梨アートレチック」はアートとアスレチックを掛け合わせたエリアで、ワイワイと体を動かしながらアートを感じることが可能です。
本展では、さまざまなアプローチでアートを体感しながら、木梨憲武氏という人物の姿に迫ります。最終的にその自由なマインドと「同化」できる展示体験が繰り広げられ、それが示されているのが「みーんなノリさん」エリアです。

神奈川県横浜市西区高島2-14-9 アソビル 2FURLhttps://kinashiart-circus.jp/
【3】<Event Area>東京都・目黒区
「百段百景 ~あこがれの竜宮城~」
~超絶技巧で埋め尽くされた文化財の魅力を堪能~

この建物は建設当時には披露宴も行われる料亭の宴会場として使用されていたため、良縁/富貴/健康などの吉祥の意味が込められたデザインが多く見られます。欄間や天井画などの日本画に彩られた美術ファンにはたまらない空間を楽しむことができ、長押や框・床柱などの建築としての魅力もたっぷりと盛り込まれているため、技術的にもデザイン的にもさまざまな楽しみ方ができる貴重な機会です。
ホテル雅叙園東京の前身である目黒雅叙園は「昭和の竜宮城」とも呼ばれ、当時の芸術家たちにとっての夢のような憧れの存在でもありました。本イベントでは、そんな芸術家たちの想いやエピソードも公開されます。
自由見学でもさらに理解を深められるように、7つの会場内には解説パネルも設置されました。会場の特徴やエピソード、手掛けた芸術家などが紹介されています。ガイドツアー付きの鑑賞とはまた少し風情が異なり、自由見学は「自身のペースで鑑賞や写真撮影をじっくり楽しみたい人におすすめ」とされています。

東京都目黒区下目黒1-8-1URLhttps://www.hotelgajoen-tokyo.com/100event/tour2024
【4】<Event Area>大阪府・大阪市
「TVアニメ【推しの子】展 輝きと影」
~大ヒット作品の世界観を堪能できる展覧会が大阪巡回~

音声ガイド付きチケットを購入すると、「アクア」「有馬かな」「黒川あかね」が展示を紹介するボイスを聞きながら展覧会を楽しめます。この音声ガイドは展覧会でしか聞くことができず、TVアニメ「【推しの子】」の世界観を堪能できるものです。当日会場受付で、全2種類(Aパターン:アクア+黒川あかね/Bパターン:アクア+有馬かな)のうち1つを選ぶことができます。具体的な内容は会場に入ってからのお楽しみで、スマホを持参のうえ受付で指定QRコードを読み込めばOKです。
展覧会の開催を記念して、新規描き下ろしイラストと描き起こしイラストを使用したオリジナルグッズも販売されます。缶バッジやミニブロマイド、アクリルスタンドフィギュアなどのコレクターズアイテムはもちろん、実用的なクリアトートバッグやおしゃれな配色のバイカラーポーチなどもラインナップされました。さらに心斎橋PARCO 4Fの「丸福珈琲店」では、本展の開催を記念したコラボドリンクやフードメニューも登場予定です。


大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-8-3URLhttps://art.parco.jp/
【5】<Event Area>京都府・京都市
「NAKED光の神苑 平安神宮」
~伝統工芸とデジタルアートの融合で幻想的な空間演出~

京都の伝統工芸とデジタルアートが融合した幻想的な空間を楽しむことができます。
本イベントでは、京和傘の老舗・日吉屋など、京都の老舗伝統工芸ブランドとのコラボレーションが見どころです。應天門をくぐって境内に足を踏み入れると、日吉屋の京和傘とネイキッドのデジタルアートを融合させた光のアートが来場者を迎えます。繊細な和紙や竹骨と組み合わせられた柔らかな光が境内を照らし、京和傘の美しさを堪能できる演出です。
東神苑では、小嶋商店と小嶋庵との合作による京提灯が、松の木々を幻想的にライトアップしています。この「小嶋提灯」は職人の手で1つずつ丁寧に作られており、雅やかな光が魅力です。松は長寿の象徴でもあり、新年を迎えるにもふさわしい縁起の良い展示となっています。
また、ネイキッドが開発したアートな手提げ提灯「NAKEDディスタンス提灯」も、500円(税込)でレンタルできます。その提灯を所定の場所に置くと、泰平閣に吊るされた提灯や地面に映し出される紋様の色に変化が起きるインタラクティブなアートを体験することが可能です。そのほかにも、各所でライトアップやプロジェクションマッピングが展開され、趣深い景色や伝統の美しさとデジタルアートのコラボに浸ることができます。


京都府京都市左京区岡崎西天王町97URLhttps://yoru-mo-de.naked.works/heian-jingu/
【6】<Event Area>兵庫県・神戸市
「ゴーストたちとあそぼう!ふしぎなへや」
~“魔女の部屋” を舞台に錯覚や錯視の楽しさを体験~

展示の見どころは、専用の3Dメガネを装着して “魔女の部屋” を覗く「3D魔女の部屋」、発光している偏光板の上に置かれた “ゴースト” たちを回転偏光板を通して見ると虹色に輝いて見える「レインボーゴースト」、鏡の世界に入って反射による不思議な現象を体験できる「人間万華鏡」、暗い部屋で小さなLEDライトを使って楽しむ「光でお絵描き」などです。
“ゴースト” と写真が撮れるフォトスポットも設置されています。
会期中には、さまざまな関連イベントも実施されます。その1つが「トリックアート絵本など不思議を集めたコーナー」です。「ずっと見てくるミステリーアートづくり」と「トリックアートの塗り絵」という体験が用意されており、実施内容は日によって変わります。
12月22日(日)、12月28日(土)、1月5日(日)、1月12日(日)には、好きなホログラムパーツやビーズを使って「光と水のアート ウォータースティック ペンライトづくり」を楽しめます。また、1月18日(土)と1月19日(日)には、マジシャンとともに「不思議の仕組み」を探るイベントも開催予定です。この「マジシャンが教える・不思議の仕組み」への参加は事前予約が必要とされています。

兵庫県神戸市中央区港島中町7-7-6URLhttps://www.kobe-kagakukan.jp/
【7】<Event Area>東京都・港区
「超現実世界」
~立入禁止の仕事現場の “現実・裏側” を撮影した写真展~

本展で紹介される作品は56点です。高速道路の建設現場や核融合の研究施設、ロケットの建造現場、製鉄所、変電所など、通常は立ち入ることができない現場が撮影されています。
西澤氏の撮影の根底には「写真を通じて日本の現場を応援したい」という想いがあります。
「立入禁止」の場所での仕事には、重要であるにも関わらず求人をしても人が集まらなかったり、関係者からの理解を得られなかったりする問題があることに気付いたのも、撮影を始める大きなきっかけになったようです。
展示される作品は、全てキヤノンの大判プリンタ「imagePROGRAF」で出力されました。会場ではキャプションはあえて付けない展示スタイルが採用されています。会期中の12月21日(土)の13:30~14:30には、定員150名のトークイベントも実施予定です(先着申込順/参加費無料)。


東京都港区港南2-16-6 キヤノンSタワー 1FURLhttps://personal.canon.jp/showroom/gallery
【8】<Event Area>愛知県・名古屋市
「ミュシャ展~アール・ヌーヴォーの女神たち~」
~リアルとデジタルのハイブリッドで作品を紹介~

本展では、アール・ヌーヴォーの代表的な画家・グラフィックデザイナーであるアルフォンス・ミュシャ(1860~1939年)の作品を、リアルとデジタルの両方で楽しむことができます。高精細のプロジェクターを用いたイマーシブな映像コンテンツとともに、オリジナル作品も展示する試みです。
映像空間にも、ミュシャの描いた多数の美しい女性たちが登場します。大きく2つのパートに分かれており、前半はミュシャの生涯で大きな転機となったパリ時代の華やかで躍動感のある作品に注目したパートで、後半は母国への愛や壮大なストーリー性を感じさせる作品で表現されたパートです。
オリジナル作品は、OGATAコレクション協力のもと、約150点が展示されます。ミュシャの絵画の中でも特に人気が高い作品をはじめ、商業ポスターや印刷物やカレンダー、「スタイルの美」を追求した作品、自国の誇りや尊厳を表現した作品など、幅広く紹介されることが特徴です。
本展は、ミュシャの実の孫であるヤルミラ・ミュシャ・プロツコヴァー氏にも賛同・応援を受けて開催されています。
アルフォンス・ミュシャの絵画を「全身で体験」できるハイブリッド展覧会です。

愛知県名古屋市中区金山町1-1-1URLhttps://mucha-immersive.com/
【9】<Event Area>東京都・豊島区
「5th Anniversary『その着せ替え人形は恋をする』展覧会」
~東京凱旋での最終会場で天命編までの内容も追加~

「着せ恋」は、趣味が同年代とは合わずにクラスに馴染めていない男子高校生・五条新菜と、いつも友人の輪の中心にいる美少女高校生・喜多川海夢のラブコメディです。「衣装作り」を介して親密になっていく様子が描かれており、「コスプレ」や「オタク趣味」、さらには「フェチシズム」という要素も含まれることが人気に拍車をかけています。
連載5周年記念の本展は2023年8月にも東京で開催されており、今回は全国各地を巡回した後の最終会場となる “東京凱旋” での開催です。印象的な漫画原稿やカラーイラスト、海夢のコスプレ衣装などが展示されます。
今回の展示は、過去に展覧会を訪れた人も再び楽しめる要素が散りばめられており、最新の天命編までの内容が新たに加えられました。オリジナルグッズの新作も登場予定です。物販コーナーでは、2,000円(税込)購入するごとに特典としてステッカーを受け取ることができます。ステッカーは全12種からランダムで1枚のプレゼントです(絵柄の指定は不可/数がなくなり次第で終了)。
期間2024年12月26日(木)~2025年1月13日(月・祝)開催場所サンシャインシティ 文化会館ビル 2F 展示ホールD
東京都豊島区東池袋3-1URLhttps://www.kisekoi-ten.jp/
【10】<Event Area>東京都・渋谷区
「BEYBLADE PARK」
~世代を超えて愛され続けるベイブレードの25周年記念展~

「ベイブレード」は株式会社タカラトミーによって開発されており、25年の歴史の中で絶えず進化しながら何度もブームを巻き起こしてきました。本展では、第1世代の「爆転シュート ベイブレード」から、最新シリーズ「BEYBLADE X」までの歴史を振り返っています。「BEYBLADE X」は、2023年7月にスタートした第4世代で、新ギミックの「X(エクストリーム)ダッシュ」を搭載した “歴代最速” の「ベイブレード」です。
会場では、国内外の歴代の「ベイブレード」の展示をはじめ、各世代の主人公のオリジナル描き下ろしグッズや、展覧会オリジナルグッズも展開されます。海外限定ブレードがセッティングされた「マンモスタスク2-80E メタルコート:ブラック」が国内販売されることや、ブレード・ラチェット・ビットを豊富なカラーから選んで自分だけのモデルを作れる「カラーチョイスブースター ドランバスター1-60A」が販売されることにも注目です。
なお、12月28日(土)、1月5日(日)、1月25日(土)の3日間には、「BEYBLADE PARK CUP」と題した公式大会も開催されます。
©Homura Kawamoto, Hikaru Muno, Posuka Demizu, BBXProject, TV TOKYO
© 青木たかお・ベイブレードプロジェクト
©Takafumi Adachi, MFBBProject, TV Tokyo
©Hiro Morita, BBBProject, TV TOKYO
© TOMY

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今回の記事では、冬休みの期間中に楽しめる魅力たっぷりのアート系イベントを紹介しました。各イベントにはそれぞれ独自の個性があり、寒い冬の日も心を温めてくれるような特別な体験ができるでしょう。1人でのゆったりした作品鑑賞はもちろん、家族や友人と一緒に美術館やイベント会場を訪れてみても、冬の思い出がさらに豊かなものになるはずです。この記事も参考に、ぜひ楽しい冬のアート生活をお楽しみください。

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