2024年12月4日(水)から12月26日(木)まで、株式会社竹尾の見本帖本店にて「竹尾ポスターコレクション・ベストセレクション13 構成的ポスターの転換──コンストラクション・デストラクション」が開催されます。竹尾と多摩美術大学の共催による入場無料の展覧会です。


【目次】

「竹尾ポスターコレクション」とは?

ヨーロッパを中心にアメリカ、ロシア、日本などの主に20世紀のポスターを広く収集していたニューヨークのラインホールド=ブラウン・ギャラリー・ポスターコレクションを、竹尾が創業100周年記念事業の一環として1997年に購入したのが「竹尾ポスターコレクション」です。多摩美術大学に寄託され、同大学のグラフィックデザイン学科と竹尾は1998年から共同でコレクション研究に取り組んでいます。

コレクションの一部は、定期的に「竹尾ポスターコレクション・ベストセレクション」展として一般公開されています。竹尾 見本帖本店のほか、多摩美術大学アートテークが会場となったり、各地で特別展が開催されたりすることもあり、今回の展覧会は2019年6月に多摩美術大学アートテークで開催された展示を厳選・再構成した内容です。

20世紀のポスターからデザインのニュー・ウェイヴの潮流を学べる展覧会が竹尾 見本帖本店で開催
過去に多摩美術大学アートテークで開催された「竹尾ポスターコレクション展 ノイエ・グラーフィクとその時代」の展示風景

ウォルフガング・ワインガルト氏らのデザインを紹介

本展では、ウォルフガング・ワインガルト氏、エイプリル・グレイマン氏、ジャン・ブノワ・レヴィ氏などの作品が取り上げられています。

ドイツ人のグラフィックデザイナーであるウォルフガング・ワインガルト氏は、スイスを拠点に活動したタイポグラフィーの巨匠で、活版印刷や写植の時代から実験的なデザインを繰りかえしました。エイプリル・グレイマン氏は、ビデオやコンピューターの技術をデザインに取り入れたことで広く知られています。雑誌「lʼebdo」や「Emois」などで編集デザイナーとしても活動したジャン・ブノワ・レヴィ氏は、写真を駆使した新たなポスター表現を展開しています。

今回の「竹尾ポスターコレクション・ベストセレクション13」展は、彼らが切り拓いてきた「新しいデザインの表現」に触れられる貴重な機会です。

デジタル技術の発展とも関連が深い「ニュー・ウェイブ」

本展で取り上げられているデザインの潮流は「ニュー・ウェイブ」と称されています。主に1970~1990年代に、過去の「構成的グラフィック」の基盤であったグリッドシステムやサンセリフ書体を基本としながらも、そこに縛られずにより自由さを求めた遊び心のあるデザインの流れです。

展覧会タイトルに含まれる「構成的ポスターの転換」という言葉には、その意味が含まれています。当時のデザインには1980年代半ばにDTPが登場したことも大きく影響があり、本展ではポスターを通じてそれらの「技術革新」も体感できます。1960~1970年代にスイス・タイポグラフィを学んだ若いデザイナーたちが、「技術革新」を積極的に受け入れて、新たな表現を生み出していった歴史を感じさせる展覧会です。


20世紀のポスターからデザインのニュー・ウェイヴの潮流を学べる展覧会が竹尾 見本帖本店で開催
今回の展覧会の会場の竹尾 見本帖本店* * * * * * * * * *

■期間:
2024年12月4日(水)~12月26日(木)

■開催場所:
株式会社竹尾 見本帖本店
東京都千代田区神田錦町3-18-3

■問い合わせ先:
株式会社竹尾
url. https://www.takeo.co.jp/

20世紀のポスターからデザインのニュー・ウェイヴの潮流を学べる展覧会が竹尾 見本帖本店で開催
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