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書体デザインに特化した国際的なコンペ
「モリサワ タイプデザインコンペティション」は、世界各国から作品を募集している書体デザインに特化した恒例のコンペです。前身の「モリサワ賞 国際タイプフェイスコンテスト」から40年以上にわたって実施されており、数多くの優れた書体が輩出されています。「モリサワ タイプデザインコンペティション 2024」では、2024年5月から8月まで作品が募集されました。世界45の国や地域から、合計で1,092点(和文部門:173点/欧文部門:480点/簡体字部門:193点/繁体字部門:92点/ハングル部門:154点)の作品が寄せられています。
審査は、2024年11月27日(水)と11月28日(木)に、モリサワ本社大ホールなどで実施されました。各部門での金賞/銀賞/銅賞それぞれ1点ずつと佳作各5点が選出され、同一作者による複数の入賞も含まれています。

各部門のモリサワ賞の金賞/銀賞/銅賞の作品
和文部門の金賞は、遠矢良彦氏による端正な表情の「くろむぎ」です。銀賞にはデザイン性の強い福士大輔氏の「印象」、銅賞にはうちきばがんた氏による手書き文字風の「kt」が選ばれました。




Web投票で順位が決まった「ファン投票」部門
また、本コンペではモリサワ賞とは別に、一般からのWeb投票で順位が決定する「ファン投票」も実施されています。公平性の観点から応募者の名前を伏せ、2024年12月2日(月)~12月20日(金)に投票を受け付けていました。「ファン投票」の得票1位に選ばれたのは、和文部門が酒向杏実氏の「みつばちのとおりみち」、欧文部門が周兆圳氏の「Tachechi SemiBold」、簡体字部門が曾土軍氏の「Chang Kong Ti」、繁体字部門が黃可瀅氏の「Egyptian Hieroglyphs」、ハングル部門が崔珉準氏の「Kkot-pyeonji」です。



本コンペでは、モリサワ賞とファン投票を合わせて計50作品が入賞となりました。このコンペからは、これまでにも実際に製品化されて人気フォントとなった書体が多く、デザイナーは注目しておきたい企画です。SNS上でも入賞作品について、実際に「使いたい」という感想が見られました。
株式会社モリサワ
URL:https://competition.morisawa.co.jp/
2025/03/14
