「Ukidel(ウキデル)」は、Illustratorなどのアプリ上で白抜きの絵柄を作成するかのように、ゴム印で押した柄が浮き出るスタンプパッドです。「Ukidel」の白いインキでゴム印を押した上から水性染料インキで色を塗ると、印影が白く浮き出てきます。
プレゼントに添えるカードなど身近なクリエイティブに使えるのはもちろん、絵などの作品にもアクセントとなる表現として活用できるのではないでしょうか。今回は、この「Ukidel」の使い方をご紹介していきます。

もくじ

「Ukidel」のセットアップと基本的な使い方

「Ukidel」はスタンプパッドと専用補充インキ、専用クリーナーの3つがセットになっています。最初に使うときは、スタンプパッドに専用インキを補充する必要があります。

ゴム印を押して色を塗ると絵柄が浮き出る「Ukidel(ウキデル)」が楽しい!
「Ukidel」はスタンプパッドと専用補充インキ、専用クリーナーの3点がセットになっているまず、パッケージ上部にある補充用トレイを切り離してください。カッター等がなくても、手で切り離すことができます。

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パッケージを開くと赤枠で囲った部分に補充用トレイがある
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補充用トレイを手で切り離す内側の円に縁の高さまで専用補充インキを滴下して入れたら、スタンプパッドのフタを取り盤面を下向きにしてインキの上にそっと置き、10分待ちます。スタンプパッドが専用インキを吸い込み、補充用トレイがほぼ空の状態になります。

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補充用トレイ内側の円に縁の高さいっぱいまで専用補充インキを入れる
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スタンプパッドのフタを取り、盤面を下向きにして補充用トレイに置くスタンプパッドの準備ができたら、盤面にゴム印を押し当て印面にしっかりと白のインキをつけます。そして紙にゴム印を押したら10分以上置いてしっかりと乾かします。紙を傾けて見ると、光の反射で白いインキが押されていることがわかります。

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スタンプパッドにゴム印を押し付け、しっかりと白いインキをつける
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紙を傾けると、光の反射で白のインキで押した印影が見える印影が乾いたら、上から水性染料インキを塗ります。ここでは、万年筆用インキを筆塗りしました。
「Ukidel」の白いインキが万年筆用インキを弾き、印影が白く浮き上がってきます。このとき、白いインキの上についた万年筆用インキが乾く前に綿棒で吸い取ると、よりはっきり白く浮き上がってきます。

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「Ukidel」のインキをつけてゴム印を押した上に水性染料インキを塗ると、白く浮き上がってくる
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印影の上についた水性染料インキが乾く前に綿棒で吸い取る使用後は、不要な紙にインキがつかなくなるまでゴム印を何度も押しつけ、専用クリーナーを染み込ませたティッシュや布などで印面を拭き取ります。専用補充インキは乾くと固まってしまうため、速やかに拭き取るようにしましょう。

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専用クリーナーをティッシュなどに染み込ませ、ゴム印の印面を拭き取る専用補充インキと専用クリーナーは有機溶剤を使用しているため、クリアスタンプや消しゴムハンコは印面を痛める恐れがあり使用できません。必ずゴム印を使ってください。また、木など専用クリーナーが染み込むものに付くとシミになってしまうため、持ち手の素材にも注意しましょう。

「Ukidel」と相性のいい紙やインキ

「Ukidel」でキレイに印影を浮き上がらせるには、使用する紙や水性染料インキとの相性も大切です。まずは紙によってどのような違いが出るのか、画材メーカーのスケッチブック、100円均一のスケッチブック、画材メーカーの画用紙、ケント紙、半紙で比べてみました。

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画材メーカーのスケッチブックは「Ukidel」で押した印影がしっかり浮き出た画材メーカーのスケッチブックはしっかり印影が浮き出ましたが、100円均一のスケッチブック、画材メーカーの画用紙、ケント紙は白い印影部分がぼんやりした印象です。意外にも、半紙は印影がはっきり浮き出ました。他には水彩紙も相性がいいそうです。メーカーや製品ごとの差もありますので、先にテストをして紙との相性を確認してから使うといいでしょう。


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100円均一のスケッチブックは、印影がぼんやりとして霞んでいる
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画材メーカーの画用紙も印影は浮き出たもののぼんやりした印象
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ケント紙は印影が浮き出るものの、コントラストが弱め
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半紙は印影がしっかりと浮き出た「Ukidel」の上から塗る色には、水性染料インキを使用します。蛍光ペンなどの水性顔料インキは弾きません。万年筆インキ以外では、油性顔料インキで押した印影に重ねても色が滲まないシヤチハタの「いろもようペン」が、「Ukidel」との相性がいいです。

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「いろもようペン」は印影がしっかり浮き出てくる
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油性顔料で押した印影に重ねても色が滲まない「いろもようペン」 各165円他にも水彩絵の具、水性ペン、ホワイトボードマーカー、筆ペンは「Ukidel」で弾くことができました。ただ、紙とそれぞれの水性染料インキとの相性によっても差が出ますし、メーカーや商品によっても違いがあるので、水性染料インキについてもテストしてから使用することをオススメします。

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水彩絵の具ではグラデーション表現もできる
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水性ペンはペン先が柔らかく太めのものがキレイに塗りやすい
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ホワイトボードマーカーも印影が浮き出た
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筆ペンもペン先が柔らかく太めのものがキレイに塗りやすいまた、「Ukidel」でゴム印を押した部分は、上から塗る水性染料インキを弾くものの少し色がつくため、白と差がはっきりした色を使用する方がしっかり浮き出ます。「いろもようペン」6色で比べてみると、暗い色や濃い色ほどしっかり浮き出て、黄色系のような明るい色は差が出にくいことがわかります。

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濃い色の方が「Ukidel」の白いインキと差が明確になり印影がはっきりと浮き出る

作品づくりと「Ukidel」のメンテナンス

「Ukidel」を使って名刺やコースターなどをつくってみました。テキスタイル柄のようにゴム印をたくさん押しても楽しいですし、多色使いやグラデーションにしても素敵です。

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「Ukidel」で押したカップの印影に万年筆インキを塗ったものと、ゴールドや茶のパッドで押した印影を組み合わせたコースター
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「Ukidel」で押したQRコードと電話番号に見立てた数字の印影を、「いろもようペン」でなぞった名刺カード。濃い色で塗ればきちんとQRコードも機能する白い紙に白の印影は見えにくいので、少しでも曲がるとバランスが崩れるような厳密なデザインにせず、複数のゴム印を押す場合は重ならないよう少し間をあけてレイアウトすると失敗しづらいです。

本稿の作例では、シヤチハタの「クラフトはんこ 和柄」と「クラフトはんこ 洋柄」を使用しています。他にも種類がたくさんあるので、好みのものが見つかるでしょう。


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上段が「クラフトはんこ 和柄」、下段が「クラフトはんこ 洋柄」各237~343円スタンプパッドのインキが少なくなってきたら補充します。補充用トレイは最初しか使わないので、捨ててしまって構いません。2回目以降は、スタンプパッドの盤面に円を描くように専用補充インキを出し、ノズルの先で均一に広げていきます。

また、乾燥してしまわないよう、スタンプパッドを使わないときはこまめにフタを閉めましょう。フタを長く開けっぱなしにしたり、しばらく使用していないと、インキが乾燥してスタンプパッドが硬化してしまうことがあります。その場合は、専用クリーナーを盤面全体に滴下し、フタを閉めてそのまま60分ほど置きます。そうすると、乾燥したインキが溶けて元の柔らかい状態に戻ります。専用補充インキと専用クリーナーは消耗品なので、単品で購入することもできます。

ゴム印を押して色を塗ると絵柄が浮き出る「Ukidel(ウキデル)」が楽しい!
インキが薄くなったら、専用補充インキをスタンプパッドの盤面に出し、ノズルで均一に広げる
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スタンプパッドが硬化したら専用クリーナーを滴下し、フタを閉めて60分ほどおく

まとめ

「Ukidel」は、ゴム印を押した上から水性染料インキを塗ると、印影が白抜きで浮き上がるアイテムです。これを活用すれば、誕生日カードのような日常生活でのクリエイティブはもちろん、絵などの作品に活かして表現の幅を広げることもできるでしょう。

ただ、紙や水性染料インキとは相性の良し悪しがあるため、「Ukidel」がきちんと使える物であるか事前にテストするのをオススメします。また、「Ukidel」のインキは乾燥すると固まってしまうため、使用後のゴム印は専用クリーナーで速やかに印面を掃除し、スタンプパッドの盤面が硬化したら改善処理をするといったメンテナンスも大切です。


専用補充インキや専用クリーナーには揮発性の溶剤が使用されているため、使用時は換気をし、小さなお子さんやペットなどにも気を付けましょう。相性のいい紙やインキを押さえれば、楽しく簡単に印影を浮き上がらせることができます。

DATA製品名:Ukidel(ウキデル)
価格(税込):セット 990円、専用補充インキ 385円、専用クリーナー 385円
発売元:シヤチハタ
公式ECサイト:https://www.shachihata.jp/products/detail.php?product_id=9393
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B0DLFFRJ12/

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