「Dデー作戦」でオマハ・ビーチに上陸する米軍、ノルマンディー、フランス、1944年2025年3月15日(土)から5月11日(日)まで、東京都写真美術館 B1F展示室にて「ロバート・キャパ 戦争」展が開催されています。20世紀の偉大な報道写真家であるロバート・キャパ(1913~1954年)が撮影した戦場写真を紹介している展覧会です。


歴史に名を残す報道写真家

ロバート・キャパは、ハンガリー生まれの写真家です。1930年代から死去までの約20年で世界各地の戦場を駆け巡り、報道写真家として人々の心に迫る写真を数多く撮影しました。特に有名なのは、スペイン内戦での「崩れ落ちる兵⼠」や、ノルマンディー上陸作戦に同⾏して撮影した「Dデー」などの写真です。

20世紀を代表する報道写真家の約140点の写真を紹介している「ロバート・キャパ 戦争」展
崩れ落ちる共和国側の兵士、コルドバ前線、スペイン、1936年1647年にはアンリ・カルティエ=ブレッソン(1908~2004年)やデヴィッド・シーモア(1911~1956年)らとともに国際写真家集団の「マグナム・フォト」を結成します。1954年には来日し、東京や奈良や大阪などを訪れました。その後、第⼀次インドシナ戦争を取材に向かい、撮影中に地雷に触れて40歳で亡くなりました。

20世紀を代表する報道写真家の約140点の写真を紹介している「ロバート・キャパ 戦争」展
地雷を踏んで死去する直前に撮影された写真、仏領インドシナ(現在のベトナム)、1954年その偉大な功績は、現在でも広く知られています。1955年には、アメリカ海外記者クラブと「ライフ」誌によって、彼の後に続く報道写真家を讃える「ロバート・キャパ賞」が創設されました。

命をかけて撮影された約140点の写真

本展では、東京富士美術館が所蔵している約1,000点のコレクションから、戦争に焦点を当てた約140点の写真が紹介されます。「ジャーナリストを目指す」「スペイン内戦」「日中戦争」「第二次世界大戦(戦時下のイギリス、北アフリカ、イタリア上陸、ノルマンディー上陸、パリ解放、ドイツ降伏)」「イスラエル建国」「終焉の地-インドシナ半島」といったパートで構成されている内容です。

20世紀を代表する報道写真家の約140点の写真を紹介している「ロバート・キャパ 戦争」展
パリ解放を祝う人びと、フランス、1944年ロバート・キャパが戦闘の現場に赴き、命をかけて撮影した取材写真は、いずれも後世の人々にも強く訴えかけてくるようなメッセージが含まれています。ロシアとウクライナ、パレスチナやレバノンとイスラエルなどの地域での紛争、シリアのアサド政権の崩壊による影響など、「戦後」の80年の今もなお各地で争いが頻発する中で、あらためてロバート・キャパが写真を通じて伝えたかったことにも想いを馳せながら鑑賞したい展覧会です。

20世紀を代表する報道写真家の約140点の写真を紹介している「ロバート・キャパ 戦争」展
シャール・アーリア移民一時収容所の子ども、イスラエル、1950年

「戦争」がテーマの衝撃が強い報道写真

本展は「戦争」をテーマとした写真展です。戦場を撮影した写真が含まれています。
そのため、展覧会の特設ページには、特別な注意書きも記載されています。

展示作品に写る一部事例として挙げられているのは、死体・負傷者・銃などです。それらを踏まえた配慮として「鑑賞に不安を感じられる方は、スタッフへお声がけください。ご鑑賞前に説明させていただきます」と呼びかけられています。

* * * * * * * * * *

■期間:
2025年3月15日(土)~5月11日(日)

■開催場所:
東京都写真美術館 B1F展示室
東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内

■問い合わせ先:
株式会社クレヴィス/東京都写真美術館
url. https://topmuseum.jp/

20世紀を代表する報道写真家の約140点の写真を紹介している「ロバート・キャパ 戦争」展
編集部おすすめ