Appleデバイスで使えるAI機能「Apple Intelligence」が、ついに日本語にも対応しました。iOS 18.4、iPadOS 18.4、macOS Sequoia 15.4で利用できるようになります。
今回までにサポートされた言語に加え、2025年中にはさらに多くの言語への対応が進む予定です。

【目次】

Apple Intelligenceの対応デバイス

Apple Intelligenceは、それぞれの使用者にとって有用な関連性のあるさまざまなAI機能をもたらす「パーソナルインテリジェンスシステム」です。2024年10月に提供が開始されましたが、当初はアメリカ地域での英語のみに対応していました。今回のアップデートで、日本語のほか、フランス語/ドイツ語/イタリア語/ポルトガル語(ブラジル)/スペイン語/韓国語/中国語(簡体字)/英語(シンガポール)/英語(インド)へと新たに対応し、より多くのユーザーに利用できるようになっています。

iPhoneやiPadやMacで使える「Apple Intelligence」機能の日本語での提供がスタート
Apple Intelligence対応デバイス(同社Webサイトより)対応デバイスは、AppleのWebサイトに表示されています。また、別途にvisionOS 2.4がリリースされたことで、空間コンピューターデバイスの「Apple Vision Pro」でもApple Intelligenceを利用できるようになります。

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Apple Vision Proでの利用シーン

「どのようなことを実行できるか」の例

具体的にApple Intelligenceで実現できることは、「作文ツール」でのテキストのリライト・校正・要約、「写真」アプリでの柔軟な検索とクリーンアップツールを使った画像内の不要な要素の消去、「メール」アプリでのメールの優先順位付けなどをはじめ、非常に多岐にわたります。バーチャルアシスタントのSiriも大幅に強化されました。「作文ツール」やSiriは、さらにOpenAI社の生成AIであるChatGPTにもアクセスでき、ChatGPTの統合を有効にするかどうかはユーザーが選択できます。

初歩的な分かりやすい例として「作文ツール」を見ていくと、「メール」「メッセージ」「メモ」アプリなど、ほぼ全てのテキストを取り扱う場面で利用でき、「校正」「書き直し」「要約」などのオプションを使えます。この「作文ツール」は、他社製のアプリでも利用が可能です。

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書き直しや校正や要約などのオプションを使える「作文ツール」コミュニケーション分野でのユニークな機能としては「ジェン文字」があります。絵文字キーボードに説明を入力することで、パーソナライズされた新しい絵文字を生成できる機能です。作成した「ジェン文字」は、通常の絵文字と同様にメッセージの中に挿入できます。


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独自の絵文字を作り出せる「ジェン文字」機能同様に、AIによる生成を有効活用する代表的なツールには、「メモ」アプリに追加された「画像マジックワンド」が挙げられます。ラフなスケッチを円で囲むだけで整えられた画像に作り変えたり、手書きやタイピングしたテキストを分析して空白の部分に画像を生成できたりする便利な機能です。

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画像マジックワンド」の利用イメージ

プライバシー保護が重視された設計

これらのAI機能は、ユーザーのパーソナルコンテクストを活用し、それぞれのユーザーにとって「自分に適した状態」が提供されていくことが特徴です。非常に実用的である一方で、プライバシー保護の面が気になる人も少なくないでしょう。

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通話の録音からの要約、メッセージの優先順位付けなど、パーソナルな部分へとAIに深く踏み込ませる処理は便利な一方でプライバシー保護の仕組みも重要
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 その不安を払拭するように、Apple Intelligenceでは「デバイス上の処理を基盤とし、Apple Intelligenceを動かす生成モデルの多くは、すべてデバイス上で実行」することが発表されています。より大きなモデルを必要とする複雑なリクエストの場合には、大規模なサーバベースモデルを用いることができますが、その場合にもプライバシーは保護され、Apple側がデータを保持したり露呈されたりはしない仕組みであると説明されています。

ChatGPTとの統合機能を利用する際にも、デフォルトではChatGPTアカウントは不要です。アカウントなしでChatGPTを使う場合は、OpenAI社はリクエストを保存せず、データをモデルのトレーニングには使用しないと発表されています(デフォルト状態ではなく各自のアカウントとの連携を選択したユーザーに対してはOpenAIのデータ利用に関するポリシーを適用)。ユーザーのIPアドレスを匿名化することで、関連付けができないような仕組みも導入されています。

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Apple Intelligenceがどのくらい便利であるかは、既存の各種のAIと同様に、各ユーザーがどのように使いこなすかが鍵となります。「何ができるのか」「このような処理を実行可能か」といったことを知るためにも、Siriの重要度がさらに高まりそうです。SiriはApple Intelligenceによってさらに多くのことができるようになり、自然な会話能力も向上しました。
Siriとの会話で「声を出す」ことに抵抗のあるユーザーも多いと思いますが、テキスト入力でのやり取りも可能です。

Apple
URL:https://www.apple.com/jp/

2025/04/02

iPhoneやiPadやMacで使える「Apple Intelligence」機能の日本語での提供がスタート
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