株式会社システムサポートが、生成AIに関するアンケート調査を実施しました。人事・総務・法務での従事経験者を対象に、生成AIの活用の実態や「生成AIが定着しない理由」を探る内容です。
同社は2025年6月26日(木)に無料セミナーの開催も予定しています。

【目次】

生成AI活用の実態を探るアンケート調査

システムサポートは、2024年7月に設立された会社です。1980年設立の株式会社システムサポートホールディングスの事業を承継して発足しました。グループ事業には、クラウドインテグレーション事業/システムインテグレーション事業/アウトソーシング事業/プロダクト事業/海外事業などがあります。

今回のアンケート調査は、2025年5月15日(木)~5月23日(金)の期間に実施されました。全国の人事・総務・法務での従事経験者を対象としたオンラインアンケート(調査機関:サーベロイド)で、有効回答者数は2,140人です。

本調査ではまず最初に「生成AIを業務に使用したことはありますか?」という質問が投げかけられています。この質問では「継続してAIを使い続けている」「使ったことがない」という回答のほかに、一定数の「過去に活用していたけれど今は使っていない」という層も存在することが判明しています。

システムサポート、「生成AIがなぜ定着しないのか」を分析するアンケートを実施
システムサポート アンケート調査より

使われなくなった主な理由は現場の不安や教育不足

今回のアンケートでは、その「利用を停止した」層に注目し、さらなる掘り下げが行われています。「AIを業務で使用したことがあるが、会社の規定でやめている」と答えた回答者に対して「利用を停止した理由は何ですか?」という質問が用意されました。最も多かったのは「情報セキュリティ上の懸念(漏えいリスクなど)」です。

システムサポート、「生成AIがなぜ定着しないのか」を分析するアンケートを実施
システムサポート アンケート調査より「社内での利用ガイドライン・教育が不十分だった」などの回答数が多い一方で、「会社規定で全面禁止となった」「上司・同僚からの指示による中止」は比較的に低めの割合に感じられます。つまり、制度としての問題ではなく、現場での不安や教育不足などが生成AIの運用において大きな課題となっているようです。

生成AIを「上手く使えない」と感じた理由は?

また、最初の質問で「AIを業務で使用したことがあるが、上手く使えず今は使用していない」と答えた人たちについて、どのような点で上手く使えないと感じたかを質問した項目もあります。この質問への回答には、「操作・プロンプト設計が難しい」という扱い方の難しさに加え、「出力内容の正確性・信頼性に不安がある」といった回答も目立ちます。


システムサポート、「生成AIがなぜ定着しないのか」を分析するアンケートを実施
システムサポート アンケート調査より「同じ質問でも回答にばらつきがある」という具体的な回答もあったようで、生成AIの精度や再現性などに不満を感じた人が多いようです。たしかに生成AIが間違いを犯し「もっともらしい嘘をつきやすい」ことは広く知られており、深刻な問題となっています。生成AIに仕事を任せて出力が合っているかを自分で確認することは二度手間となり、内容によっては「最初から自分でやったほうが速い」という結論にもなりかねません。

継続利用のコツは適切な運用ルールの整備

それでは、最初の質問で「使用したことがあり、今も業務で使用している」と答えた人たちは、どのように生成AIを上手に活用しているのでしょうか。今回の調査では、現在も業務でAIを活用しているタイプには「業務に密着した使い方をしている」「社内でルールが整備されている」「ツールにこだわらない(目的に合った使い方)」といった傾向が見られたそうです。

例として、「社内でルールが整備されている」という点に関しては、「登録する文書の選定や使用ガイドラインが整えられているため安心して使える」という具体的な運用方法が紹介されています。なお、上記のタイプが実際にどのような業務に生成AIを活用しているかの内訳は、以下のグラフの通りです。

システムサポート、「生成AIがなぜ定着しないのか」を分析するアンケートを実施
システムサポート アンケート調査より

課題の乗り越え方が解説される無料セミナー

このように、本アンケート調査では、生成AIが爆発的に普及した一方で「使われなくなった」企業もあり、そこには多くの課題があることが分かりました。その結果を受け、システムサポートでは、2025年6月26日(木)の14:00から「AIならSGC!初心者でも安心、AIが支えるこれからの運用管理」と題した無料セミナーの開催を予定しています。

システムサポート、「生成AIがなぜ定着しないのか」を分析するアンケートを実施
対象は管理部門(総務・人事・法務)やDX推進・情報システム担当者です。AIの活用が定着しない本質的な原因と、その打開策が詳しく解説されます。オフラインでの参加(会場:日本マイクロソフト株式会社 品川本社)は定員が20名で先着順の申し込みですが、Teamsを用いたオンラインでの参加も可能です。オンラインは人数に上限を設けずに参加申し込みを受け付けています。


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今回の調査は人事・総務・法務での従事経験者を対象としていましたが、クリエイティブな分野にも共通する部分が多い内容であるように感じました。AIは便利ですが、いくつもの課題を抱えています。一方で「うまく使いこなし続ける人」と「つまずいて使うのをやめた人」では、単純に業務効率のみを比較すると差は歴然です。「この部分ならAIに任せて問題ない・AIのほうが速い」という内容を見極め、どのような操作・使い方をすれば最適な出力結果を得られやすいかをマスターすることが重要な鍵であるとあらためて感じました。

●出典・セミナー詳細
https://smart-generative-chat.com/seminar20250626/

株式会社システムサポート
URL:https://www.sts-inc.co.jp/

2025/06/18

システムサポート、「生成AIがなぜ定着しないのか」を分析するアンケートを実施
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