Adobeは、AI機能を組み込んだ新しいプラットフォーム「Acrobat Studio」を発表しました。「PDF Spaces」と呼ばれるダイナミックな作業環境を備えたサービスです。
コンテンツ作成機能やPDFツールとエージェント型AIが統合されており、PDFを動的な「対話型ナレッジハブ」に進化させます。

【目次】

「Acrobat Studio」とは?

「Acrobat Studio」は、PDFやWebコンテンツなどを中心にした作業を、より直感的に進められる新しいプラットフォームです。その中でも特徴的なのが「PDF Spaces」と呼ばれるワークスペースで、文書ごとに専用のスペースを設けて使用できます。

アドビ、PDF機能などが統合されたAI搭載の新プラットフォーム「Acrobat Studio」を発表
「PDF Spaces」では、AIアシスタントと対話しながらPDFやWebコンテンツの編集/要約/翻訳などを進めることが可能です。複数人での共同作業にも対応しており、必要なファイルやコメントを1カ所に集約できます。

アドビ、PDF機能などが統合されたAI搭載の新プラットフォーム「Acrobat Studio」を発表
この仕組みによって実現できるのは、従来の「PDFを開いて編集する」という単独作業から一歩進んだ文書管理です。「Acrobat Pro」のPDF機能が全て統合されており、AIによる提案や検索補助によってドキュメント作業の効率を高めることができます。AIアシスタントはカスタマイズも可能です。

「Adobe Express」とも連携

「Acrobat Studio」のもう1つの魅力は、「Adobe Express」の機能が組み込まれている点です。ユーザーは「Acrobat Studio」上でそのまま画像編集やデザイン作成を行うことができ、外部アプリに切り替える必要がありません。これにより、PDF資料に合ったビジュアルの追加やテンプレートの活用もスムーズになります。

アドビ、PDF機能などが統合されたAI搭載の新プラットフォーム「Acrobat Studio」を発表
たとえば、会議資料にアイキャッチを入れたり、企画書にグラフィックを追加したりといった場合でも、「Acrobat Studio」の画面内で完結する設計です。「Adobe Express」のプレミアムプランで利用できる全ての機能やアセットにアクセスできます。また、Adobe Firefly搭載ツールも利用でき、テキストから画像や動画を生成することなども可能です。


導入プランとセキュリティへの配慮

「Acrobat Studio」は、世界各国で既に英語版の提供が開始されており、個人向けとチーム向けの両方のプランがあります。個人向けは年間契約で月額約24.99ドル、チーム向けは1ラインセンスあたり月額約29.99ドルから利用が可能です。なお、この料金体系は2025年8月時点の早期アクセス価格で、2025年10月31日(金)までのものとなります。初回導入時には7日間の無料トライアルもあり、その後14日以内にキャンセルすれば全額返金される仕様です。

アドビ、PDF機能などが統合されたAI搭載の新プラットフォーム「Acrobat Studio」を発表
アドビ、PDF機能などが統合されたAI搭載の新プラットフォーム「Acrobat Studio」を発表
本サービスでは、企業での導入を前提とした強力なセキュリティ機能も備えられています。ファイルやコメントは全て暗号化され、権限管理やアクセス制御も充実しているため安心です。データがAIモデルの学習に使われたり、サードパーティーベンダーに使用されたりといったこともありません。

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「Acrobat Studio」は、従来のPDF閲覧・編集ツールの枠を超えて、制作やコラボレーションの拠点となるプラットフォームです。AIによる効率化や「Adobe Express」との連携は、デザイナーにとっても作業の自由度を高める大きな武器となるでしょう。文書管理からビジュアル表現までを一元化できることで、クリエイティブの質とスピードの両立が可能な新しい選択肢となる可能性を感じさせます。

アドビ株式会社
URL:https://www.adobe.com/jp/

2025/08/22

アドビ、PDF機能などが統合されたAI搭載の新プラットフォーム「Acrobat Studio」を発表
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