Design: Mina Tabei, Photo: Masaki Ogawa2025年9月5日(金)から、ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)にて「田部井美奈 光と図形と、その周辺」展が開催されます。アートディレクター/グラフィックデザイナーの田部井美奈氏が手掛けてきた代表作や、実験的な「光と図形」の最新作が紹介される入場無料の展覧会です。
【目次】
“カメラ屋” を経て服部一成氏に師事
埼玉県出身の田部井美奈氏は、武蔵野美術大学短期大学部を卒業した後に輸入販売会社での「LOMO」カメラの仕事を経て、2003年から服部一成氏に師事しました。2014年に田部井美奈デザインを設立して独立し、広告/書籍/パッケージなどの分野でのデザインを展開しています。
「武蔵野美術大学」(2021)広く知られている主な仕事は、武蔵野美術大学、NHK大河ドラマ「光る君へ」、PARCO CHRISTMASなどのイメージビジュアルです。書籍の装丁でも「奥能登半島」(石川直樹/青土社)や「ミライの源氏物語」(山崎ナオコーラ/淡交社)や「結婚の奴」(能町みね子/平凡社)などの多くの作品を手掛けています。そのほか、「(NO)RAISIN SANDWICH」や「Mame Kurogouchi」のパッケージデザイン、HAY TOKYO「Unprecise」の店内装飾といった幅広い領域で活躍中です。
「TADANORI YOKOO ISSEY MIYAKE 4」ISSEY MIYAKE INC.(2023)
「光と図形」シリーズで独自の表現に挑戦
田部井氏は2018年から「光と図形」というテーマでの表現も追求してきました。同年にUTRECHT(東京都渋谷区)で展覧会が開催され、そのポスターや作品集は2019年度のADC賞を受賞しています。
「光と図形」UTRECHT(2018)今回の展覧会では、その「光と図形」の最新作が、空間ごと体感できるかたちで披露されることにも注目です。「光と図形」は、光と物体・影と反射によってグラフィックを生み出す試みで、「理科の実験を連想させるような手作業」での表現が行われています。どのようにイメージが作られたか考えるのが楽しくなるようなビジュアルが印象的で、今回の新作にも期待が集まります。
田部井氏のデザインが深堀りされている関連資料
今回の展覧会の開催に合わせて、gggのWebサイトでは「デザインの両面」と題したオンライン記事企画の田部井氏の回も公開されました。これまでの田部井氏の個性的な経歴とともに、「光と図形」の最新作の制作秘話も明かされていて必読の内容です。
関連出版物として、「ggg Books 141 田部井美奈」も公益財団法人DNP文化振興財団からの刊行が決まりました。そちらも注目の1冊で、序文は服部一成氏が担当しています。
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■期間:
2025年9月5日(金)~10月22日(水)
■開催場所:
ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)
東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル
■問い合わせ先:
ギンザ・グラフィック・ギャラリー
url. https://www.dnpfcp.jp/gallery/ggg/