【目次】
「生成塗りつぶし」機能の特徴
Adobe Firefly(AI)の技術を活用するPhotoshopの「生成塗りつぶし」は、選択した範囲を生成画像で塗りつぶせる機能です。特に画像の背景を違和感なく伸ばしたいときなどに重宝され、元の画像に自然に馴染むかたちで新たなオブジェクトを合成したい場合にも役立ちます。コンテキストタスクバーからアクセスでき、自分でプロンプトを入力できることはもちろん、空欄のままにしてAI任せで最適な画像を追加してもらうことも可能です。この機能の処理に用いるAIモデルは、ユーザーが任意のものを選ぶことができます。正式リリース版では、現時点では2023年10月リリースの「Firefly Image 1」と、2024年10月リリースの「Firefly Image 3」というモデルを切り替えられる仕様です。

得られる画像を大きく変えるAIモデルの選択
AIモデルの選択によって、「生成塗りつぶし」の実行後の結果は変わります。AIモデルごとに得意とするイメージやアプローチが異なるため、選択肢が増えるほどクリエイティブの幅が広がって、ユーザーは思い描いた通りの画像を得られやすくなるわけです。今回、Photoshopのベータ版で、この「生成塗りつぶし」で利用できるAIモデルに、新しくGemini 2.5 Flash Image(Nano Banana)とFLUX.1 Kontext[pro]が追加されました。Adobe FireflyのAIモデルとともに、Photoshop内で直接使用が可能です。

新たに追加された2つのモデルの得意な分野
Adobe Blogでの紹介によると、Gemini 2.5 Flash Image(Nano Banana)はスタイリッシュな要素やグラフィックの詳細、想像力豊かなシーンの追加に最適とされています。一方、FLUX.1 Kontext[pro]は、文脈の正確さ、遠近感、環境の調和を考慮して設計されていることが特徴であるようです。具体的には、大胆なビジュアルのポスターをデザインする際に、Gemini 2.5 Flash Image(Nano Banana)で浮遊する花やタイポグラフィのアクセントなど印象的な要素を追加し、Photoshopの各種の調整機能で仕上げて全体をまとめる例が紹介されました。また、FLUX.1 Kontext[pro]の活用例には、レイアウトにリアルな小道具や看板や風景を追加するなど、整合性の取れた現実味のある画作りが挙げられています。

これまでにもAdobe Fireflyでは、GoogleやBlack Forest Labsのほか、OpenAI、Pika、Luma AIなどのパートナーモデルにアクセスすることができました。
アドビ株式会社
URL:https://www.adobe.com/jp/
2025/09/30
