ダイナコムウェア、「DynaSmart V」に墨松体など計60書体の新たなフォントを追加

ダイナコムウェア株式会社は、2025年秋の新書体をリリースしました。合計60書体が新たに登場し、年間ライセンスで使い放題の「DynaSmart V」「DynaSmart 教育機関向けプラン」「DynaSmart 学生版」の契約者向けに提供されます。

【目次】

書家の松岡真作氏が書き下ろした「墨松体」

今回の追加フォントのうち、代表的な書体の1つが「墨松体」です。NHKの「ゆく年くる年」や「歌会始」をはじめとするTV番組の題字や漫画、ゲームのタイトルロゴの制作など、多岐にわたって活躍している書家の松岡真作氏が文字を書き下ろしました。力強く堂々とした佇まいながら、運筆には繊細さも感じさせます。OpenType Lite版で、3,617文字での提供です。

松岡氏は「墨松体」について、「オーソドックスなスタイルで汎用性が高く、重厚感と奥深さを備えています」と紹介しています。オススメの活用シーンとして挙げられているのは「真剣さや誠実さを表現したい場面」で、特に良く馴染みやすいのはたとえば歴史作品のシリアスな展開などです。可読性も高いため、テロップなどにも活躍します。

画面表示に特化したテロップ向けのフォントも登場

そのほかにも、今回の新書体リリースではさまざまな特徴を持つフォントが追加されました。たとえば「POP1体S」は、楽しさを伝えやすいテロップ書体です。広告での使用が想定された定番の「POP1体」をベースにしながら、映像をはじめとする画面表示で強い効果を発揮するフォントとして開発されました。2022年に追加されたStdN版での英数字の調整からさらに踏み込み、より画面表示に特化して英数字の高さや幅や太さが調整されています。

また、「スティックA」はカジュアルなデザイン書体です。従来の「スティック」とは異なる新たな仮名文字が採用されました。「スティック」は長楕円形の線が特徴で、やや右上がりの文字で活気があり、新たな仮名文字はリラックスした線や風通しの良さを意識してデザインされています。

欧文・韓国語など多言語フォントもさらに充実

日本語書体のほかにも、各種のフォントが追加されています。欧文フォントは、力強い毛筆の「DFBrushImpact」、特徴的な欧風装飾が施された「DFGoldenScript」、子どもが書くような遊び心のある文字をイメージした「DFHappyPen」、星形の装飾でロマンチックな雰囲気が演出されている「DFSnowBloom」、縦長の字形でスマートな印象の「DFLinearLight」の計5種類の提供が開始されました。いずれもUnicode準拠による235文字の文字セットに対応しています。

韓国語フォントで新たに登場したのは「DFJadeFangSong KR12」です。明朝体と楷書体のエレメントを兼ね備え、力強く鋭い画線で縦長の字形が構成されている「玉刻華宋」の韓国語ローカライズで、Adobe-Korea 1-2準拠の18,352文字が収録されています。

＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊

2025年秋の新フォントの60書体も含め、「DynaSmart V」ではダイナフォント全書体を追加料金の必要なく利用できます。さらに今回のリリースでは「古籍五書体B」のTrueTypeフォント版も登場しました。「DFP古籍木蘭BW3」「DFP古籍糸柳BW3」「DFP古籍真竹BW3」「DFP古籍銀杏BW3」「DFP古籍黒檀BW7」があり、こちらのTrueType追加書体は、TrueType特化でリーズナブルな年間ライセンス「DynaSmart T」を契約中のユーザーも利用できます。

ダイナコムウェア株式会社
URL：https://www.dynacw.co.jp/

2025/10/31