2025年10月22日に、AppleからM5チップを搭載した新14インチMacBook Proが発売されました。従来のデザインを踏襲しつつ、チップの性能が大幅に強化されています。
目次
M5チップを搭載した「14インチ MacBook Pro」
2024年11月にM4チップ搭載MacBook Proが発売されてから、およそ1年の時を経てM5チップを搭載した新モデルが登場しました。
14インチ MacBook Proのスペック
チップM5M4 ProM4 ProM4 Max10コアCPU12コアCPU14コアCPU14コアCPU10コアGPU16コアGPU20コアGPU32コアGPUメモリ16/24GB/32GB24GB24GB36GBストレージ512GB/1TB/2TB/4TB512GB1TB1TB価格(税込)248,800円~328,800円398,800円528,800円これまでとは異なり、名前に「Pro」や「Max」が付いたチップは同時に更新されておらず、肩透かしを食らったという人も多いはず。新しいM5チップの性能に期待しつつも、M5 ProやM5 Maxを搭載したモデルが出るまで様子見をしようと考えている人もいるのではないでしょうか。
そこで、ここでは新M5チップの性能を中心に、動画編集などのクリエイティブ作業で実際に使用してみて進化を感じた部分などを紹介していきます。
基本的にチップ以外のスペックは従来のまま
M5搭載MacBook Proは、基本的に従来のベースモデルのチップを変更しただけで、そのほかのスペックは変わっていません。本体サイズもこれまで通りで、重量も約1.55kgと同じ。Wi-Fi 6Eが採用されているのも従来通りで、バッテリー駆動時間も最大24時間のままです。
M5の実力は? 実際に画像編集や生成AIで使ってみた
ここまで見てきた通り、従来モデルとの大きな違いはM5チップとM4チップの差ということになりそうです。では、新しいM5チップはM4チップと比べて、どのくらい性能差があるのでしょうか。各チップを詳しく見ると、次のような違いがあります。M5チップとM4チップの違い
チップM5M4CPU/GPU10コアCPU + 10コアGPU10コアCPU + 10コアGPUCPUコアの構成4高性能コア+6高効率コア4高性能コア+6高効率コアメモリ帯域幅153 GB/秒120GB/秒メモリ帯域幅がM4に比べて3割ほど向上しているのが分かります。CPUコア数は変わっていませんが、アップルによるとマルチスレッド性能は最大15%アップしているとのこと。また、GPUのパフォーマンスは最大30%、レイトレーシングを使用するアプリでは45%向上とされています。さらに、M5のGPUは各コアに専用のNeural Acceleratorを備えており、GPUベースのAI処理の場合は、M4と比較してピーク時のGPU演算性能が4倍になるそうです。
これくらい性能が上がっていると、従来のベースモデルだけでなく、M1/M2 Proを搭載したモデルからの買い替えも視野に入ってきそうです。
まず、CPUやGPU性能をテストするGeekbench 6.5の結果は次のようになりました。
Geekbench 6.5の結果
チップM5(14"MacBook Pro)M4(15"MacBook Air)M2 Pro(14"MacBook Pro)CPU(シングルコア)433237562670CPU(マルチコア)179331529213110GPU(OpenCL)486833616847393GPU(Metal)764755524376223M4よりもパフォーマンスが高いのはもちろんですが、GPUコア数の多いM2 ProよりもOpenCLとMetalのスコアが若干上回る結果に。
続いて、Geekbench AI 1.5でAIバックエンドをCPU、GPU、NPU(Neural Engine)に切り替えながら、それぞれの性能を比較してみました。
Geekbench AI 1.5の結果
チップM5(14"MacBook Pro)M4(15"MacBook Air)M2 Pro(14"MacBook Pro)CPU 単精度 532849254101半精度864579966835量子化690564175463GPU単精度13219901110185半精度247531110911032量子化23567981310243NPU単精度532949194095半精度414403656227626量子化580635095330734結果を見ると、M5はM4やM2 Proに比べてCPU、GPU、Neural Engineのいずれも大きく向上していることが分かります。特にGPUバックエンドのAI処理性能が飛躍的に伸びており、グラフィックス処理などで重要になる単精度スコアが50%ほど向上、自然言語処理や音声認識、画像処理などで重要になる半精度スコアは倍以上もアップしています。AIを伴うクリエイティブ作業ではM5のパフォーマンスをより強く実感できそうです。
そこで、実際にAIで動画の画質改善やアップスケールが行えるTopaz Video AI 7を使って動画素材を4K解像度にアップスケールし、その時間を比較してみることにしました。
Topaz Video AI 7によるアップスケール処理時間
チップM5(14"MacBook Pro)M4(15"MacBook Air)M2 Pro(14"MacBook Pro)720p/30fps/31秒9分53秒13分57秒13分37秒1080p/30fps/11秒1分1秒1分42秒1分45秒※720p/30fps/31秒、1080p/30fps/11秒の動画素材を、それぞれTopaz Video AI 7でプリセット「Upscale 4K」を選び、4Kにアップスケールした速度を計測
次に、Adobe Photoshopを使って「被写体を選択」を実行した際の時間も比較してみました。
Photoshopの「被写体を選択」による処理時間
チップM5(14"MacBook Pro)M4(15"MacBook Air)M2 Pro(14"MacBook Pro)処理時間2秒587秒557秒47※解像度が7,008×4,672ピクセルのJPEG画像を開き、選択範囲メニュー→“被写体を選択...”を実行して処理が完了するまでの時間を計測
さらに、macOSに標準搭載されているImage Playgroundを使って、3機種とも同じ条件で画像を生成してみました。
Image Playgroundによる画像生成時間
チップM5(14"MacBook Pro)M4(15"MacBook Air)M2 Pro(14"MacBook Pro)処理時間2秒593秒454秒11実際に画像編集や動画編集など、クリエイティブ作業の中で使っていても、M4搭載MacBook AirやM2 Pro搭載MacBook Proに比べて、負荷の高い処理の際に待たされる時間が減ったのを感じます。特にAI関連の処理は非常に高速。最近はAIに対応した機能やツールがどんどん増えてきているので恩恵を受ける場面は思った以上に多そうです。
バッテリー駆動時間については、アップルによると最大16時間(ワイヤレスインターネット時)、または最大24時間(ビデオストリーミング時)となっています。そこで、実際にWi-Fi経由でYouTubeの1080p動画をフルスクリーン再生し続けてバッテリー容量がなくなるまでの時間を計測してみました。ディスプレイの明るさは、最低輝度から輝度調節キー(F2キー)を8回クリックし、キーボードのバックライトをオフにして計測しています。
その結果、ピッタリ公称通りの24時間18分の駆動が可能でした。RAW画像の現像や動画のソフトウェアエンコードのようにCPUコアをフル稼働させるような負荷の高い処理を長時間行うとバッテリーの減りも速くなりますが、Webページや動画を見たり、文書を作成したりするような比較的軽い作業なら1日は余裕で持つ印象。
個人的に少し気になったのは、CPUコアがフル稼働しているときのファンの音です。耳障りと言うほどではないのですが、サーッというファンが回転する音がはっきり聞こえます。MacBook Proの場合、ベースモデルは冷却ファンが1基、Pro/Max搭載モデルは2基搭載されていますが、その1基しかないファンが全力で回っている印象。会社のオフィスなら他の音に紛れてしまうくらいの大きさの音ですが、図書館や深夜の室内だと多少周囲の目を意識してしまうこともありそうです。
同時に本体の温度も上昇します。不快さを感じるほどではありませんが、あまり膝の上に置いて作業したくないと思う程度には熱を持ちます。
もっともCPUコアがすべてフル稼働する状況はベンチマーク以外だとそれほど多くないですし、GPUやNeural Engineに負荷がかかってもCPUほどは発熱せずファンも静かなので、使い方によっては気にならない人の方がほとんどだとは思います。
AI処理性能を重視するなら買い替えの価値は十分あり
M5チップを搭載し、CPU性能だけでなくグラフィックスやAI処理性能も大幅に向上した新14インチMacBook Pro。従来モデルから本体デザインや搭載するインタフェースなどは変わっていませんが、パフォーマンスを重視するユーザーには魅力的なアップデートと言えそうです。











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