DICグラフィックス株式会社は、色見本帳アプリ「DICデジタルカラーガイド」に、AI配色生成機能の「AI Palette」を追加しました。キーワードを入力するだけで、テーマに沿った「DICカラーガイド」シリーズの色番号をAIが提案してくれます。


【目次】

iPhoneなどで使える色見本帳アプリ

「DICデジタルカラーガイド」は、「DICカラーガイド」のデジタル版として提供されているアプリです。iPhoneやiPadで利用できます。以前はMacやAndroid端末でも利用できるアプリとして展開されていましたが、本アプリの2023年の大幅リニューアルを機に、Mac版やAndroid版は2022年12月で配信が停止されました。

DICグラフィックス、iPhoneやiPadで使える「DICデジタルカラーガイド」にAI配色検索の機能を追加
「DICデジタルカラーガイド」には、「DICカラーガイド」の全シリーズの色情報が掲載されています。指定の色番号に近い色を検索するような探し方も可能です。デジタル画像の中のある任意のポイントについて、その色は「DICカラーガイド」の何番に該当するかを表示させることもできます。

基本的には無料アプリですが、「色の検索」や「撮影した写真から色を検索」といった一部の機能は有償です。ただし「お試し期間」が設けられており、その期間内の1カ月は無料で有償機能も体験できます。

【フル版】DICデジタルカラーガイドのご紹介: DIC DIGITAL COLOR GUIDE introduction(YouTubeより)

OpenAI社のAPIを利用した機能

今回、本アプリに新たに追加された「AI Palette」は、AIを活用した配色検索の機能です。たとえば「春」「地域の名物」「オーガニック食品」などのキーワードを入力するだけで、そのテーマに沿った配色をAIが提案してくれます。提案される色は、全て「DICカラーガイド」シリーズから選ばれる仕様です。

DICグラフィックス、iPhoneやiPadで使える「DICデジタルカラーガイド」にAI配色検索の機能を追加
この機能では、OpenAI社のAPIを利用した生成が行われます。「実務対応型AI」として開発されており、自由なキーワードでの入力が可能です。対象やシーンの詳しい指定もでき、デザインや制作現場でそのまま活用することもできます。
この「AI Palette」も有償の機能ですが、前述の通りに「お試し期間」内であれば無料での体験が可能です。

AIで上手に配色を検索するためのコツ

アプリ内の利用ガイドでは「配色生成のコツ」も紹介されています。検索語句に「~のイメージ」と入力するとテーマに沿った5つの色が表示され、「~の配色」と入力すると上位の色にマッチしたさまざまな色相が表示されやすい傾向があるそうです。

また、特定の事物は名称だけでなく、色の対象まで入力するとイメージに近い色が出やすくなります。たとえば「ジャイアンツ」とだけ入力するよりも、「読売ジャイアンツのロゴの色」といったより詳しい書き方をすることで、理想に近い結果が得られるようです。

さらに、赤・青・黄といった原色や白黒しか表示されないような場合は「AIが語句の意味を掴みかねているとき」とされています。このときにも、より具体的な語句を入力することで対応が可能です。

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本機能は色の特定や保証を目的としたものではなく、あくまでも「参考情報として取り扱いください」との注意書きが添えられています。とはいえ、AIによってイメージに近い色を探してもらえるのは、デザインの作業をするうえで心強い味方になるでしょう。

DICグラフィックス株式会社
URL:https://www.dic-graphics.co.jp/

2025/12/17

DICグラフィックス、iPhoneやiPadで使える「DICデジタルカラーガイド」にAI配色検索の機能を追加
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