【モデルプレス=2025/12/24】六本木のキャバクラ「UNJOUR TOKYO」で活躍するキャバ嬢・みすず。コミュ障を公言しながらも、TikTokやYouTuberのラファエルの動画出演で話題を集めている。
元占い師を経てキャバ嬢へ転身した彼女に、ユニークなキャリアのきっかけや挫折、夢を叶える秘訣を聞いた。【インタビュー全2回の1回目】

◆占い師からキャバ嬢へ…ユニークなキャリアのきっかけ

― 占い師からキャバ嬢へ転身するといったユニークなキャリアを歩んでこられていますが、キャストとして働き始めたきっかけや、そのときに感じた不安や迷いはありましたか?

みすず:コロナ禍で占いの対面鑑定が難しくなり、Zoom鑑定などもやってはいたのですが、シンプルにお金の問題で稼げなくなってしまったんです。占いを完全に辞めるわけではなく、掛け持ちで夜の仕事を始めました。ただ、私はコミュ障だし、極度の人見知り。友達ともあんまり喋らないタイプなので、そこは心配でしたね。

― 占い師さんも「喋るお仕事」というイメージですが、やはり勝手が違いますか?

みすず:占い師はカウンセリング的な要素が強く、人が好きで話を聞くのが好きなんです。でも、自分から喋るのは得意じゃなくて。キャバクラ特有の「イケイケなノリ」も分からないし、そこができるかなという不安はありました。ただ、お酒は飲めるので、その点だけの不安はありませんでした(笑)。

― 実際働き始めて、コミュ障の部分は障害になったりしませんでしたか?

みすず:それが、お客さんは優しい人が多くて、むしろ男性のほうがリードしてくれるんですよ。逆に私が接客されているみたい(笑)。指名してくれているお客さんにも「いつ来ても喋らないよね」って言われます。
「逆に何を喋ってるんだろう?」って思うくらい、多分私は喋ってないんだと思います。
― それでも指名をいただけるんですね。

みすず:確かに喋っていないんですが、思い返すとそのお客さんもそんなに喋っていないんです。まったり飲んでいる感じですね。

― そのスタイルはずっと変わらずですか?

みすず:最初は銀座で働いていて、その時はワインが多くて落ち着いた雰囲気が多かったです。その後、六本木に来てウェイ系のノリも少しいけるようになりましたね(笑)。「そんなの無理」とか思っていたけど、やっぱり街によってスタイルって変わるもので。銀座も六本木も違う良さがあって楽しいです!

◆ラファエル動画の反響に驚き
― ラファエルさんの動画に出演されて“彼女”となりましたが、反響はいかがでしたか?

みすず:動画が公開されたら妹や友達から「ラファエルと付き合ったの!?」みたいなLINEが一気に来て驚きました。お客さんからは「俺かわいそう」「ラファエルに負けた」「キャバ嬢に踊らされた港区の財布」とか言われて(笑)。

― 動画の内容を真に受けた方が多かったんですね。

みすず:そうですね。タイトルやネットニュースの切り抜きだけ見て判断された方もいると思います。
逆にその切り抜きしか見ていない人たちから、DMで「そんな人だと思いませんでした」「彼氏いないって言ってたのに」とお叱りを受けました。

最初は弁解しようかとも思ったんですが、よく考えたら動画の内容をちゃんと見ればエンタメだと分かるし、「まあ、いいか」と(笑)。実際に彼氏はいないけど、「作りません」と宣言しているわけでもないですしね。でも、本当に好きで指名してくれている人は、動画の中身もちゃんと見てくれていたので、その動画がきっかけで指名が減ったりすることはなかったです。

― また「オープンマリッジ」について語っている動画では結構ズバズバ意見を言っていましたね。

みすず:私、喋り方は柔らかいって言われるんですけど、言ってる内容はそんなに柔らかくないかも(笑)。

― 元を辿れば占い師の仕事が生きているのかもしれませんね。

みすず:本当にそうかもしれません。占い師の影響はあると思います。お客様としても「ふわっとしている印象だけど、言うことは言うな」って思っているかも。常にズバッと言うわけではないですが、本当に言いたいことがあった時は言うようにしています。

― お客さんに嫌なことをされた時なども?

みすず:結構許容範囲が広いタイプだからか、嫌だと思うことはあまりないんです。
説教されたり馬鹿にされたりすることもありますが、徐々に「愛のあるイジり」に変わったりするんですよ。「舐めてるでしょ」って言った時に、「本当に舐めてたらこんなに長く指名しないでしょ」と言われて、「確かに」って納得したこともありました。私個人としてもイジられるのは嫌じゃないし、友達関係も含めて、本当に信用できる人と深く関わるタイプです。

◆SNSに力を入れた理由と変化
― TikTokでは「根暗キャラ」や「守ってあげたくなる可愛さ」が反響を呼んでいますが、SNSに力を入れようと思った理由と、始めてからの変化を教えてください。

みすず:今の時代、SNSの力が本当にすごいなと感じます。話題になる人もSNSを活発にやっているし、私も真似してみようと始めました。占い師の時は、どこかに所属していればお客さんが来てくれたので、自己プロデュースの必要はほぼなかったんです。

― 始めてみて、明らかに変わった瞬間はありましたか?

みすず:お店で話しかけられることが増えました。スタッフや接客をしていないお客様からも、イジってもらえるようになりました。「根暗なんだ」「イジっても大丈夫なんだ」って、私のキャラを分かった上で絡んでくれるので嬉しいですね。

― SNSをやる前からついてくれているお客さんの反応はどうでしたか?

みすず:最初はすごく心配されました。多くの女の子は「世界で一番可愛い私」「六本木で一番輝いている私」というブランディングでSNSをやりますよね。
でも私は真逆で、「友達いません」「彼氏もいません」って低い声で喋って、自分を下げまくっていたので(笑)。お客様からは「自分を下げて大丈夫なの?」「何のためにやるの?バズるわけないじゃん」って最初は馬鹿にされました。でも続けていたら「すごいね!」と褒めてくれるようになりました。

― SNSをやる上で工夫している点はありますか?

みすず:リアクションや表情など、演じるというよりは「素の感じ」を見せるようにしています。

― お店での接客も素のままだから、無理がないですね。

みすず:そうですね。動画を観てお店に来てくれた人は、実際に会うと「思ったより明るかった」「実物の方が可愛かった」って言ってくれます(笑)。最初にハードルを下げておいてよかったなと思います!

◆みすず「人間関係を見直すきっかけになった」
― これまでのキャリアの中で「自分が成長した」と実感した瞬間や、人生のターニングポイントがあれば教えてください。

みすず:最初に働いていたお店で、すごくタチの悪いお客さんがいたんです。暴言を吐いたり、掲示板に嘘を書き込んだり。一番ひどかったのが、私の嘘や悪口を他の女の子たちにLINEして、その返事のスクショを私に送ってきました。

― それはキツイですね…。


みすず:最初は他のキャストさんに嫌われるかもって不安になったけど、逆にすごくフォローしてくれたんです。その人と話を合わせていたとしても、私に対しては「誰も信じてないから気にしないで大丈夫」って言ってくれました。

― 本来はライバル関係になりがちなキャスト同士ですが、味方でいてくれたんですね。

みすず:だからこそ、嫌なことをする人よりも自分のことを大事にしてくれる人、優しい人を大事にして働いていこうと前向きになれました。そのお客様がいなかったら、キャストの女の子たちがあんなに優しいなんて知らずにいたかもしれないので。

私がいないところで私のことを信じて守ってくれていたことが何より嬉しかったです。辛い経験でしたが、人間関係を見直すきっかけになり、成長できたと思います。

◆母の死を乗り越え強くなった瞬間
― 人生で一番辛かった経験と、それをどう乗り越えたかを教えてください。

みすず:19歳の時が一番辛かったです。母が急死してしまい、その直前に飼っていた犬も亡くなり、直後には仲の良かった祖母も亡くなって…。近しい存在が一気にこの世を去ってしまったんです。

― 立て続けに…。
それは相当辛いですね。

みすず:母が亡くなったショックが大きくて、少しうつ病のようになってしまいました。家に閉じこもって過食に走り、食べては吐くような状態で激太りしてしまって。「過食を治したい」と思って心療内科に行ったら、いろいろな検査の結果、ADHDの特性が強いと診断されました。過食もその特性の一つだったみたいで。

― それまで気づかずに?

みすず:全然。今までずっと太り気味で、ずっと自己管理ができない自分を責めていました。でも診断を受けて、「うまくいかなかったのはADHDのせいだったんだ」と、これまでの人生の悩みが腑に落ちました。薬を飲んだり治療を受けたりして痩せることもできたし、何より精神的にすごく楽になりました。自分は努力が足りないからだとも思い込んでいましたが、自分を過度に責める必要はなかったんだと理解できました。

― 原因が分かると気持ちが楽になりますよね。

みすず:本当にそうです。周りの人が当たり前にできることが自分にはできなくて、ずっと悩んでいたんですが、病気が原因だと分かってからは明るく捉えられるようになりました。妹や親友が支えてくれたことも大きかったです。どん底まで落ちましたが、そこから逆に生きるのが楽になりました。◆みすずの夢を叶える秘訣

― それでは最後に、今夢を追いかけている読者に向けて「夢を叶える秘訣」を教えてください。

みすず:「もう一人の自分で、自分を俯瞰(ふかん)して見ること」です。努力している時って、視野が狭くなったり、自分に酔っちゃったりしがちですよね。でも、他人を見るような視点で自分を俯瞰してみると、「まだ全然努力が足りないな」とか「ちょっと方向性が違うな」と冷静になれます。熱くなるのも大事ですが、私は常に冷静な視点を持っていたほうが、コンスタントに努力を続けられると思います。自分一人で突っ走ってしまうと、上手くいかなかった時の反動もしんどいですから。

― 軌道修正役を自分の中に置くイメージですか?

みすず:言語化が難しいんですが、そんな感じですね。冷静に見てくれるもう一人の自分を置くことで、熱くなりすぎず、正しい方向へ努力できるようにしています。

― 昔からそういう考え方なんですか?

みすず:基本的には昔から「常に人のことを考える」性格だからかもしれません。誰かのためになりたいと考えた時に、独りよがりに頑張っても上手くいかないので。

― みすずさんは、やっぱり人が好きなんですね。

みすず:そうなんです。コミュ障だけど、やっぱり人がめっちゃ好きなんですよね。だからこの仕事ができているんだと思います!

― ありがとうございました。
人間関係に悩み、母の死で心が折れかけても、自分を見つめ直しながら少しずつ立ち上がってきたみすず。コミュ障でありながら誰よりも人を大切にするその誠実さが、六本木で確かな存在感を放つ原動力になっているのだろう。(modelpress編集部)

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