【モデルプレス=2026/03/26】俳優の清原果耶(きよはら・かや/24)が、6月より世田谷パブリックシアターにて上演される『レディエント・バーミン Radiant Vermin』にて2度目の舞台に挑む。稽古がスタートする前の彼女にインタビューを実施し、約3年前に初舞台・初主演を飾った『ジャンヌ・ダルク』当時の心境や今回の舞台に懸ける思い、今後の活動についても聞いた。


◆「レディエント・バーミン Radiant Vermin」が再演へ

「夢の家を差し上げます」若夫婦が偶然知った、夢のような家に隠された秘密とは…?英劇作家・フィリップ・リドリー氏×白井晃氏のタッグでおくる、刺激的な3人芝居。不思議でブラックなコメディーが待望の再演となる。理想の家を探す若い夫婦オリーとジルを高橋一生吉高由里子、2人の前に現れる謎めいた不動産仲介人ミス・ディーをキムラ緑子が演じた2016年の初演から10年。6月に控える再演では、大きな秘密を抱えた「家」に翻弄される妻のジル役を清原、夫のオリー役を井之脇海、ミス・ディー役を池津祥子が演じる。

◆清原果耶、2度目の舞台に感じる魅力

白井氏とは、初舞台『ジャンヌ・ダルク』(2023年)以来2度目のタッグ。「この『レディエント・バーミン』という戯曲の世界に入るという想像が(オファーをもらった)当時は全くつかなかったので、楽しみな気持ちもありましたが、緊張感というか謎めいたものに飛び込むドキドキ感みたいなものはありました」とオファー当時の心境を率直に明かし「白井さんとのものづくりの時間はすごく心が豊かになる温かい時間だったので、またご一緒したいという思いでした」と柔らかな笑みを浮かべた。「人間が誰しも持っている欲望の矛先みたいなところに、すごく焦点が合っているのが面白いなと」本作の魅力を清原はそう語る。台本を読んだ時点から惹き込まれるポイントがあったという。

「『オリーとジルという夫婦がこういう話を巻き起こすけど、じゃあ実際に観ている私たちはどうなんだ?』というところを問いかけて残していくような物語の作りが魅力的だと思いました。置いていっているように見えて、でも手を繋いで最後まで歩いている感覚は舞台ならではだなと思いましたし、ジルに関しては『人間の愚かな欲望に呑まれていく様をこんなにも露呈しているのになぜ魅力的に見えるんだろう』と。そこの多面的な部分を表現することはすごく難しいし、ハードルが高いだろうと思いつつ、このジルという人間に触れてみたいという気持ちはすごく強くあったので、物語もそうですが、役柄としても挑戦だなという印象でした。私も印象でしかまだ分からない部分が多いですし、ジルに対しての偏見もあると思うので、稽古を重ねていって舞台に立った時に彼女の人生をちゃんと覗けるようにしたいと思います」

そんなジルに共感できる部分はあるかと問うと、少し悩みつつも「共感できるところというとすごく難しいですが、ジルの欲望の膨らみ方を理解することはもちろんできて」と答える。
「その欲望に取り込まれていく、振り回されていくジルが、すごく私の中では愛おしく思える部分があったりもします。でも愛おしく思った時点で、もうすでにこの作品の穴に落ちているような気もするし、自分事として思えるはずなのに客観的にも見てしまうような視点がすごく魅力的だと思いました。共感できる部分についてもこれから探していきたいと思っています」と作品の沼に落ちていくような魅力を感じながら、役と向き合っていきたいという意欲を示した。

◆清原果耶、3人芝居へのプレッシャーも共演者に寄せる期待

前回の舞台は100人以上のキャストが集結する大所帯だったのに対し、今回は3人芝居。「まだ稽古に入っていないのでなんとも言えないのですが『3人だよ』と言われた時は『3人しかいないのか』と正直思いました(笑)」と不安も抱えつつ「でも少ない人数で作り込むことができる複雑さ、みたいなものもあると思うので、稽古場に入ってみないと分からないですが、一投一投しっかり渡せそうというか、しっかり目を見て話すみたいな、そういう感覚になりそうなので楽しみです」と期待した。

夫婦役を務める井之脇は、映画での共演歴が2度あり「以前ご一緒させていただいた時から、すごく聡明で誠実で、現場でもとにかく穏やかな雰囲気を持っている方という印象です。白井さんの元でこの作品を一緒に作り上げられることが今はすごく楽しみです」と信頼を置く。また、池津とは初共演となるが「池津さんとははじめましてですが、先ほど廊下ですれ違いました。まだしっかりとお話しできていないですが、今回ご一緒できることがすごく楽しみです!」と朗らかな清原らしく、すでに2人とのコミュニケーションは順調に進んでいることがうかがえた。

◆清原果耶「宝物のような経験」初舞台回顧

読売演劇大賞で優秀女優賞・杉村春子賞も受賞した清原の初舞台『ジャンヌ・ダルク』を彼女は「すごく宝物のような経験になった」と振り返る。白井氏の演出は「とにかく丁寧で、分からないことも分かるであろうことも全部言葉にして教えてくださって。本当に右も左も分からない状態で稽古に臨み、小屋入りしていたので、とにかく寄り添ってくださる印象です」と話してくれた中で、今振り返って難しかったことはあるかと尋ねると、丁寧に向き合った大切な時間を1つずつ思い出すように口を開いてくれた。


「まず発声の仕方も分からなかったので、白井さんに稽古に入る前にマンツーマンで発声ばかり練習する時間を設けていただいて、何とか追いついていった記憶があります。色々なことが初めてだったので、全部が難しかったですし、上手・下手も忘れがちで、本当に今覚えているか分からないくらいです…(笑)。ただ、その都度白井さんやキャストの皆さん、スタッフの方々が教えてくださったのでそんなに難しいという気持ちを引きずることはなかったですし、序盤から楽しんで稽古していたと思います。

あと、衣装の早替えが難しかったですね。鎧に早く着替えなければいけないシーンが1つあって。1秒たりとも無駄にできないような早替えで、鎧も甲冑もパーツが多いので、スタッフさんと『左足から行って、こうして…最後にこれやったらOK』みたいなのを練習しました。本番は毎回ヒヤヒヤしながら『もうチームワークで乗り越えていくしかないよね』という気持ちで力を合わせて公演をやっていたという感じでした」

◆清原果耶、舞台と映像で変わらないスタンス

数々のドラマや映画で活躍してきた清原。2023年より舞台の世界に飛び込み、その素晴らしさを知った。「私はすごく稽古が好きで、どちらがいいという話ではないのですが、演劇・舞台の稽古だと何度も何度も同じシーンについて考える時間があるので、選択肢が毎日広がっていくというか。思いついた日があればそれを試したり、白井さんから何か言葉をもらって変えていったり。そういう『真剣なんだけど遊びのゆとりがある』という時間がすごく贅沢で私は好きでした」と舞台ならではの時間を愛おしむ。

そんな舞台の醍醐味は「毎日感覚が違うようなお芝居をできるというか、その日の自分のテンションもそうですが、何より見てくださっている方の空気感で、第一声も歩き方も違ってくるような緊張感と、繊細でフレッシュなものがやっぱり魅力」と微笑みつつ、映像と舞台で変わらず意識していることを聞くとすぐに答えが返ってくるところも、俳優としてぶれない清原の芯の強さを感じさせる。
「舞台だったら稽古場と、本番のその瞬間の感情を見逃さずにちゃんと汲んでいくこと。それは台本をしっかり読むというところから繋がってくることかなと思うのですが、今回だったら白井さんと井之脇さんと池津さんと話しながら皆で構想を広げていくことができたらすごく幸せなことかなと思います」と本作に向き合う自身の姿をすでに想像していた。

◆清原果耶の夢を叶える秘訣

これまでも俳優として様々な夢を叶えてきた清原に、モデルプレス読者へ届ける“夢を叶える秘訣”のメッセージを聞いてきた。過去には「努力を積み重ねること」「自分を信じること」「目標には固執しないこと」と答えてくれたが、再度同じ質問を投げかけると「やっぱり固執しないことというのは、今もそうなのではないかと思います」と一貫した考えを話してくれた。

「自分自身に囚われ続けると、そこから抜け出すのが大変なのではないかとなんとなく感じるので、自分に厳しすぎずに、時には息抜きもして、いろんなものに触れていくということが大事かなと思います。今本当に風邪が流行っているので(取材は1月に実施)結局健康が1番大事かなとも思います…。何をするにしても遊びに行くにしても、仕事で夢を叶えるにしても、自分の体を大事にできる日々が1番大切です」

デビューしてから10年以上。常に作品と真摯に向き合ってきた清原は、今回の舞台で成し遂げたいことも「後悔なくやりきることくらいです。本当にとても難しい役だと稽古に入る前から思っているので、逃げずに向き合い続けたいです」と言い切る。「稽古が始まるまで健康でいるということがまず1つと、この作品を無事に終えるということが大事です。こうして取材にも参加させていただき、いよいよこの作品が始動していく感覚が自分の中でもあるので、稽古も本番も全部大事に全うしたいなと思っています」と明るく語る姿も彼女らしい。最後に「10年後・20年後にはどうなっていたいですか?」と現時点での理想を聞いてみた。
彼女のとてもシンプルでありながら、それでいて力強い言葉に、輝かしい未来を確信せざるを得なかった。

「元気で芝居を続けていられればいいかな…。『何になりたい』とか『どこにいたい』とかはあまりないので、その時芝居が好きでそういう環境に自分が身を置けているのならば頑張っていてほしいと思います。元気な間はずっとお芝居したいと思っています」

◆清原果耶インタビューこぼれ話

ジルについて「欲望の膨らみ方は理解できる」と話す清原さんに「ご自身の経験の中で『こういう時にすごい自分の欲望を抑えられない』ということはありますか?」と聞くと「『食べたいと決めたものは食べたい』ぐらいです(笑)」と意外な答えが。「『(仕事が)終わったらこれ食べよう。これ絶対に作りたい』みたいな欲もあるし、撮影の合間に美味しそうな焼き菓子屋さんを見つけちゃうと、絶対に休憩時間に買いに行きたいとか結構強くあるタイプです」とうきうきしながら話されていて、等身大の可愛らしい一面が垣間見えた瞬間でした。また夢を叶える上でも「1番大事」だという健康を保つために「とにかく温かい飲み物をいっぱい飲むことはしています」という清原さん。「10分に1回くらい飲んだ方がいいと聞いたのでこまめに水分を摂っています。あとはお風呂に浸かること。そういう小さいことを積み重ねていきたいと思っています!」と小さくファイティングポーズをしながら笑顔で明かしてくれました。(modelpress編集部)

◆清原果耶(きよはら・かや)プロフィール

2002年1月30日生まれ、大阪府出身。「アミューズオーディションフェス2014」でグランプリを受賞し、NHK連続テレビ小説「あさが来た」(2015~2016年)で俳優デビュー。
2021年放送のNHK「おかえりモネ」でヒロインを務める。近年の主な出演作は、ドラマ「ファイトソング」(TBS系/2022年)、「霊媒探偵・城塚翡翠/invert 城塚翡翠倒叙集」(日本テレビ系/2022年)、「マイダイアリー」(ABC系/2024年)「初恋DOGs」(TBS系/2025年)、映画「片思い世界」(2025年)、Netflixシリーズ「イクサガミ」(2025年)など。2023年に初舞台「ジャンヌ・ダルク」にて主人公であるジャンヌ・ダルクを演じ、読売演劇大賞で優秀女優賞・杉村春子賞を受賞した。

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