◆八乙女光、宮城県の変化明かす
宮城県亘理町のいちご農家の長男で、東京の大学への進学を決め、故郷を離れていたある日、亘理町が津波に襲われ、父母、祖母、弟を含む家族全員が行方不明になってしまう谷川晃を演じる八乙女は「(家族を)失ってから時間は経つのですが、家族との時間は止まったままで、そこにいろいろな悩みを抱えながら、それでも前を向くという、“生きる”ということをすごいテーマにした役柄でございます」と自身の役どころを紹介。
主人公の故郷である亘理町に実際に訪れたという八乙女は「僕は宮城出身で、小さい頃から亘理に遊びに行ったり、海水浴とか行ったことがあるんですけど、“きれいになってしまった”という印象でした」と胸の内を明かし、「震災前は漁師さんがいたり、もっと船があったり、ごちゃごちゃとした町があったんですけど、今はすごくきれいで、塗装もしっかりされていて、それは復興の表れではあるんですけど、それが心のどこかにある虚しさをくすぐるような景色に映りました。でも海は何も悪くないので、ただただきれいだなという風に感じました」としみじみと語った。
加えて、実際に亘理町でいちご農家を営んでいる方にも話を聞いたそうで「この作品に出てくるいちご農家と本当に似ている形で、ご家族でやられていて、数人でやられているんですけど、すっごい広いいちごハウスなんですよ。だけど、震災があってここまで持ってこられたっていうのは、本当にすごい気力が必要だったと思います」と感嘆し、「どうして今までいちごを育てるのを続けられたんですかと聞いたんですけど、『毎年、同じいちごは作れない』っておっしゃったんです。それって僕が舞台をやるにあたって、舞台って毎日同じ芝居をやるんですけど、絶対に毎日同じ芝居ってできないじゃないですか。“あ、いちごと舞台ってこういう共通点があるんだ”って不思議な思いがしました」と語った。
また、MCを務めた笠井信輔アナウンサーが先日、稽古場を訪れた際に、1つのシーンに1時間半かけて稽古をしていたそうで、演出の鈴木氏の厳しさをどう受け止めているか尋ねられた八乙女は「僕も台本を読んで、言葉がすごく大切だったり、よりリアルに変えなきゃいけないとすごく思うので、1つのシーンに1時間かかるというのは、この作品の中では当たり前なのかなと思っております。それぐらいかけないと、みんな腹に落として芝居はできないなと。“芝居とリアルの狭間”を演じるぐらいの気持ちでいます」と吐露した。
◆舞台「⼩さな神たちの祭り」
本作は、東⽇本⼤震災で家族を失った⻘年が、喪失と向き合いながら、周囲との絆と家族愛の中で再び前へ踏み出していく姿を描く作品。東⽇本⼤震災から15年。
3月30日~4月20日に東京グローブ座にて、4月24日に福島・けんしん郡山文化センター 大ホール、4月30日~5月4日に大阪・森ノ宮ピロティホールにて、5月10日に岩手・トーサイクラシックホール岩手にて、5月14日~15日に愛知・COMTEC PORTBASEにて、宮城・東京エレクトロンホール宮城にて上演される。(modelpress編集部)
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