土居聖香(本誌ライター)

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現代の日本人はとにかく忙しい。限られた時間の中で、自分のやれることを最大化するという「時間効率化・時間対効果」、タイムパフォーマンス(タイパ)を意識する人が増加していると感じる。


日本インフォメーション株式会社が行った調査によると、日々の生活の中で時間に追われている感覚がある人の割合が53.2%と半数以上にも上り、常に何かに急かされている人が多いというデータが出ている。また、同調査において、タイムパフォーマンスを意識して何か行っていることがあるか? という質問に対し一人平均で2.7つはタイムパフォーマンスを意識した行動をしており、中でも「ながら動画視聴」や「ネットショップ・ネットスーパーの利用」「動画の倍速視聴/10秒スキップしながらの視聴」など、常に効率を意識した動きが求められている現代の実態を表している。

これほどまでに日々の生活に追われる忙しい現状を理解しながらも、自分の将来の設計について考えることを忘れてはならない。なぜなら、目の前のことだけを意識してがむしゃらに過ごすあまり、あっという間に老後を迎えてしまい、老後を過ごす資金に心もとなさを感じる、というケースも少なくないように感じるからだ。しかし現代において、ただでさえ目の前のことが忙しいのに、将来の資産形成に手を回している暇はない、と考えている人も多いのではないだろうか。

そんな人におすすめしたいのが、FX自動売買である。FX(外国為替証拠金取引)と聞くと、ややこしそうなチャート画面をイメージしてしまい、「なんだか難しそう」「忙しい自分にはできるわけがない」とハードルを感じてしまう人も多いのではないだろうか。

しかし、FXは通貨同士の売買による差益を狙う、いたってシンプルな取引であり、正しい知識を身に着けたうえで、適切な証券会社を選ぶことで、初めての方でも気軽に取り組むことができる。また、中でもFX自動売買はタイムパフォーマンスに優れた投資方法であり、「効率的に資産形成をしたい」と考えている人にとっては非常に心強い味方になってくれるサービスである。

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本稿では「忙しい現代人に最適な資産形成」としてFX自動売買の魅力を徹底的に解説をしたうえで、FX自動売買に興味を持った人が、安心して始められるように、FX自動売買を導入している証券会社をいくつか比較し、最適な証券会社を検討したい。

<FXは難しそうは思い込み?>

FXに尻込みをしてしまう理由としては、FXが難しそうに思え、知識をつけたり勉強をしたりする時間が確保できない、という理由が大きいのではないだろうか。

しかし、FX自体は、為替相場の値上がりや値下がりで利益を上げるという行為にすぎない。
日本円とドル、ユーロ、ポンドなど、異なる通貨同士の交換レート差を利用して利益を狙うという単純な仕組みであり、難しさを感じる要素はない。

NISAが投資信託をコツコツ積み上げて保有し、長期で利益を狙う投資であるのに対し、FXは日々変動する為替相場で細かく売買し続けることで利益を狙う投資である。

売買などの判断の頻度が投資信託と比較をすると多いため、少しハードルを感じてしまう人は多いだろう。投資に不慣れな日本人であれば尚更だ。しかし実はFXの正しい知識を身に着けることはそれほど難しいことではない。また、自分なりのルールを定めて取引を進めれば、過度なリスクを背負うことなく、安心して取り組むこともできる。

「自分なりのルール」とは、例えば、「この価格を下回ったら、なにがあっても決済してしまう」、という損切りルールを定めておくことである。誰しも自分の思惑と反対の値動きをしたときは不安を感じるものだが、その際に不安な感情に任せて取引をしてしまうと、判断を誤り、大きな損失を出してしまう可能性がある。そのような感情による損失リスクを最小限に抑えるために、あらかじめ定めたルールだけに基づいて淡々と取引をしていくのが重要なのだ。ただし、このルールを守ることが初心者にはなかなかハードルが高いともいえる。

そこでさらなる“安心感”と“タイムパフォーマンス”を求めるあなたに本稿でおススメをしたいのが、FX自動売買の利用だ。FX自動売買とは、その名の通りFX取引を「自動で」行う仕組みである。
あらかじめ「◯◯円になったら買う」「◯◯円になったら売る」などのルールを設定することで、24時間自動的に取引を行ってくれるサービスだ。

自動売買を利用することで、一日中チャートを見続ける必要もなく、「そろそろ下がるかも」「今が売り時かもしれない」などといった感情や環境に売買のタイミングや決断を翻弄されることもない。要は、自動売買を用いることで、自分のルールに従い一時の感情での判断を排除する事ができるというわけだ。

自分が働いているとき、食事をしているときも寝ているときも24時間自動で取引が行われるので、自分がいちいち指示を出さなくても裏側で常にコツコツと資産の積み上がりを期待できる。
だからこそ、知識も時間もない現代人が安心して資産形成を行うのであれば、FX自動売買を始めることをお勧めしたい。

これまでFX自動売買を活用するメリットを解説してきたが、次に問題になるのは「どの証券会社でFX自動売買を始めれば良いのか?」という点だ。自動売買を提供している証券会社は複数あり、各社特徴が異なる。そこでまず、証券会社を比較する際のポイントを整理し、その上で実際にFX自動売買を提供する主要証券会社を比較してみよう。

<FX自動売買を選ぶときに見るべきポイント>

FX自動売買は初心者でも取り組みやすいサービスだが、提供している証券会社を間違えてしまえば、本来得られるはずのメリットを最大化できなくなる可能性がある。どのように取引をするかにばかり目が行ってしまいがちだが、実はどの証券会社で取引をするのかも非常に重要な要素なのだ。

たとえば売値と買値の差である「スプレッド」が広い証券会社を選んでしまうと、取引コストが大きくなり、利益を伸ばすことが難しくなる。また、最低取引額が大きい証券会社を選ぶと、取引のハードルが高くなり、なかなか初心者では手を出しづらくなってしまう。


そこでここからは、FX自動売買の証券会社を選ぶときにチェックすべき代表的なポイントを整理する。そのうえで各ポイントについて、最適な証券会社を検討していく。

*比較ポイント①自動売買を提供しているか

大手証券会社であっても、FX自動売買を提供していない会社は少なくない。通常のFXは相場が変動したタイミングを見計らってトレードする必要があるため、忙しい現代人が取り組むのは難しい。そのため、まずは自動売買を提供しているか、という観点で判断する必要がある。

ちなみに、FX自動売買を提供している主要業者は以下になる。

・楽天証券(楽天MT4)
・松井証券(MATSUI FX)
・マネースクエア(トラリピFX)
・インヴァスト証券(トライオートFX)
・トレイダーズ証券(みんなのシストレ)

そのため、ここからの比較項目については、上記の会社を比較していく。

*比較ポイント① 自動売買の最小取引単位

FXでは、通貨ペアごとに1万通貨や1,000通貨など最小取引単位が決まっていることが多い。当たり前だが、なるべく小さい取引単位で始められる方がリスクを抑えやすい。例えば1通貨や100円相当といった少額から取引できると、初心者でも気軽にお試し運用ができる。最初の取引のハードルを引き下げるためにも、最小取引単位についてはしっかり確認してほしい。実際に最小取引単位を比較すると以下だ。


・楽天証券(楽天MT4):1,000通貨単位から取引可能
・松井証券(MATSUI FX):1通貨単位、 100円相当から取引が可能で、FX初心者でもごく少額から始められる。
・マネースクエア(トラリピFX):1,000通貨単位から取引可能
・インヴァスト証券(トライオートFX):1,000通貨単位から取引可能
・トレイダーズ証券(みんなのシストレ):1,000通貨単位から取引可能

*比較ポイント②取引コスト

取引をする際には様々なコストがかかる。証券会社によってコストのかかり方はさまざまであるため、しっかり比較をする必要がある。

FXの取引コストには、売値と買値の差である「スプレッド」と口座維持手数料や売買手数料などの各種手数料が存在する。スプレッドが広いほど、利益を上げるハードルは高くなってしまうため、できるだけスプレッドが狭い会社を選ぶことが重要だ。

口座維持手数料や売買手数料などの各種手数料は無料としている証券会社も多いが、中には手数料のかかる証券会社も存在する。スプレッド同様、このコストを気にするかしないかで将来的な利益に大きな差が生まれる可能性があるため、しっかりチェックすることを忘れずに。そのうえで総合的に見て費用が抑えられるかを確認しよう。スプレッドと各種手数料の比較は以下の通りだ。

(1)スプレッド

・楽天証券(楽天MT4): (米ドル/円)記載なし(ユーロ/円)1.1銭(メキシコペソ/円)0.7銭
・松井証券(MATSUI FX): (米ドル/円)0.2~0.9銭(ユーロ/円)0.5銭 (メキシコペソ/円)0.3銭
・マネースクエア(トラリピFX):スプレッドは公表されていない
・インヴァスト証券(トライオートFX):(米ドル/円)0.3銭~(ユーロ/円)0.5銭~ (メキシコペソ/円)0.5銭~
・トレイダーズ証券(みんなのシストレ):(米ドル/円)0.2銭(ユーロ/円)0.4銭 (メキシコペソ/円)0.3銭

(2)各種手数料

・楽天証券(楽天MT4):各種手数料0円
・松井証券(MATSUI FX): 各種手数料0円
・マネースクエア(トラリピFX):各種手数料0円
・インヴァスト証券(トライオートFX):各種手数料0円
・トレイダーズ証券(みんなのシストレ):各種手数料0円

こうして見てみると、少額取引については1,000通貨単位からという会社が一般的なのに対し、松井証券は100円という金額で始められる点が特徴的だ。これはリスクを最小限に抑えながら、実際の相場に触れて経験を積むのに最適である。FXに対する不安感が拭えない初心者にとって、「たった100円からなら試してみようかな」と思えるのは、始めるうえで非常にありがたい。


各種手数料は他社でも無料のところはあるが、スプレッドは、業界最狭水準を謳っている通り、松井証券は、主要通貨ペアで常にかなり狭い数値が提示されており、取引コストも抑えやすい。つまりコスト面を考えると、主要各社での比較では松井証券が最も得られた利益を手元に残すことができると言えるだろう。

他にも、松井証券では上級者の設定をWeb上で公開しており、その設定を丸々真似することが可能だったりと、時間も知識もない人が安心して自動売買を始めるうえでの条件を多く満たしている。もちろん、慣れてきたら上級者以上の複雑な設定にも挑戦できるため、初心者からベテランまで幅広い層に対応できるのも強みである。

以上を踏まえると、松井証券は「FX自動売買を効率よく、リスクやコストを抑えてなるべく簡単に始めたい」というユーザーのニーズに合致しているといえるだろう。

<初心者でも安心のFX自動売買>

忙しい現代において、いかに効率よく自分の将来的な資産を形成するか、という問題は今後一生ついて回る問題だと筆者は考える。FX自動売買はそんな忙しい現代人に非常におすすめの取引であるのにもかかわらず、「なんとなく難しそう」というイメージだけで敬遠されがちだ。しかし、それはFXという商品自体が難しいのではなく、単に仕組みやリスク管理が正しく理解されていないことが原因である。正しい知識を身につけ、信頼できる証券会社を選び、さらに自動売買を活用すれば、初心者でも安心して取引を始めることは十分に可能だ。

日々の自分の時間や生活も大切にしながら、将来的な資産形成を始めたい。しかし最初は知識がないから不安である、という人はまずは少額からでも試せる松井証券のFX自動売買を検討することをお勧めする。

知識のない初心者でも安心感を得やすい自動売買を活用し、上級者の設定を取り入れながらコツコツと経験を積んでいくことで、FXならではの運用の面白さと可能性を実感できるはずである。
本稿が忙しい現代人の効率的な資産形成の参考になれば幸いだ。
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