岡部遼太郎(ライター)
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コロナ禍以降、人々の価値観は多様化している。多くの方が世の中に対して、何が起きるのか予測できないという不安感をどこかに感じているのではないだろうか。
それと連動するように、余暇の過ごし方も多様化している。例えばかつて余暇の定番であったパチンコを見てみよう。「レジャー白書2024」によれば、パチンコの参加人口は2023年から2024年にかけて、110万人も減少し、過去30年で最も低い数値となっている。
高いリスクをとって一発大きな金額を稼ごうとするのではなく、リスクを限りなく抑えて、安定的な生活を望む人が増えていることの表れではないだろうか。ただ、安定的な生活をしたいのであれば、貯金だけではなくしっかりと資産形成をしていく必要もある。しかし、コツコツと積み立てるタイプの投資、いわゆる積立NISAなども、突然の出来事で相場が大きく変動するリスクがあるため、短期売買等も駆使して行く必要があると筆者は考えている。
短期売買で資産形成と聞いて思い浮かぶのは、FX(外国為替証拠金取引)ではないだろうか。しかし、FXと聞くと、どうしてもギャンブル的なものだと勘違いされることが多い。そのような勘違いから、一歩踏み出せていない人は多い。
実際に、2024年2月にオリコン・モニターリサーチが実施した調査によれば(20代~60代の男女500人)、投資による資産運用に対して7割近くが「興味あり」と回答したが、一方で、少額で投資が可能であることは知りつつも「FXを始めることに障壁を感じる」と回答した人は82.6%(非常に強く感じる45.4%・やや感じる37.2%)と高い数値を示した。
「投資はしたいが、FXは障壁を感じてチャレンジできない」という状態になっているというわけだ。
FXに障壁を感じている層の中には、「少ない元手で、短期間で大きな利益を得られる」というイメージが先行していることで、FXのことを「ギャンブル性のある取引」のように思っている人が多い。
しかし、正しい知識がある人からすれば、FXはギャンブルとは全く性質が異なり、戦略をもって取り組むことで、高い勝算をもって取り組める可能性を秘めている。
そこで本稿では、安定した生活をしたい人に向けて、FXの正しい理解を促進し、資産形成の1つの手段としてFXがおススメである理由を解説していく。
<FXは合理的な分析が必要な投資>
FXに取り組んだことのない人には違いが分かりづらいかもしれないが、FXとギャンブルは全く違う。ギャンブルとは「結果が偶然や運に大きく左右され、合理的分析による勝率の向上が難しい行為」である。
一方、FXは投資の一種であり、投資とは「合理的な分析に基づき、将来的なリターンを期待して資金を投じる行為」である。ギャンブルは「偶然や運に基づく行為」であるのに対し、投資とは「合理的な分析に基づいた行為」なのだ。また、FXは分析に基づいて戦略的に運用をする能力が求められ、経験を積めば積むだけ勝率を上げることが期待できる。
そのため、投資の世界には、戦略を基に堅実に資産を増やす投資家などが一定数存在している一方で、運に左右されるギャンブルにおいては、無敗のギャンブラーなどは基本的にいない。
また、ギャンブルが大きな当たりを短期間で狙っているのに対し、FXは小さな取引を細かく行い、中長期的な目線で資産形成を狙えるという点も、大きな違いと筆者は考えている。運任せで短期に大きな当たりを狙うか、それとも戦略を基に、細かい取引の積み重ねで成功を狙うか、ギャンブルとFXは本質的には全く異なるものだと捉えて良いだろう。
もちろん、FXを始めとした全ての投資は、利益が確実に約束されているものではない。しかし、FXに限らず、投資は十分な知識や経験があれば、勝率を上げることが期待でき、その点でギャンブルとは一線を画すものである。確かに何の知識もない人にとっては、宝くじのようなものに思えるかもしれない。
しかし、FXは細かい要素で利益を予測し、確定させてゆく、いわば職人芸的な専門性により、利益の積み上げが期待できる投資手法である。特に、元手が少ない投資家にとってFXは非常におすすめな選択だ。とはいえ、「FXの知識も経験もない。投資には詳しくない。だからFXは向いていない」と考える人は多いかもしれない。
しかし、そんな方でも、気軽に取り組めるサービスが最近話題となっている。それが「FX自動売買」だ。FX自動売買とは、あらかじめ売り買いするタイミングなどのルールを設定しておき、あとは自分が見ていなくても、自動的にFXの売買を行ってくれる、という仕組みのサービスである。どの通貨ペアを、どの価格帯で、どのタイミングで売買するかを細かく設定できるのだ。
FX自動売買がおススメの理由は以下だ。
(1)自分がチャートや取引画面を見られない時でも取引ができ、利益を逃すリスクや、損失を拡大させるリスクを回避しやすい
(2)「勝った、負けた」の感情による取引をさせず、感情に左右されない取引が可能
(3)投資上級者の設定が公開されており、知識がなくても上級者と同じ戦略で運用ができる
つまり「FX自動売買」を利用することで、投資を単なる「感情」や「運」ではなく、「分析」と「戦略」に基づいた資産運用を実践することができるようになるのだ。
<FX自動売買をするならどの証券会社?>
それではここからは、FX自動売買を始めるのであれば、具体的にどの証券会社で始めるべきなのかについて、国内主要ネット証券である、楽天証券、SBI証券、松井証券を比較し、検討をしていく。
*自動売買の有無について
証券会社によっては、FX自体の提供はしているものの、FX自動売買の提供をしていない場合もある。今回は知識がない人がまずFXに取り組むことを前提に考えているので、自動売買に対応をしているかが最低条件となる。以下が各証券会社のFX自動売買の有無だ。
・SBI証券:自動売買無し
・楽天証券:自動売買あり
・松井証券:自動売買あり
大手では松井証券、楽天証券の2つからの選択となる。SBI証券が提供していないことには少し驚きだ。
*最小取引単位
最小取引単位とは、1取引を始められる最小の単位のことである。ここが小さければ1回の取引を低額で始めることができ、最初のハードルを下げて取引が可能である。以下が各証券会社の最小取引単位だ。
・SBI証券: 1通貨
・楽天証券:1,000通貨
・松井証券:1通貨
楽天証券が1,000通貨からなのに対し、SBI証券と松井証券は1通貨から取引が可能だ。
*取引コストなどの各種手数料
FXをするにあたっては様々なコストを支払う必要がある。コストの大小によって、利益が大きく変わってくるので注意が必要だが、今回比較をしている3社に関してはそこのコストが無料となっている。さすがというべきだが、直近はどの証券会社も基本的に手数料無料になっている傾向があり「無料が当然」と考えるべきだろう。
最も重要なのが取引コストになるスプレッドだ。スプレッドとは、FX取引における 買値と売値の価格差を意味する。このスプレッドが狭いほど、取引コストが安いと言え、取引で得た利益をより多く手元に残すことができる。
スプレッドの狭さを比較するために、代表的な通貨を一部抜粋し、比較をしていく。
・SBI証券:(米ドル/円)0.2銭~(豪ドル/円)0.6銭~ (ユーロ/円)0.5銭~
・楽天証券:(米ドル/円)0.2銭~(豪ドル/円)0.6銭~ (ユーロ/円)0.5銭~
・松井証券:(米ドル/円)0.2銭~(豪ドル/円)0.4銭~(ユーロ/円)0.4銭~
やはりどこも人気の証券会社だけあって、拮抗している。米ドル/円については、差がつかない。
以上から、どの証券会社が適切なのかについて述べると、松井証券が良いのではないかと判断ができるだろう。自動売買に対応しているかつ、1通貨でFXを楽しむことができ、取引コストも最も抑えることができる。
松井証券と言えば、1918年創業で100年以上の歴史を持ち、ネット証券やFX分野への進出も早く、大手証券会社の中ではネット取引でもFXでも、そして自動売買でもパイオニア的なポジションにある。その信頼感は極めて高く評判も良い。
本稿では、ギャンブルとFXのような投資を混同しがちな人を対象にその違いをわかりやすく説明した。一見似たものと捉えがちだが、運任せのギャンブルに対して、分析と戦略が重視されるFXとは本質的に大きく異なるものである。
FXは自動売買を使うことで、さらに可能性を広げることもできる。また、FXに取り組む中で大きな取引をしたくなった時にはレバレッジを、1倍、5倍、10倍から最大25倍までとかなり幅広く設定できるため、柔軟に取引を楽しむことができる。少額で始められる資産運用を探している方は、FX、それも自動売買で取引を是非始めてみてほしい。
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コロナ禍以降、人々の価値観は多様化している。多くの方が世の中に対して、何が起きるのか予測できないという不安感をどこかに感じているのではないだろうか。
株式会社マイナビの「2025年卒大学生就職意識調査」によると、企業志向を問う設問において、大手企業志向の回答が3年ぶりに半数を超えた。物価高騰や円安などの先行きの見えない不安から、安定的な人生設計を希望する人が増えているのだろう。
それと連動するように、余暇の過ごし方も多様化している。例えばかつて余暇の定番であったパチンコを見てみよう。「レジャー白書2024」によれば、パチンコの参加人口は2023年から2024年にかけて、110万人も減少し、過去30年で最も低い数値となっている。
高いリスクをとって一発大きな金額を稼ごうとするのではなく、リスクを限りなく抑えて、安定的な生活を望む人が増えていることの表れではないだろうか。ただ、安定的な生活をしたいのであれば、貯金だけではなくしっかりと資産形成をしていく必要もある。しかし、コツコツと積み立てるタイプの投資、いわゆる積立NISAなども、突然の出来事で相場が大きく変動するリスクがあるため、短期売買等も駆使して行く必要があると筆者は考えている。
短期売買で資産形成と聞いて思い浮かぶのは、FX(外国為替証拠金取引)ではないだろうか。しかし、FXと聞くと、どうしてもギャンブル的なものだと勘違いされることが多い。そのような勘違いから、一歩踏み出せていない人は多い。
実際に、2024年2月にオリコン・モニターリサーチが実施した調査によれば(20代~60代の男女500人)、投資による資産運用に対して7割近くが「興味あり」と回答したが、一方で、少額で投資が可能であることは知りつつも「FXを始めることに障壁を感じる」と回答した人は82.6%(非常に強く感じる45.4%・やや感じる37.2%)と高い数値を示した。
「投資はしたいが、FXは障壁を感じてチャレンジできない」という状態になっているというわけだ。
FXに障壁を感じている層の中には、「少ない元手で、短期間で大きな利益を得られる」というイメージが先行していることで、FXのことを「ギャンブル性のある取引」のように思っている人が多い。
しかし、正しい知識がある人からすれば、FXはギャンブルとは全く性質が異なり、戦略をもって取り組むことで、高い勝算をもって取り組める可能性を秘めている。
そこで本稿では、安定した生活をしたい人に向けて、FXの正しい理解を促進し、資産形成の1つの手段としてFXがおススメである理由を解説していく。
<FXは合理的な分析が必要な投資>
FXに取り組んだことのない人には違いが分かりづらいかもしれないが、FXとギャンブルは全く違う。ギャンブルとは「結果が偶然や運に大きく左右され、合理的分析による勝率の向上が難しい行為」である。
一方、FXは投資の一種であり、投資とは「合理的な分析に基づき、将来的なリターンを期待して資金を投じる行為」である。ギャンブルは「偶然や運に基づく行為」であるのに対し、投資とは「合理的な分析に基づいた行為」なのだ。また、FXは分析に基づいて戦略的に運用をする能力が求められ、経験を積めば積むだけ勝率を上げることが期待できる。
そのため、投資の世界には、戦略を基に堅実に資産を増やす投資家などが一定数存在している一方で、運に左右されるギャンブルにおいては、無敗のギャンブラーなどは基本的にいない。
また、ギャンブルが大きな当たりを短期間で狙っているのに対し、FXは小さな取引を細かく行い、中長期的な目線で資産形成を狙えるという点も、大きな違いと筆者は考えている。運任せで短期に大きな当たりを狙うか、それとも戦略を基に、細かい取引の積み重ねで成功を狙うか、ギャンブルとFXは本質的には全く異なるものだと捉えて良いだろう。
もちろん、FXを始めとした全ての投資は、利益が確実に約束されているものではない。しかし、FXに限らず、投資は十分な知識や経験があれば、勝率を上げることが期待でき、その点でギャンブルとは一線を画すものである。確かに何の知識もない人にとっては、宝くじのようなものに思えるかもしれない。
しかし、FXは細かい要素で利益を予測し、確定させてゆく、いわば職人芸的な専門性により、利益の積み上げが期待できる投資手法である。特に、元手が少ない投資家にとってFXは非常におすすめな選択だ。とはいえ、「FXの知識も経験もない。投資には詳しくない。だからFXは向いていない」と考える人は多いかもしれない。
しかし、そんな方でも、気軽に取り組めるサービスが最近話題となっている。それが「FX自動売買」だ。FX自動売買とは、あらかじめ売り買いするタイミングなどのルールを設定しておき、あとは自分が見ていなくても、自動的にFXの売買を行ってくれる、という仕組みのサービスである。どの通貨ペアを、どの価格帯で、どのタイミングで売買するかを細かく設定できるのだ。
FX自動売買がおススメの理由は以下だ。
(1)自分がチャートや取引画面を見られない時でも取引ができ、利益を逃すリスクや、損失を拡大させるリスクを回避しやすい
(2)「勝った、負けた」の感情による取引をさせず、感情に左右されない取引が可能
(3)投資上級者の設定が公開されており、知識がなくても上級者と同じ戦略で運用ができる
つまり「FX自動売買」を利用することで、投資を単なる「感情」や「運」ではなく、「分析」と「戦略」に基づいた資産運用を実践することができるようになるのだ。
<FX自動売買をするならどの証券会社?>
それではここからは、FX自動売買を始めるのであれば、具体的にどの証券会社で始めるべきなのかについて、国内主要ネット証券である、楽天証券、SBI証券、松井証券を比較し、検討をしていく。
*自動売買の有無について
証券会社によっては、FX自体の提供はしているものの、FX自動売買の提供をしていない場合もある。今回は知識がない人がまずFXに取り組むことを前提に考えているので、自動売買に対応をしているかが最低条件となる。以下が各証券会社のFX自動売買の有無だ。
・SBI証券:自動売買無し
・楽天証券:自動売買あり
・松井証券:自動売買あり
大手では松井証券、楽天証券の2つからの選択となる。SBI証券が提供していないことには少し驚きだ。
*最小取引単位
最小取引単位とは、1取引を始められる最小の単位のことである。ここが小さければ1回の取引を低額で始めることができ、最初のハードルを下げて取引が可能である。以下が各証券会社の最小取引単位だ。
・SBI証券: 1通貨
・楽天証券:1,000通貨
・松井証券:1通貨
楽天証券が1,000通貨からなのに対し、SBI証券と松井証券は1通貨から取引が可能だ。
楽天証券の名誉のために、1つ伝えておくと、1,000通貨とは決して大きい数字ではない。SBI証券と松井証券の1通貨が低すぎるのだ。そのため、まだ取引に慣れていない方は、1通貨の取引を行える証券会社で始めるとよいだろう。
*取引コストなどの各種手数料
FXをするにあたっては様々なコストを支払う必要がある。コストの大小によって、利益が大きく変わってくるので注意が必要だが、今回比較をしている3社に関してはそこのコストが無料となっている。さすがというべきだが、直近はどの証券会社も基本的に手数料無料になっている傾向があり「無料が当然」と考えるべきだろう。
最も重要なのが取引コストになるスプレッドだ。スプレッドとは、FX取引における 買値と売値の価格差を意味する。このスプレッドが狭いほど、取引コストが安いと言え、取引で得た利益をより多く手元に残すことができる。
スプレッドの狭さを比較するために、代表的な通貨を一部抜粋し、比較をしていく。
・SBI証券:(米ドル/円)0.2銭~(豪ドル/円)0.6銭~ (ユーロ/円)0.5銭~
・楽天証券:(米ドル/円)0.2銭~(豪ドル/円)0.6銭~ (ユーロ/円)0.5銭~
・松井証券:(米ドル/円)0.2銭~(豪ドル/円)0.4銭~(ユーロ/円)0.4銭~
やはりどこも人気の証券会社だけあって、拮抗している。米ドル/円については、差がつかない。
豪ドル/円とユーロ/円のペアを見ると、松井証券が最も狭いことが見て取れる。
以上から、どの証券会社が適切なのかについて述べると、松井証券が良いのではないかと判断ができるだろう。自動売買に対応しているかつ、1通貨でFXを楽しむことができ、取引コストも最も抑えることができる。
松井証券と言えば、1918年創業で100年以上の歴史を持ち、ネット証券やFX分野への進出も早く、大手証券会社の中ではネット取引でもFXでも、そして自動売買でもパイオニア的なポジションにある。その信頼感は極めて高く評判も良い。
本稿では、ギャンブルとFXのような投資を混同しがちな人を対象にその違いをわかりやすく説明した。一見似たものと捉えがちだが、運任せのギャンブルに対して、分析と戦略が重視されるFXとは本質的に大きく異なるものである。
FXは自動売買を使うことで、さらに可能性を広げることもできる。また、FXに取り組む中で大きな取引をしたくなった時にはレバレッジを、1倍、5倍、10倍から最大25倍までとかなり幅広く設定できるため、柔軟に取引を楽しむことができる。少額で始められる資産運用を探している方は、FX、それも自動売買で取引を是非始めてみてほしい。
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