岡部遼太郎(ライター)

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例年にもまして猛暑になると言われる今年の夏。ママさんにとっては悩ましいシーズンの到来だろう。
そう、夏休みだ。この暑さで外で遊ぶというのは熱中症リスクなどを考えると、とても危険であり、1日家で過ごさざるを得ないという方も多いのではないだろうか?この時期は、家庭を守るママたちのゆっくりする時間がさらに減ってしまう恐怖の期間となっているのである。

そして、夜更かしして朝方まで電気をつけっぱなし・・・なんていう家庭も珍しくない。子どもたちにとっては嬉しい夏休みも、家計を守るママにとっては、生活費が急激に跳ね上がる頭が痛い季節でもあるというわけだ。

もちろん、暑さ対策としてイメージされるエアコンだけでなく、洗濯回数も激増するだろう。そして、これだけの暑さであればシャワーの使用頻度も飛躍的に高まり、光熱費も急激に上昇するのが夏休みだ。

「スマートマネーライフ」の調査によれば(回答数450人)、82%の人が固定費の節約した経験があるという。物価高騰と社会保障費の上昇が生活を圧迫している中、庶民にとっての安定的な生活防衛の手段が固定費の削減と言っても過言ではない。調査では固定費削減の上位3つは(1)スマホ料金(2)電気料金(3)ガス料金、となっている。

キャリアを大手から格安スマホに変更することでスマホ料金は比較的簡単に削減することができるが、電気やガスといった公共料金は手続きの複雑なイメージが強く、店舗も無いので急に気が重く感じている人は多いのではないだろうか?また、転居時などになんとなく契約したまま、特に見直すこともなく(あるいは見直す方法がわからずに)そのまま使い続けている人が大部分ではないだろうか。

そこで本稿では、夏休みシーズン企画として、電気代をいかに安く抑えるか?という点に着目して、賢い固定費削減について考えていきたい。

<電力会社は自由に選べ!>

まず、これまでにも本誌の記事でリリースしてきたが、電気料金は決して国が定めた固定の金額で決まるわけでも、国営企業が運営しているわけでもない。
2016年の電力自由化によって、消費者が自由に電気会社を選ぶことができるようになっている。

現在は「新電力」と呼ばれる中小の電力会社が複数新たに参入し、金額、サービスでしのぎを削っている状況だ。使い方によっては金額に大きな開きがでるケースもあり、電力は「どこから買っても同じ」とか「面倒くさいから、これまでのままで良い」とは言っていられないような状態になっているのだ。

そこで、各電力会社の利用料金のシミュレーション比較をして、電気料金が上昇する今の時期にこそ、光熱費のあり方を考えてみたいと思う。夏休み=電気料金が爆増するタイミングに、電力会社の乗り換えを検討してみてはどうだろうか?

<最適な電力会社はどこなのか?>子供が家にいる夏休みこそ「賢...の画像はこちら >>

本稿で比較するのは、東京電力、東京ガス、ENEOSでんき、コスモでんき、CDエナジーダイレクト、の人気5社だ。いずれも経済的なコースがさまざまに提供されているが、実際はどうだろうか。表面的な設定金額ではなく、ポイント還元を含めたトータルな実質負担額を算出して比較してみたい。

また、こういった固定費というのは、様々な場面でテレビCMや広告などを目にするのだが、その情報に嘘は無いのは確かだが、それぞれを比較するとなると急におっくうになる人も多いだろう。

しかもそこには「料金」だけでは判断できない部分も多く潜んでいる。したがって今回は「料金」に加えて、特に重要になる「安定感」「付加価値」という観点からも詳しく見ていく。

<料金のシミュレーション比較>

それぞれ特徴のある人気5社であるが、まずは単純比較として、標準的な4人家族(契約40A、月間使用量400kWh、7月)の月額電気料金について、実質合計負担額のシミュレーションによる比較をしてみた。

東京電力:実質負担額 14,264円[(基本料金+電力量料金+その他料金)※ポイント還元なし]
東京ガス:実質負担額 14,025円[(基本料金+電力量料金+その他料金)―ポイント還元]
ENEOSでんき:実質負担額 13,558円[(基本料金+電力量料金+その他料金)―ポイント還元]
コスモでんき:実質負担額 13,694円[(基本料金+電力量料金+その他料金)―ポイント還元]
CDエナジーダイレクト:実質負担額 13,422円[(基本料金+電力量料金+その他料金)―ポイント還元]

実質負担額のシミュレーション結果では、CDエナジーダイレクトの実質負担額が最も安いことがわかる。
特に、東京電力、東京ガスなどは大手の安定感があるので、契約している人は多いと思うが、「なんとなく契約しています」では毎月の電気代に大きな差が生まれる結果になっているのではないだろうか?

もちろん、今回は紹介した5社以外にも電力会社はいくらでもあるので、各家庭の利用方法に応じて選択してほしいが、料金値上げの頻発や、急な価格高騰につながる料金の仕組み(市場価格連動型など)になっている電力会社には注意が必要だ。

<ポイントは信頼感!料金だけで選ぶことの落とし穴とは?>

つまり、電力会社選びは、表面的な設定価格だけでなく、月額の実質負担額を確認し、その上で、燃料費や需要の変化がどの程度、電気料金に影響を与えるのか、といった安定性などを踏まえた上で検討しなければならない、というわけだ。

数年前にここまでの物価高騰を予測した人はいないだろう。そして、1年前にお米がスーパーの棚から無くなることを予想しただろうか?そんな中で前述したように自由化によって様々な電力会社が乱立する中で、表面的な料金やポイント還元だけで変更してしまうと、結果的に「実は料金がUPしていた」というように変更前より高額になってしまう、というケースも十分にあり得るのだ。

さて、そういった点を踏まえると、大手電力会社の安心感を新電力の安価感の両方を持ち合わせているCDエナジーダイレクトは実に有効な選択肢ではなかと思われる。まず、中部電力ミライズと大阪ガスが共同出資して設立したエネルギー会社であるため、新電力に比べると事業運営上の安定感に期待できる。その上で、筆者調べではあるが、料金は関東圏最安クラスではないかと思われる。また、ポイント還元も手厚く、最終的な負担額が十分に抑えられるはずだ。

それと今回の記事としては蛇足かもしれないが、電気とガスを同時に契約することで、セット割引が適用され、電気・ガスの基本料金および従量料金がそれぞれ0.5%割り引かれるため年間を通じて家庭の光熱費の節約が可能になっている点もポイントだ。

<生活インフラだからこそ長期的な目線が大事>

少し違った視点からも詳しく見てみたいと思う。では、逆に数年後もこれからもずっとお得な料金プランが保証されているか?と言われるとどこの電力会社も保証はできないのではないだろうか?
そんな中、特に家計を預かるママさん必見なのだが、CDエナジーダイレクトには「最適プランの定期便」という他社にはないユニークな独自サービスがついている。これはCDエナジーダイレクトから、契約者の電気使用量をもとに、年に2回最適な契約プランの見直し提案が送られてくる、というもの。


新電力で契約する事で満足し、実は料金が上がっているというような事態にならずに済むのである。具体的に説明すると、「子どもが生まれて家族の人数が増えた」や「転職して在宅時間が増えた」など様々なライフステージの変化に合わせてCDエナジーダイレクトから最適な料金プランが提示されるというわけである。

このサービスは、単に利用状況がレポートされるというものではなく、簡単な操作で契約プランをすぐに変更できることがポイントだ。専門的でわかりづらい料金や切り替えの面倒な手続きもこの「最適プランの定期便」であれば、解決できるため契約者には優しいサービスだろう。しかもオプションなどの有償サービスではないので、なかなかの顧客ファースト感だ。これだけでも契約する価値があると個人的には思う。

夏休みが始まり、これからいよいよ電気料金が高騰してゆくタイミングの今、ぜひ、家庭の光熱費の見直しをしてみてはいかがだろうか?昔から契約していた、という理由だけで、大手電力会社と契約し続けることは、長期的に見ると、無視できない金額の開きがでる結果につながる可能性すらある。

今後も本誌では日々の経済生活を改善するための有用なレポートをお届けする予定である。
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