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堕落した政党とメディアがこの国の政治を堕落させている。
昨年の衆院総選挙以来、日本の主権者国民はレッドカードを突き付け続けている。
少数になった石破内閣に直ちにすり寄ったのが国民民主。この時点で政権刷新は可能だったが国民民主が自民にすり寄って政権を延命させた。国民民主は政権与党にすり寄り、政権与党入りを期待したのだと思われる。石破内閣の真価が問われたのが25年通常国会。物価高対策として消費税減税が多数の政党から提案された。消費税減税断行は十分に決定できた。
しかし、石破内閣はこれを拒絶。
維新は見かけ上、企業団体献金廃止を訴えたが、これは実現しないことを前提にフェイクのジェスチャーを示しただけだったと見られる。25年通常国会で「物価高対策」はゼロ、「企業団体献金廃止」もゼロ。この「成果」を掲げて石破内閣は参院選を戦った。結果は自公の大惨敗。石破氏は首相の座にしがみついたが自民が党首選前倒しを決めて万事休す。石破氏が辞意を表明した。
新しい政権樹立の検討に入ったところで公明が自民との連立から離脱した。
ここに登場したのが維新。最大テーマは「企業団体献金廃止」。ところが、維新はこれを連立参画の条件とせず、議員定数削減にすり替えた。議員定数削減の中身は比例定数の削減。少数政党を殲滅するための方策。維新の悪徳ぶりが鮮明に浮かび上がる。
10月19日のNHK『日曜討論』。石破内閣以来、置き去りにされた「企業団体献金禁止」と「物価高対策」が議論の対象になる。当然のことながら、企業団体献金禁止の論者と抜本的物価高対策の論者が必要不可欠。
放送が示した結論の第一は企業献金禁止の問題検討に時間が必要なこと。第二は物価高対策等を検討する際には必ず財源の裏付けが必要なこと。腐敗臭が広がる番組編成。堕落した政治勢力と堕落したメディアが日本を最悪の状況に誘導している。
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