＜ネット広告の常識が覆る？＞運用型も成果報酬が可能！ハイブリッド型成果報酬マーケティングとは？

ノバック友里恵（本誌ライター）

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7兆6,730億円の市場規模となっている日本の広告産業。2019年にインターネット広告費がテレビを抜き、2024年度では、広告市場全体の47.6%（3兆6,517億円）を占め（電通調べ）、そして2025年はさらにその規模は拡大すると見られる。

一方で、急速な成長を続けるインターネット広告市場が抱える課題は少なくない。広告主が直面する「費用対効果の不透明性」などはその代表格だろう。費用に見合った広告効果はあるのか、それは把握可能なのか。この課題の克服に向けて業界全体を巻き込む新たな潮流も生まれつつある。例えば、その一つとして「成果報酬マーケティング」が注目を集めている。

日本の広告市場の約2.6兆円は、GoogleやMetaといった巨大プラットフォームで行われる「運用型広告」によって占められている。運用型広告とは、広告主が目的や成果に応じて予算や配信内容、ターゲットなどをリアルタイムに運用（設定・調整）しながら効果の最大化を目指す方式の事であり、これがインターネット広告費のうち88.1％を占めている。

この「運用型広告」の多くは従来、広告出稿費用に対して広告代理店が手数料を上乗せし広告主に請求する形で実施されてきた。まず投下する予算を決定し、配信後にその結果としてのCPA（Cost Per Action：顧客獲得単価）を評価する形式であったため、広告費の大部分が無駄になる可能性があるという致命的なリスクを抱えていた。これこそ運用型広告は「費用対効果が不透明」といわれる要因である。

それに対して、成果報酬型とは何か。文字通り「成果報酬」として広告費が支払われる方式となっており、広告主の定める成果を達成した場合でのみ、報酬が発生する仕組みなので、広告主にとっては費用対効果が把握しやすいだけでなく、リスクの低い仕組みとなっている。

この潮流はインターネット広告業界で急速に拡大しており、大手インターネット広告代理店であるサイバーエージェントグループが、運用型広告における成果報酬型モデルの専門会社として、株式会社サイバーグリップを2025年11月4日に設立するという発表をしたことでも話題を集めた。

＜マーケティング業界の常識を覆す新潮流＞

運用型広告が支配的なインターネット広告市場において、「成果報酬型」という考え方は広告業界全体の常識をも根底から覆すものだ。例えば、少し前まで広告の主流であったテレビCMも、今では費用対効果がわかりづらい広告の代名詞になっている。それに対抗する広告媒体として急成長してきたインターネット広告であるが、突き詰めていくと同じような不透明さが問題視されるようになった。そんな中で次世代広告として注目集めているのが成果報酬マーケティングというわけだ。

次世代広告として急拡大する成果報酬マーケティング業界において、トップシェアを誇り業界を牽引しているのが、株式会社Macbee Planet（以下、マクビープラネット）である。創業2015年の若い会社であるものの、設立4年半で東証マザーズ市場に上場を果たし、9年でプライム上場していることからも、成果報酬マーケティング業界の期待値の高さがわかる。

同社は創業以来、クライアントの成果にコミットし、LTV（Life Time Value：顧客生涯価値）の最大化を目指す戦略提案を得意としている。業界のトップランナーとして2024年より「すべてのマーケティングを成果報酬に」というタグラインを掲げ、マーケティング業界全体を改革していこうとしているのである。


＜成果報酬の雄：マクビープラネットの「ハイブリッド戦略」＞

今後、急成拡大が予想されている「成果報酬マーケティング」について理解するには、これまでの広告のあり方を、広告主側からも頭を切り替える必要があるだろう。これからの時代に求められていく透明性も費用対効果も高いマーケティングを実現するためには、それが運用型広告なのか、従来の成果報酬型広告なのか、どちらが良いかという単一的な考え方ではなく、マーケティング予算の投資対効果を最大化させるための理想的な打ち手を実施する必要があるからだ。そして、それを象徴する事例として、マクビープラネットにより成果報酬型広告をアップデートし新たなハイブリッド戦略の提供がある。

マクビープラネットの提唱するハイブリッド戦略とは、同社がこれまで培ってきたメディアとのネットワークに基づき、各メディアのユーザー層やCVR（Conversion Rate： Webサイトを訪れたユーザーで目的の行動をとった人の割合）などを分析しLTVを算出し、クライアントに「最適な場」がどこなのか？を的確に提案可能な状態を構築することであるという。

要は、特定の手法に偏った提案するのではなく、クライアントから預かる大切なマーケティング予算を獲得数（量）とLTV（質）という両面を考慮した最適なプランで常にアロケーションしながら運用する、ということである。「成果報酬マーケティング」のハイブリッド戦略とは、これまでのインターネット広告とは大きく異なる戦略的なものであるというわけだ。

従来のGoogleやMetaといった主要媒体におけるリスティング広告などの運用型広告は、現在では誰でも参入できるため、自社の要因ではなく競合要因によって不可避的にCPAが上がってしまうという構造的課題を抱えていた。これに対し、マクビープラネットのハイブリッド戦略では、運用型広告の領域と、従来の成果報酬型広告の領域を融合させることで、マーケティング活動全体で成果をコミットすることを可能にするので、クライアントの投下予算での効果を最大化できる。

このような高度な専門性をもった仕組みによって顧客満足度と費用対効果を高める必要がある要因には、クライアントの目的や課題自体が複雑化しており、一様ではないという現実がある。

そもそも新商品や新サービス、スタートアップ企業のように、存在自体が知られていないような状態では、「認知」を広げることが目的である。一方で、仮に認知が広がったとしても、購入件数や契約件数が増えなければ意味がない。もちろん、購入後の解約や返品なども抑止する必要があり、クライアントが求めている成果は、それぞれのステータスによって異なっている。マクビープラネットのハイブリッド戦略による成果報酬マーケティングは、それに対する現段階での有力な「解」の一つとなっているといえよう。

＜獲得後も成果を最大化させる技術力＞

さて、ここまで読み進めると、不透明だった費用対効果という課題を「成果報酬」という手法で抜本的な解決を目指している成果報酬マーケティングにはかなりの可能性を感じる。ただし、ここで見落としてはならないことは、マクビープラネットが、更にその成長を高度なAI・データエンジニアリング技術によって推進しているという点だろう。同社は、全従業員の20％をエンジニアやデータサイエンティストが占めている。常にAI活用やデータ解析技術の開発が行われ、自社で開発した複数のテクノロジーを駆使することで、獲得効率の最大化を実現している。新興ベンチャー企業にありがちな根性論的な営業などによって成果を出しているわけではないのだ。

＜広告業界の新しいスタンダードとしての成果報酬マーケティング＞

インターネット広告の多くが未だ運用型（手数料型）で運用されている現状に対し、成果報酬型は「成果が達成されなければ報酬は受け取らない」という極めて透明性の高いモデルである。そして、マクビープラネットが打ち出しているような、ハイブリッド型成果報酬モデルなどは、これまでの広告業界の抱える根本的な課題を解決し、クライアントのリスクを最小化した上で成長機会を提供する理想的なマーケティング手段となる可能性を秘めているように思う。

さて、今後ますます拡大すると予想されるインターネット広告市場。その拡大は天井知らずとも言われる一方で、不透明さや不確実性といった問題も指摘されるようになり、現実的で具体的な利益やメリットを要求されるようになっている。マクビープラネットは、成果報酬型広告をベースに、運用型広告、さらには認知領域の戦略PRや、既存顧客の解約抑止策にまでその概念を拡張し、「すべてのマーケティングを成果報酬に」にすべく、邁進しているのである

そういった時代が到来している中、成果報酬マーケティングの持つ可能性と期待値は大きい。今後も成果報酬マーケティングについて注目し、取材を進めてゆく予定だ。