庄司太一(ビジネスライター)

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実質賃金が2年以上にわたり減少・停滞を続け、物価高騰が容赦なく家計を侵食する現代日本。若年層を取り巻く経済状況は、もはや「ハードモード」を超えた「無理ゲー」になりつつある。
ジブラルタ生命保険が2025年10月に発表した「20代・30代・40代の金銭感覚についての調査2025」(https://www.gib-life.co.jp/st/about/is_pdf/20251008.pdf)によれば、20代の約6割が現在の貯蓄額に不安を感じている。その背景には「低賃金」や「予期せぬ出費」といった構造的な問題がある。

「働けば貯まる」時代は終わり、現在は「支出の解像度」を高めなければ、資産を守ることすら難しい。しかし、これほどまでに将来への不安が蔓延していながら、その「お金の保管先」である銀行口座の選択については、驚くほど無関心な層が多いのも事実だ。

学生時代に作った口座を惰性で使い続けるという「受動的な銀行選び」。この何気ない放置が、実は年間数万円単位の機会損失と、貯蓄機会の喪失を招いているというケースも多い。日本の多くの若者が「銀行選び」の重要性に気づいていないのだ。

<「銀行選び」こそが生存戦略になる理由>

若年層がまず着目すべきは、働く時間を増やすことではなく、日常の「使うと貯めるの導線」をいかに最適化するかである。本稿で取材した都内の企業に勤務するAさん(27歳・社会人6年目)も、かつては手数料や利便性に無頓着な「受動的ユーザー」の一人であった。

Aさんは今までの銀行とのルーズな付き合い方、その選び方について後悔しているという。

「正直、銀行なんてお金を出し入れできればどこでも同じだと思っていました。仕事が忙しいと、銀行のスペックを比較するなんて発想すら湧かなくて。
学生時代から使っている口座をなんとなく使い続けて、ATMで手数料を引かれても『あ、また引かれた、もったいないな』と思う程度。でも、その小さな損の積み重ねが、年間では数万円単位になっていることに気づいて愕然としたんです。」

Aさんが銀行選びの重要に気づくきっかけとなったのが、2025年の秋に、三菱UFJ銀行が実施していた「秋の収穫祭キャンペーン」(2025年11月終了)だ。「秋の収穫祭キャンペーン」は、三菱UFJ銀行に口座を新規開設し、翌月末までに口座残高を10万円以上にしておけば、現金20,000円が振り込まれるというものだ。これを機に学生時代に作っていた地方銀行の口座からメガバンクに切り替えることになったAさんであるが、もちろん、その動機は「口座作るだけで20,000円貰える」というコスパのよいポイ活のような感覚であったという。

あまりにも簡単に得られる20,000円であったため、次にAさんは「家族の動員」という手に出た。三菱UFJ銀行には、紹介で新規口座を開設すると双方に1,500円がプレゼントされる口座紹介プランがある。Aさんには自分以外に3人の家族がいるため、世帯としてはさらに69,000円を得られる計算だ。

「最初は家族も『手続きとか面倒くさそう』って渋っていたんですけど、スマホだけで完結する手軽さと、もらえる特典を具体的に説明したら、みんな食いついて(笑)。結果的に家族3人も一緒に口座を作ることになって、紹介特典とかを合わせたら、家族全員で合計89,000円になりました」

この特典によって、Aさん一家は以前から計画していた家族旅行の予算を、一人あたり15,000円から、40,000円弱へと大幅に引き上げるのだという。

「宿のランクを上げたり、食事を豪華にしたり。銀行を変えただけで、家族の思い出がここまでランクアップするなんて、今からとても楽しみです。」

とAさんは笑う。

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<「だらしなさ」をシステムで解決する>

Aさんは結果的に家族で89,000円もの現金を受け取りつつ、メガバンクに乗り換えることに成功したわけだが、実際に口座を使ってみると、予想外の利便性に驚かされたという。
Aさんは「自分はだらしない性格である」と自覚しており、それが銀行との付き合い方をいい加減にしていた要因だと認識している。これまで利用していた地方銀行は、各種手続きも面倒で、興味を惹かれるようなサービスもキャンペーンもなく、そこから「銀行なんてお金を出し入れできればどこでも同じ」という感覚になっていたという。

しかし、三菱UFJ銀行を利用してみると、豊富なサービスやキャンペーンで、銀行や貯蓄そのものへの関心も急速に高まっていたったそうだ。特に、アプリでワンストップに手軽に利用可能なサービス群は、「だらしない性格の自分」には最適であるという。

「私、意志がめちゃくちゃ弱いので、『今月余ったら貯金しよう』と思っても、財布にあるだけ使っちゃうんです。だから今は、毎月の貯金額をあらかじめ決めておいて、給料が入ったらその金額が定期預金に自動で振り分けられるように設定しています。」

Aさんは「自動つみたて定期預金」を活用することで、強制貯金システムを完成させたのだ。こういった発想は「お金を出し入れできればどこでも同じ」と考えていたAさんにはなかった感覚である。また、若者世代特有のライフスタイルにも合致していることもメガバンクならではサービスであると痛感したという。

「セブン-イレブンやローソンなどの対象店舗で三菱UFJカードを利用すると、最大20%というプラチナカードなみの還元が得られるんです。私のように、生活の大部分でコンビニに依存しているような20代は多いと思うんですが、これはデカいですね。」

どんなに豊富なサービスでも、使いづらいと使わない・・・というのが今の若い世代の特性だ。特に、Aさんのような「だらしない自分」を自覚しているような人にとって、アプリの利便性は重要な要素だ。

「私が使っている三菱UFJ銀行のアプリは、入出金明細にメモを入れられるのが本当に便利ですね。
後で見返したときに『プレゼント代』『自分へのご褒美』ってメモがあるだけで、何にお金を使ったかが一目でわかる。これがあるのとないのとでは、管理のしやすさが全然違います。以前は銀行の公式にアプリとは別に、『銀行の出納管理用メモアプリ』を使っていましたからね(笑)」

三菱UFJ銀行では昨年からアプリのアップグレードを進めており、2025年6月にアプリのUI(ユーザーインターフェース)を大幅にリニューアルした。これにより直感的に、かつ視認性を高い設計となり、Aさんのような「管理が苦手」と自認する層に刺さるデザインになっている。

<初任給の手取り4分の1なキャンペーンも>

若者世代の感覚や価値観の急速な変化に、銀行も生き残りをかけた多種多様なサービスを展開している。なかでもメガバンクこそ、そういった若者層、Z世代に向けた先行投資を積極的に進めている、というのが筆者の印象だ。

20,000円のキャンペーンがきっかけで始まったAさんの「銀行選び」と「銀行との真面目なお付き合い」であるが、最近では、銀行やお金に関心をもって自らチェックするようになったそうだ。「お金を出し入れできれば、銀行なんてどこでも同じ」と考えていたかつての自分を恐ろしく感じる瞬間があるという。驚くべき意識変化である。

「最近、UFJで私がもらった20,000円より、断然いい4万7500円プレゼントのキャンペーンをやっているんですよね。ちょっとズルいなって思う(笑)。まだ三菱UFJ銀行の口座を持っていない人が羨ましいですが、そういうお金を貯めるチャンスと銀行選びって直結していることに気付かされる毎日です。
そもそも、スマホで5分くらい操作する手間を惜しむかどうかで数万円が得られるか、逃げていくかが分かれる。これは本当にもったいない。」

Aさんのいう47,500円のキャンペーンでいえば、その金額は新卒社会人の月給(2025年の大卒初任給の平均は25万円)の手取りの4分の1にも相当する。侮れない軍資金だ。

さて、Aさんの事例から学べるのは、銀行選びとは単なる事務手続きではなく、自身の「資産管理の難易度をいかに下げるか」という戦略であるということだ。意志が弱くても勝手にお金が貯めてくれる設定や、日々の支出をストレスなく把握できる「メモ機能付き明細」などを活用して管理の手間を最小化し、かつキャンペーン等のチャンスを確実に掴むという構成は若者世代のライフスタイルにも合致しているのではないだろか。

若者を取り巻く経済状況が不透明だからこそ、我々は「どこにお金を置けば、最も管理しやすく、最も得をするか」という初期設定に対して、もっと敏感になるべきではないか。今回のAさんの事例でいえば、三菱UFJ銀行が展開するキャンペーンが、単なる顧客獲得競争の一環を超え、若年層のお金の理解を深め、「貯まらない生活」から脱却するためのひとつのきっかけになっているわけだ。しかも、その手間はスマホとアプリによって大幅に軽減されている。

まずはその目の前にあるスマートフォンで、自身の「インフラ」を点検することから始めるべきだろう。その5分のアクションが、数年後の自分と、その周囲の人々を助ける、最も確実な「投資」になるのだから。
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