時田秀一(本誌ライター)

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<少ない元手で大きな投資?>

「NISA」の普及や将来の年金不安を背景に、会社員の資産運用熱はかつてないほどの高まりを見せている。株式投資や投資信託を始めるビジネスパーソンは急増しているが、これらは相場変動に左右される「トレード」の側面が強いのも現状だ。
資産形成の王道は「分散投資」であり、特定の金融商品だけでなく、景気に左右されにくい「安定収入」を確保する手段として、不動産投資が再評価されている。

不動産投資と一口に言っても、REIT(不動産投資信託)や駐車場経営、区分マンション、戸建てなど選択肢は多岐にわたる。その中で、今「アパート一棟経営」が賢明な投資家から支持されている。最大の理由は、土地と建物という実物資産を丸ごと掌握できる「資産性の高さ」と、複数戸から得られる「収益の安定性」のバランスにある。

区分マンションは手軽だが、空室になれば収入はゼロ。それに対し、アパート一棟所有は、一室の退去が即座に経営破綻に直結しない「分散効果」を持つ。いわば、ミドルリスク・ミドルリターンの王道として、長期的な資産形成の核となり得るポテンシャルを秘めているのである。

<アパート経営に立ちはだかる「融資の壁」>

では、アパート経営をリスクを抑えた投資手法と位置付けた時に、何が課題になるのか。まず最初に立ちはだかる壁が「融資の壁」と言われている。例えば、一般的な不動産会社でアパートを購入しようとすると、物件価格の2~3割の頭金を求められることが多い。購入する物件にもよるが、数千万円程度の現金を頭金として用意ができなければ、融資の申込みすら通らないケースは多いだろう。その結果、多くのビジネスマンたちが、「アパート経営は、一部の資産家だけのもの。
自分は対象外」と考えてしまい、最初から選択肢から外してしまう人が多い。

ところが、アパート経営において、この「融資の壁」を突破する常識を覆す投資スタイルが登場している。多額の貯金を切り崩すこともなく、「あえて自己資金を抑えて」数千万~億単位の一棟アパートを取得するという手法だ。

本稿では、この手法のパイオニアとして知られる株式会社シノケンプロデュース(東京都・代表取締役社長 玉置貴史)の担当者に取材し、その実態と仕組みについて説明をしてみたい。同社は、35年にわたって作り上げた独自のビジネスモデルで、会社員の方が安心してアパート経営やマンション経営を始められるよう提案している。

シノケンプロデュース社の直近データによれば、アパート経営のハードルが下がっていることを示しているという。同社でアパート経営を始めたオーナーのうち、実に「6割以上」が自己資金300万円未満でスタートしているというのだから驚きだ。

他社では多額の頭金を求められるのに、なぜ?と疑問にもたれる方は多いかもしれない。このカラクリは、購入する物件の高稼働が見込めるのであれば、金融機関も出資は惜しまない、ただそれだけのことだ。見方を変えれば、いくら頭金を積もうが、安定性の見込めない物件への融資は出し渋る。当然のことだろう。

シノケンプロデュースの場合は、顧客が持つ「個人の信用力」だけでなく、「シノケンに対する金融機関からの評価」を掛け合わせることで、金融機関からの融資へと結びつけているのだという。


アパートローンを審査する際、金融機関は個人の年収だけでなく「その物件が本当に儲かるかという事業性を厳しくチェックする。シノケンは35年の実績に基づき、供給したアパートの入居率99%(2025年実績)という驚異的な数字を維持している。この数値を金融機関からみれば、「シノケンの企画・管理する物件であれば、家賃収入が途絶えるリスクが極めて低く、貸し倒れが起きない」という評価になり、むしろスムーズな融資へと流れてゆくことになる。要するに購入物件をいわゆる「優良物件認定」してもらうことで、融資を引き出すということだ。

具体的にシノケンプロデュース社での事例で見てみたい。年収700万円前後の会社員がシノケンをパートナーとして利用して、アパート経営する場合で考える。この時、銀行からは「個人の安定した給与収入」と「シノケンの事業実績」がセットで評価され、他社では引き出せないような「自己資金を大幅に抑えた好条件での融資」が適用される可能性が高くなるのだという。

つまり、「過去にどれだけ貯金したか」ではなく、「今、社会的にどれだけの信用があるか」×「誰と組むか」が融資を得られるかどうかという評価軸で融資を引き出すというわけだ。これが、限られた自己資金でもアパートオーナーになれる決定的な理由である。

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<一般的なアパート経営との違いとは?>

さらに実態を深掘りすると、この「少額スタート」の仕組みを、資金に余裕のある層も積極的に活用している事実が浮かび上がる。手元に自由に使える資金が1,000万円あるケースを例に、その「経営判断」の違いを見てみよう。

【ケースA:一般的な不動産を利用した場合】
物件価格の2~3割の頭金を求められるため、仮に1,000万円が必要となれば、手元の資金は「ゼロ」になる。
アパートという資産は手に入るが、手元の流動資金(キャッシュ)が枯渇してしまうため、不測の事態への対応力や、次の投資への余力は完全に失われる。

【ケースB:シノケンプロデュースのような企業を利用した場合】
会社員としての信用力を最大限に活かし、あえて自己資金を300万円程度に抑えてスタートする。この場合、同じ資産を手に入れながらも、手元には「700万円」もの現金が温存される。

賢明な投資家であれば、手元に現金を残そうとするだろう。その理由は明確だ。温存した700万円が、「次の投資機会(2棟目、3棟目の購入)」や「予期せぬ出費へのリスクヘッジ」になるからである。事実、シノケンのオーナーのおよそ30%がリピート購入に至っているという背景には、この資金を枯渇させない戦略があるのだろう。

<リスクを削ぎ落とすシノケンの仕組とは?>

アパート経営の対象としては、「どこで買うか」という地域性が重要になることはいうまでもない。たとえば、シノケンプロデュースの場合は、「東京23区をはじめとする主要都市」に徹底してこだわっているという。その理由として、特に賃貸需要が途切れない「駅から徒歩10分圏内」の好立地を厳選していることがあげられる。アパートを一棟まるごと持つと「土地」が自分のものになるため、物価が上がれば、土地の値段が上がることも期待できるのだ。

こういった手堅い都心物件の運用ができる企業をパートナーに選ぶことで、アパート経営は、一気にビジネスマンの副業投資としての魅力は増大するはずだ。
だからこそ、アパート経営は「パートナー選び」が命であり、そこをミスすれば、多大な損失を被るだけでなく、大きな負債を抱えることになりかねない。そのためにもパートナー企業選びには、投資家自身がしっかり調べ、実績や数値をもとにした判断が必要だ。うまい話や根拠のない宣伝文句であれば、どこでもやっているが、重要なのは実績と現実数値である。

同社の場合、アパート経営を開始してからすべての住戸に初回の入居が成約するまで、家賃を100%保証する「初回満室保証」を完備している。土地は事前に同社が買い取り、越境や埋設物などの調査を済ませているため、長期にわたってトラブルも少ないという。

<突発的な出費リスクの回避>

アパート経営で利益を大きく削るのが、設備の故障や退去時の修繕費用だ。しかし、こういった「無視できない出費」は意外と可視化されないケースが多い。アパート経営を開始したはいいが、突発的な出費に利益を喰われるというケースは少なくない。シノケンプロデュースの場合は、エアコンや給湯器の修理・交換費用が無料になる独自のサービス「フリーメンテナンス」を事前に明示している。通常1台数万円になるエアコンメンテナンス出費なども10戸のアパートであれば、長期的に見て数十万円規模の出費削減となる。こういったランニングコストや突発的な出費がパートナー企業によって補填・保管されるということが事前に明示されていることは投資家側の安心感が非常に高いだろう。

こういった宣伝文句ではない「実績数値」と見えないコストの可視化などを明示的に行っている企業を見極めることが、アパート経営をする際のパートナー企業選びには重要だ。

なお、シノケンプロデュースによれば、アパート経営は「生命保険の代わりにもなる」という面白い見方もあるという。

まず、数千万円規模のローンを組むと「団体信用生命保険(通称:団信)」がついてくる。これは、万が一オーナーに不測の事態(死亡や所定の高度障害に該当した場合)が起きた場合、保険金によって「残りのローンが全額ゼロになる」という保険だ。つまり、残された家族には「借金がなく、毎月家賃が入ってくるアパート」がそのまま残ることになる。高い保険料を払って生命保険に入るよりもずっと手堅いとして、この仕組みを「保険代わり」に活用する人は非常に多い。

シノケンプロデュースが提唱しているように、アパート経営はもはや「数千万円の貯金がある一部の資産家」だけのものではない。むしろ「お金はなくとも、信用力を使って賢くお金を動かす」ことが重要だ。例えば、1,000万円の自己資金があった場合、すべてを一基の投資に投じるのではなく、融資を活用し自己資金のうちの300万円だけでアパート経営をスタートさせ、残りの700万円を次の一棟や手元の余剰資金として残しておく。こうした「資金効率」の発想の切り替えが、資産形成のスピードを劇的に変える鍵となる。
とはいえ、表面的な宣伝文句ではなく、実績やその数値、可視化されているサービスをしっかりと確認しなければ、リスクが増大するだけだ。

まずは資料請求や無料セミナーで、自身の年収や属性ならどれくらいの融資が引けるのか、その可能性を確かめることから始めてみるなどが必要だ。そういったパートナー選びと自己分析が、賢いアパート経営には不可欠だ。
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