新谷智恵さんのLIFE STORY
[INDEX-AREA]人に教えることが好き!未来のクリエイターを育てる道へ
これまでのご経歴について聞かせてください。
高校を出た後は、ファッション専門学校へ進学しました。就職先には縫製工場などを考えていましたが、当時お世話になっていた先生から「卒業後はこの学校で働かない?」と声をかけていただいたんです。
それがきっかけで、縫製やパターンの引き方など服づくりに必要な基礎技術について指導する講師になりました。
Before After 雇用形態 正社員 正社員 業種 専門学校 グループホーム 職種 学校教員 介護士 勤務時間 8:30~18:00、8:30~20:00 シフト制 休日 日・祝 月9日のシフト制 仕事内容 洋服の製図・縫製などの指導 身体介助・生活支援講師として抜擢されるなんて優秀な学生さんだったんですね!
いえいえ(笑)。服飾系の学校というと、オシャレが大好きで個性豊かな学生をイメージされるかと思うんですが、私は地味であまり目立たない存在で…。
与えられた課題に対して地道にコツコツ取り組む、真面目な学生生活を送りました。その真面目さを買われての講師のお誘いだったのかなと思っています。
アパレル関連の仕事に就こうと考えての進学だったかと思いますが、まさかの教える立場になるとは思っていなかったのではないでしょうか?
確かに、教職員という道は考えもしなかった職種でした。でも先生からお話をもらって、私は人に何かを教えることが好きだし、意外と向いているかもしれないと思えたんです。
在学中、後輩と一緒にアパレルショップを運営するという実践授業があり、それがすごく楽しい思い出として心に残っていました。目標に向けて誰かを導いていく過程に、やりがいと面白さを見出していました。
また、学生たちとともに日々服づくりへ関わっていれば、せっかく身に付けた専門的な知識も無駄にはなりません。そんな風に考えて、母校で働くことを決めました。
退職の理由は学校の閉校だったと伺いました。
少子化かつ地方ですから、やはり学校経営は年々厳しくなったようです。2016年、休校が正式に発表され、最後の学年の卒業を見送った2018年に閉校となりました。
アパレル業界への転職は目指さなかったのですか?
当時、私はすでに30歳を過ぎており、今さらアパレルの世界で働けるのだろうかという不安が大きかったんです。実際の現場のスピード感や技術力に付いていけるのか。考えれば考えるほど、自信が持てませんでした。
それでも休校の通達が出てからは、知人のショップで型紙づくりの手伝いなどをさせてもらい、現場感を落とさないために努力しました。
私でも雇ってもらえる所が見つかるかもしれないと淡い期待を抱くようになったものの、現実はそう甘くなく、結局は挫折してしまって。
町のお直し屋さんや小さな縫製工場の面接にも行ってみたんですが、求人票と実際の労働条件が違うこともありました。
私は一人暮らしのため、ある程度のお給料をいただかないと生活できません。正社員雇用と書いてあるから応募したのに、いざ面接では「とりあえずパートから」なんて言われてしまうこともあって、不信感と焦りで最終的にはうつ状態に陥ってしまいました。
それはとても苦しい時期でしたね。
でも、生きていくためにはクヨクヨしていても仕方ありません。アパレル業界への想いは封印し、他の世界に目を向けることを決断しました。転職への第一歩として、まずハローワークで勧められた職業訓練を受講することにしたんです。
IT系の講座や事務関係の資格取得などいろいろなプログラムがある中、訓練修了後に自分が働いている姿を唯一イメージできたのが介護の講座だけでした。
教育と介護は似ている?学校と高齢者施設に共通すること
介護職として働く姿を想像できたのはなぜでしょうか?
親戚など、介護士として働いている人間が身近にいたことが後押しになりました。職場の様子なども聞かせてもらって、具体的な仕事内容を思い浮かべられたのが良かったと思います。
同時に、介護士に求められる役割は教員と似ていると感じたことも大きな理由です。
前職との共通点を感じたのはどのような部分ですか?
教職員と学生、介護士と利用者様。年齢層こそ違いますが、個人対多数という対人関係を築く点においては何も変わりません。
また、相手の特性や課題を把握し、ベストな結果に向かって併走するというプロセスも、教育とケア業務が似通っていると感じる部分です。
職場に少人数制のグループホームを選んだのも、相手の生活全体を支える・長い目で見守るといった点で、学校現場との共通性を感じたからです。一人ひとりの利用者様に対して、より細やかなサポートが実践できそうだという期待を持ちました。
なるほど。これまでのキャリアで得た経験を発揮できそうですね。
はい。学生相手に積み重ねてきたコミュニケーションやコーチングのスキルを、今は介護士として新たに進化させることができていると感じます。
ご経験を特に活かせていると思う場面はどんな時でしょう?
人前で話す度胸はあるので、レクリエーションの仕切りは得意ですね。また、勤めていた学校がイベント好きだったこともあり、目の前の人たちを楽しませたい!という気持ちが染み付いているみたいです(笑)。
おしゃべりがノッてついつい時間が押してしまい「新谷のレクは長い」とスタッフに呆れられています(苦笑)。
現在の勤務スタイルについて教えてください。
お休みは週2日のシフト制で、夜勤には月8回程度入っています。少人数制のグループホームはスタッフ数も限られていますから、大きな施設に比べて夜勤回数はやや多いのかもしれません。
規則正しい勤務時間だった頃から大きく生活が変わったかと思います。率直なご感想はいかがですか?
やはり生活リズムを整えることは少し大変だなと感じます。すぐに寝付けるような人なら夜勤も問題ないと思うのですが、体質なのか私はうまく仮眠を取れないんですよ。
夜勤の翌日がお休みでも、なんとなく寝そびれてしまい、2日間でトータル2~3時間しか睡眠を取れなかった…ということもあります。
転職して3年間、体の不調は特に出ていませんが、自分の年齢を考えるとこのままじゃいけないなとは思っています。上手に入眠できるルーティンや方法論を編み出していくことが目下の目標ですね。
講師と介護士の業務スタイルで、最も違いを感じる部分はどこでしょうか?
スタッフ間の連携に対する意識の強さです。講師時代は自分の個性を出す楽しさを知ることができました。現在はチームで仕事をする面白さを教えてもらっています。
学校では、担任としてクラスを持つと、ある程度自分ひとりの裁量でクラス運営をする必要がありました。けれど介護の現場では、周囲への報告・連絡・相談の重要性が大幅にアップします。
利用者様の命をお預かりしている以上、ちょっとした伝達ミスが事故につながってしまいますから。それを防ぐためには、先輩や同僚の意見・見解をよく聞き、協力し合うことが必要です。
そういう面では両極にある仕事を体験できたことは良い経験ですね。
そう思います。ほかにも違うなと感じるのは、仕事を行う上での目標設定でしょうか。
グループホーム介護士の一番の目標は、平穏な日常を紡ぐことです。皆さんが安心して穏やかに過ごしていただけるようにと願いながら、毎日のケアを行っています。
大きな相違に戸惑いなどはありませんか?
「刺激が減ってつまらなくない?」と友人から聞かれることもあります。でも、刺激が減るって、マイナスなことじゃないですよね?
私は転職を通じて、人間の幸せの形は幾通りもあると気付かされました。それに、介護士と教職員は目指すゴールが違っても、誰かの幸せのお手伝いをするという本質は同じ。今の仕事に就いて良かったと心から思っています。
不安も迷いも感じて当たり前。それでもチャレンジしてほしい!
新谷さんのこれからの目標を教えてください。
介護福祉士の資格取得です。去年は受験に必要な実務経験がわずかに足りず、今年ようやく受けられるんですよ。その後は、ケアマネの資格に向けて頑張ってみようと思っています。在宅支援に興味があって、機会があれば他部署への異動も考えてみたいなと。
介護の世界は資格や職種がたくさんあって面白いですよね。
そうなんです。モチベーションを維持しながら働き続けるためには、新しいチャレンジを続けることが必要ですよね。その点、介護職は選択肢が多いので、次は何にトライしようかとワクワクすることができます。
最後に、介護業界への転職を考えている方へメッセージを!
異業種からの転職、悩みますよね。私はアパレルの仕事へ大きな未練を残しての転職活動だったこともあり、職業訓練を受けている間は正直不安な気持ちでいっぱいでした。
でも、いざ現場へ飛び込んでみると、これがすっごく面白くて!この世界にどんどん惹きつけられていく自分自身にびっくりしました。
介護の仕事の魅力は、実践したケアの成果をダイレクトに実感できること。相手から笑顔が返ってきた日には、驚くくらいに心が満たされます。
「もっと喜んでもらいたい!」という気持ちが自然とあふれて、次はこうやってみよう・今度はここを変えてみようと、知らず知らずのうちに工夫を凝らすようにもなりました。
自分の向き・不向きって、やってみないと分からない場合が多いと思います。介護転職に迷いを感じている方、ぜひチャレンジしてみてください!
撮影:株式会社広告通信社
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