高齢の親が遠方で一人暮らしをしていると、心配なことも多いですよね。
「寂しい思いをしていないかな」「安全面は大丈夫?」などと、不安になってしまう方もいるのではないでしょうか?
高齢者の話し相手となってくれるようなサービスがあれば、利用したいものですが、どんなサービスがあるのかわからない方も多いと思います。
そこで、この記事では、高齢者の話し相手になって欲しい場合におすすめのサービスを紹介していきます。
遠方の高齢母が精神的に不安定で心配…
【事例】Yさん(50代・女性)の場合
Yさんの父は昨年他界し、現在は85歳の母が遠方に住んでいます。
寂しさからか、母は最近電話で「もうあの世へ行きたい」などとネガティブな発言をするようになりました。
そんな母のことを心配に思うYさんですが、現在住んでいる場所から実家までの距離は遠く、駆け付けるとなると片道だけで5時間はかかってしまいます。
すぐに行ける距離ではないため、傍にいてあげることもできません。
ケアマネージャーに「訪問介護サービスを利用し、訪問介護員に母の話し相手になってもらえないだろうか」と相談してみましたが、訪問介護サービスの性質上の問題で断られてしまいました。
そこで、母の話し相手となってくれる他のサービスはないのかと考えてはみましたが、どんなサービスに頼れば良いのかわからず悩むのでした。
このように、近くに親しい人がいないために話し相手が欲しいと思う高齢者やその家族は、多い傾向にあります。
訪問介護サービスで、高齢者の話し相手になって欲しいと思う方もいますが、「話し相手」という目的で訪問介護サービスを利用することは原則できません。
どうしても訪問介護サービスを利用して話し相手になって欲しい場合は、生活援助や身体介護を受けながらコミュニケーションを取るという形になります。
しかし、生活援助や身体介護のような訪問介護サービスは、実施の必要があるとケアマネージャーが判断しない限り、サービスを受けるのは難しいのが現実です。
では、話し相手がほしい場合、どのような方法があるのでしょうか?
その方法5つを以下で紹介していきます。
方法1:訪問看護サービスの利用
精神的に不安定であったり、疾患がある場合には、訪問看護サービスで話し相手になってもらえる可能性もあります。
例えば、精神科看護に特化しているような訪問看護サービスでは、精神科看護の経験豊富な看護師が多く在籍している可能性が高いです。
訪問看護は、医療行為を提供するだけでなく、精神的なケアや状態確認、服用管理などのサービス提供も行っています。
ただし、利用するには主治医の判断が必要です。
精神的な面で「話し相手が欲しい」という場合には、主治医かケアマネージャー、訪問看護事業所に相談してみると良いでしょう。
方法2:デイサービスの利用
「人と関わる時間が欲しい」という場合には、デイサービスを利用してみるのも良いでしょう。
デイサービスによって特徴はさまざまですが、レクリエーションに力を入れているデイサービスであれば、他者と関わる機会は多いです。
さらには、活動量が増えるだけでなく、社会参加のきっかけになる可能性も。
他者と関わることは、認知症予防やメンタルケアの効果も期待できるため、デイサービスの利用はおすすめです。
ただし、マンツーマンでのサービスではないため、複数人でいるのが苦手な方は不向きであるかもしれません。本人の意向も踏まえて判断するようにしましょう。
方法3:傾聴ボランティアの利用
社会福祉協議会やボランティアセンターなどが実施している話し相手のサービスに、「傾聴ボランティア」というものがあります。
事前講座を受けているボランティアが障がいのある方や高齢者の自宅を訪問し、話に耳を傾けてくれるサービスです。ただし、話し相手になってくれるボランティアの方によっては、相性が悪いという可能性もゼロではありません。その場合は、逆にストレスになってしまう恐れも。
お願いするボランティアの団体によって利用できる頻度はさまざまですが、単発の利用から始められるケースもあるため、相性などを知りたい方はまずは単発の傾聴ボランティアを試してみることがおすすめです。

方法4:保険外サービスの利用
介護保険を使ったサービスには、利用目的に条件があるのが基本ですが、インフォーマルである場合は違います。
例えば、保険外の民間サービスであれば「話し相手」というサービス内容で、利用できる可能性もあるでしょう。
ただし、保険外であるため利用料金はさまざまなので、まず利用料金やサービスが受けられる時間などを事前に確認しておくことが大切です。
方法5:介護ロボットの導入
最近では、コミュニケーションがとれる介護ロボットが多く販売されています。
介護施設や企業などで使われている高性能で高価なものから、低価格で気軽に家庭に導入できるようなロボットまでさまざまです。
コミュニケーションのみに特化した介護ロボットが多いですが、なかには見守りシステムを搭載した介護ロボットもあります。
例えば、コミュニケーションロボット「LOVOT」は、ペットのような愛くるしい容姿とはうらはらに、さまざまな機能を搭載し、まるで一緒に生活しているような自然なコミュニケーションが体感できます。
それだけでなく、専用アプリで活動時間をカスタマイズしたり、搭載されているカメラで部屋の状況を確認することも可能です。
このようなコミュニケーションロボットを導入することで、高齢者は癒しと安心を得ることができるかもしれません。
普段の様子が気になる方や、一人暮らしを不安に思うという方には特におすすめです。
不安な場合はケアマネージャーに相談してみよう
親のことが心配であったり、寂しい思いをさせたくないと感じた場合には、まずケアマネージャーに相談してみるとよりスムーズに話が進むかもしれません。
ケアマネージャーは介護保険内サービスだけでなく、住んでいる地域の自治体サービスやインフォーマルサービスまで、幅広い情報を把握している可能性が高いです。
保険内で利用できないサービス内容であっても、それ以外の方法を提案し力になってくれるかもしれません。
また、サービス利用が難しければ、テレビ電話の活用もおすすめです。
例えば、週に2回テレビ電話の時間を決めておけば、親の状況を確認できるだけでなく、寂しさの緩和にも繋がります。
さまざまな方法の中から、生活スタイルに合ったものを実践してみましょう。

話し相手のいる環境を整えよう
今回は、話し相手のサービスを受ける方法を紹介してきました。
性格は人それぞれなので、一概に「この方法が合っている」とはいえません。記事を参考に、本人に合いそうな方法をぜひ実践してみてください。
また、近くに住む友人や知人に協力してもらい、定期的に連絡をとってもらうのも一つの方法です。
本人が奥手な性格であれば、知人・友人に自分から連絡しづらい可能性もあるため、あなたから事情を話し、電話や訪問などをしてもらうのも良いでしょう。
定期的に誰かと話すことで、認知症予防にも繋がります。高齢者にとって安心で寂しくない環境を整えてあげるためにも、さまざまな方法を試してみましょう。
サービスなどによる、人との関わりで不安が軽減されるかもしれません。