目次
  • 難病法で定められた難病と指定難病の違い
  • 日本で多い指定難病20
  • 指定難病医療費助成制度は使える範囲が限られている
  • 指定難病を患ってしまった人やその家族は、「施設に入ってほしい(入りたい)けど、お金が高いから心配」「将来、施設に入る時にどのくらいの金額がかかるか不安」などの悩みを抱えていませんか?

    今回は、指定難病で施設入居を考えている人へ向けて、役立つ制度の解説とアドバイスをさせていただきます。

    難病法で定められた難病と指定難病の違い

    「難病」という言葉をよく耳にするかもしれませんが、「難病」と「指定難病」では意味が異なります。

    難病法第1条で定められている「難病」は以下のようなポイントがあります。

    • 発病のメカニズムが明らかでない
    • 治療方法が確立していない
    • 希少な疾病
    • 長期の療養を必要とするもの

    患者数などによる限定は行わず、ほかの施策体系が樹立されていない疾病を幅広く対象とし、調査研究・患者支援を推進しています。

    一方、「指定難病」とは、難病法第5条で難病のうち、下記の要件を満たすものとして定められています。

    • 患者数が一定の人数(人口の0.1%程度)に達しないこと
    • 客観的な診断基準(またはそれに準ずるもの)が確立していること

    「難病」という大きな枠の中に「指定難病」があるというように理解しておいてください。

    日本で多い指定難病20

    次に、指定難病の疾患について説明をしていきます。指定難病は年々増加しており、2022年6月時点では、338疾病が該当しています。

    60歳以上の人で、特定医療費(指定難病)受給者証所持者数が多い20疾病は、下記の通りです。

    指定難病の上位20  
  • パーキンソン病
  • 潰瘍性大腸炎
  • 後縦靱帯骨化症
  • 全身性エリテマトーデス
  • 全身性強皮症
  • 脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く。)
  • 網膜色素変性症
  • 重症筋無力症
  • 特発性間質性肺炎
  • 皮膚筋炎/多発性筋炎
  • 原発性胆汁性胆管炎
  • 特発性血小板減少性紫斑病
  • 特発性拡張型心筋症
  • 進行性核上性麻痺
  • サルコイドーシス
  • シェーグレン症候群
  • 特発性大腿骨頭壊死症
  • 多系統萎縮症
  • 顕微鏡的多発血管炎
  • 筋萎縮性側索硬化症
  • 出典:公益財団法人難病医学研究財団/難病情報センター(令和2年度末現在 特定医療費(指定難病)受給者証所持者数)
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    指定難病上位20の中でも患者数が少ない疾病については、その名前を聞いたことがないという人も多いのではないでしょうか。

    自分自身や家族などの疾病が「指定難病なの?」と気になる場合は、難病情報センターのホームページに指定難病の一覧表がありますので、調べてみてください。

    指定難病医療費助成制度は使える範囲が限られている

    指定難病の人には、「指定難病医療費助成制度」という制度があり、医療費が助成されます。

    その助成制度の対象となるのは、「指定難病およびその指定難病に付随して発生する傷病に関する医療」で、下記のようなものが挙げられます。

    対象の医療
    • 診察、手術、治療
    • 入院
    • 薬剤の支給
    • 訪問リハビリテーション(医療保険、介護保険)
    • 訪問看護(医療保険、介護保険)
    • 介護医療院
    • 介護療養型医療施設など

    それでは、具体的に、指定難病医療費助成制度の活用方法を説明していきましょう。

    指定難病医療費助成制度を申請すると、「医療受給者証」が交付されます。

    その際に、年収などに応じて月の自己負担上限額が決まります。

    0~3万円で設定されますが、5,000円や1万円の人が多い印象で、長期間指定難病を患っている人は自己負担上限額が下がる場合もあります。

    「医療受給者証」を指定医療機関で提示することで、医療費の助成が受けられます。月の自己負担上限額が5,000円の場合の方を例に挙げてみます。

    自己負担上限額が5,000円の場合

    4月1日~4月30日に下記のサービスを利用すると合計は1万3,000円

    • 受診:1,000円
    • 薬:2,000円
    • 訪問看護:5,000円
    • 訪問リハビリテーション:5,000円

    1万3,000円分を利用しましたが、この方の月の自己負担上限額は5,000円ですので、残りの8,000円は助成されて支払う必要はありません。

    しかし、この制度が使えるサービスは限られています。

    ●使えるサービス
    • 診療所、病院の訪問リハビリテーション(介護保険、医療保険)
    • 訪問看護(介護保険、医療保険)
    • 薬の処方
    • 診察
    • 病院の入院
    • 病院での手術
    • 介護医療院など
    ●使えないサービス
    • 介護老人保健施設の訪問リハビリテーション(介護保険)
    • デイサービス(通所介護)
    • イケア(通所リハビリテーション)
    • ヘルパー(訪問介護)
    • 特養
    • 老人ホーム
    • 介護老人保健施設など

    同じ訪問リハだとしても、介護老人保健施設からの訪問リハでの利用はできませんが、病院や訪問看護ステーションからの訪問リハでは利用できるというルールがあるのです。

    同じように、入院と施設入居の場合も制度が活用できる場合とできない場合があります。

    例えば、パーキンソン病が重度となり、寝たきりになってしまったとしましょう。その場合、指定医療機関の病院では制度が使用できますが、指定医療機関ではない介護保険の施設では使用できません。

    このように、指定難病の人は、「指定医療機関であるか否か」がさまざまな選択をする際に、とても重要となります。

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    指定難病医療費助成制度は使える条件が限られている

    しかし、「お得だから指定医療機関を使う」ということはできず、制度上必要な場合でなければ、そもそも医療を受けることができません。

    その点は専門家からの説明をしっかりと受けたうえで確認しましょう。

    制度の特性上、指定医療機関の方がお得になる場合もありますが、介護保険のサービスでも「高額介護サービス費」や「高額医療・高額介護合算療養費制度」などが活用できる場合もあります。

    そのため、年収、希望、状態などを総合的に判断してケアマネージャーや病院・施設の相談員さんなどに自分自身や家族が使える制度を聞いてみることをおすすめします。

    もし指定難病を患ってしまったとしても、少しでも自分らしく豊かな生活が送ることができるようにリハビリや治療などにも前向きに取り組んでいきましょう!

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